イスラエル・ハマスの戦闘は「テロ」 教皇発言にユダヤ系団体反発
フランシスコ・ローマ教皇=AP
ローマ教皇フランシスコがイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘について「戦争を超えたテロ行為」にエスカレートしていると述べ、ユダヤ系団体から反発を招いている。 【写真まとめ】ガザ地区にハマスが張り巡らせたトンネル
ロイター通信によると、教皇は22日、バチカンのサンピエトロ広場での一般謁見でイスラエル・ハマスの戦闘を「戦争を超えている。これは戦闘ではなく、テロ行為だ」と非難した。そのうえで双方が「激情に駆られて皆殺しに及ばないよう」祈りを捧げるよう信者らに求めた。
これに対し、イタリアのユダヤ教団体は「攻撃する側と攻撃される側を同列に並べている」と抗議した。米国ユダヤ人協会(AJC)は「イスラエルの自衛はテロではない」と反発。米ユダヤ系人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センターも「(戦闘開始以降の)すべての苦しみはハマスの耐えがたい行動によるものであることを忘れてはならない」と教皇の発言を批判した。 バチカンのズッピ枢機卿は23日、「教皇はすべての人を同一視しているわけではない。イスラエルの(戦闘の)動機について理解している」などと釈明した。【ブリュッセル岩佐淳士】