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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)8月24日(月曜日)
通巻第6628号
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中国の社債残高は4・1兆ドル。年内の償還は5290億ドル
泰禾集団(最大の不動産デベロッパー)、八月に2・2億ドルのデフォルト
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危機が目の前に来た。
中国の社債市場はすでに4・1兆ドル(邦貨換算430兆円。以下括弧内は同じ)規模だが、年内に償還期限がくる社債は5290億ドル(55兆5000万円)になる。
債務不履行(デフォルト)が目立つようになったのは2019年からで、コロナ災禍で加速された。不動産は表向きの堅調報道とはことなり、買い手が「蒸発」している。
まったく売れず、ダンピングが続いている。
中国有数の不動産開発企業として知られる「泰禾集団」(TAHOE集団)は、福建省が拠点で厦門開発から出発し、上海、北京など中国全土で不動産開発ばかりか、娯楽、金融サービス、はては米国ナスダック上場企業を買収と、まるで孫正義のように買収につぐ買収で企業を膨張させてきた。
すべてが借金で賄われるから、負債は天文学的に増える。
2018年あたりから息切れが目立つようになっていた。
直近でも、償還期限のきた22億ドル(2300億円強)の返済が出来ず、ついにデフォルトとなった。この社債は金利が7・5%だった。
向こう一年間に償還するべき同集団の社債の残高は、8億4000万ドル(882億円)である。格付け機関のフィッチとムーディズは「投資不的確」に格下げをしている。
さすがに強気だった中国の不動産関連、ならびに金融業はデフォルトが連続するような事態の到来に、すっかり投資マインドも萎縮、先行きに怯えている。
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