フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月20日(土) まるで梅雨明けのような

2006-05-21 01:20:43 | Weblog
  午前、久しぶりに研究ノートの更新。それから授業日誌も更新。来週からの職場復帰に向けての肩慣らしだ。綿パンとTシャツに着替えて「やぶ久」に昼飯を食べに出る。まだ梅雨入り前なのに今日はまるで梅雨明けのような天気だ。今日が5月20日であることを知らなければ、「夏が来た!」と誰だって思うはずだ。日替わり定食のきすの天丼と冷や麦が絶妙の組み合わせで実に旨い。ああ、このまま夏休みだったらどんなに素晴らしいだろう。夕方、驟雨。これもまた夏の夕立そのものだ。
  夜、瀬尾まいこ『強運の持ち主』を読む。贔屓にしている作家の新作ということで楽しみにしていたのだが、期待外れだった。帯に印刷された「読んだら元気が出る、待望の新作」という文字を見て嫌な予感はあった。まるでサプリメント小説宣言ではないか。瀬尾まいこの小説はそうした手垢にまみれたカテゴリーにこぢんまりと収まらないところに独特の魅力がある。それが今回はこぢんまりと収まろうとしているように見える。売れっ子の作家になれば、書きたい作品を書くのではなく、求められる作品を書かねばならないのであろう。いや、書きたい作品を書くように求められて、しかし、書きたい作品がそう簡単に書けるわけでないので、〆切までに原稿用紙のマス目をともかく埋めていくという作業をしなくてはならないのだろう。もちろん才能のある人だから、そうやって書いた作品でもそこそこのものには仕上がる。でも、私が読みたいのはそんな作品ではない。
  財布の中に『僕の大事なコレクション』のチケットが入っている。先週、チケットぴあで購入したものだが、それから数日後に父が亡くなって映画どころではなくなり、気づいたら昨日で公開が終了していた。捨てるのは忍びない気持がして、モギリの部分を切りとって、モールスキンの手帖に貼り付けた(観た映画のチケットはいつもそうしている)。いずれDVDが出たらレンタルして観ることにしよう。チケットを購入してすぐに映画館に行っていれば、父も死なずにすんだのではないか。そんなことを考えたりする。