「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)6月12日(金曜日)
通巻第6532号 <前日発行>
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米上院小委員会が報告書、中国の通信企業を米国市場から追い出せ
中国の通信市場で米国勢の参入が出来ないのは双務主義に叶っていない
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『米国ネットワークへの脅威 ──中国の国有通信企業の観察』と題された報告書が上院監査小委員会で作成された。内容は超党派であり、トランプ政権、ならびに下院とも共通認識が前提にある。
小委員会委員長はボブ・ポートマン(オハイオ州、共和)。かれはUSTR代表と予算局長を務めた経済の専門家である。
またトム・カーペー副委員長は軍歴23年、海軍航空隊を率いてP3Cに乗り込んでいた。退役後、デラウエア州知事から連邦下院議員(民主)。つまり超党派で、中国問題に関しては強硬か、やや強硬かの温度差はあるものの、親中派議員を見つけるのは、たいそう難しいのが現在の米国議会の状況だ。
米国は2019年にチャイナ・モバイルの米国参入を不許可とした。理由は「明確に中国政府が背後にあって、サイバー攻撃の専門家をかかえ、同時にハイテク盗取の懼れが高く、ゆえに米国の通信の安全保障に脅威である」とした。
他方、米国の通信企業が中国市場に参入するには100%現地法人が認められず、中国企業との合弁となる。しかも条件には技術の強制的提供が謳われており、まことに不利益な契約条項ばかり。それゆえ外国通信企業で中国と合弁の進出はない。
また近年おおがかりに米国通信業界に誕生したのは、ドイツ系通信企業が43%の株主、ソフトバングGも24%シェアを持つことになった、スプリントとの合併「Tモバイル」である。
経営権はドイツテレコム、携帯契約件数は約1億4000万件になる。ちなみに首位ベライゾン・コミュニケーションズ。2位はAT&T。
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