8時、起床。サラダのみの朝食。今日は午前中にカフェの約束がある。
10時半に矢向駅で論系助手の川副さんと待ち合わせ、「ノチハレ珈琲店」へ行く。 彼女には去年の4月に生れた一人息子の惟平(いへい)君がいる。できたら一緒に連れてきて、私とのツーショットを撮りたかったようだが、ハイハイやつかまり立ちで活発に動き回る月齢なので、今回は断念された。
「ノチハレ珈琲店」には念のため昨日予約の電話を入れておいたが、しておいたよかった。店内はほぼ満席だった。奥様の出産のため18日を最後にしばらく(予定では3か月間)休業期間に入ることになっているこのカフェにみなさんやってきているのだ。
キープしておいたいただいていたのは店の奥の二人用のテーブル席だったが、入口横の明るいカウンター席が空いていたので、そこに座らせていただいた。
メニューを見て、フードは何にしようか考える。実は、「ノチハレ珈琲店」には「パン日和あをや」からの流れで来ることがほとんどなので、すでに食事は「あをや」で済ませていて、「ノチハレ」ではコーヒーだけ、あるいはコーヒー+スイーツという注文しかしてこなかったのであるが、「あをや」と同じく「ノチハレ」も自家製パンが評判のお店なのである。
ピザトースト。
トースト(特製ジャムとバター)。
シェアしていただく。美味しかった。朝食が軽かったこともあり、ペロリと食べてしまった。それは彼女も同じで、いま授乳中の彼女は、常時食欲があり「無限に食べられるんです」と言う。ほ、ほんとか?! 授乳中の女性はみんなそうなのか?!
マヨタマトーストを追加で注文しようかと考えたが、この後もう一軒カフェに行くつもりなので、飲み物だけにしておく。
私はリンゴジュース。
彼女は練りココア。
東日本大震災があった年に博士課程に進んだ彼女は、博士課程に在学中の6年間、被災地をフィールドとした地域社会学的研究に没頭した。「疾風怒濤の6年間でした」と彼女は言う。気持ちがいっぱいいっぱいになって、突然思い立って、海外逃亡(東南アジア方面の旅行)に出かけたことも何度かあるそうだ。
そして2年前から現代人間論系の助手になった。去年、お子さんの誕生・育児とお父様の介護・死という大きなライフイベントを立て続けに経験した。この4月からは東洋大学の社会学部の助教になることも決まった。よいことも辛いことも、短期間にたくさん経験すると、うつ病になるリスクが高まるという研究があるが(ホームズの社会的再適応尺度)、彼女はストレスをストレスと感じるゆとりもないくらい必死の1年であったようだ。タフですね。でも、反動が来ないかちょっと心配です。
保育園のお迎えには2時にこちらを出ればよいということなので、もう一軒カフェにお付き合いください。
矢向→川崎→大井町と移動して、「pottery」へ。大井町駅周辺の飲み屋街には心惹かれたようである。私は知らなかったが、彼女は修士の頃、神楽坂の料亭に住み込んでいて、将来は旅館の女将になるのではないかと思われていたそうである。
「pottery」の前の通りの河津桜はすでに葉桜になっている。
「こんにちは」とマダムに挨拶をして、お気に入りの入口左側の半円形のテーブルに座る。
珈琲とタマゴトーストを注文。
これを食べたかったので、「ノチハレ」でマヨタマトーストを追加注文しなかったのだ。
彼女は最近あれこれ家電製品を買い込んでいるそうだ。食洗機、乾燥機付の洗濯機、電子レンジ、大きな冷蔵庫・・・家事労働の負担の軽減のためである。「夫も私のリクエストに全面的に賛成してくれました」。
夫の枕元にこの本を置いておいたのが功を奏したようである。
狩野さやか『ふたりは同時に親になるー産後の「ずれ」の処方箋』( 猿江商会)
著者は一文の社会学専修の卒業生で、私とも何度かカフェをしたことがある。子どもの誕生という幸せなはずの出来事の後に訪れる夫婦の危機(産後クライス)の原因とそれへの対処法を書いた本である。これから出産を迎える方、育児中の方の必読書といってよい本です(大袈裟でなく、ほんとに)。
作戦成功ですね(笑)。これからは気持ちがいっぱいいっぱいになっても、突然思い立って一人で海外逃亡するとうわけにはいきませんから、いっぱいいっぱいにならないようにすることが肝心です。メンタルはタフのようですが、それを過信しないで、日頃からストレスの低減・解消の工夫をお忘れなく。4月からの新生活になれた頃にまたカフェでもいたしましょう。今度は惟平君も一緒でしょうか。
りんかい線に乗って帰る彼女とは大井町駅で別れた。
夕食はポースソテー、ひじきと大豆の煮物、味噌汁、ご飯(ご飯と味噌汁の位置が逆ではないか)。
ポークソテーの付け合せはスナップエンドウとエノキ茸のソテー、トマト。
川副さんからお土産にいただいたお煎餅(地元のお煎餅屋さんのもの)をお茶受けにいただく。
卒業生で画家の櫻井あすみさんから本をいただいた。
小松佳代子『美術教育の可能性ー作品制作と芸術的省察』(勁草書房)
あすみさんは東京芸大の大学院で美術教育の勉強と創作をされていたが、本書には彼女の修士論文を加筆修正した「贈与としての美術・ABR」という論考が収められている。*ABRとは、Arts-Based Research(芸術に基づくる研究、芸術的省察による研究)の略である。
併せて個展のご案内もいただいた。
櫻井あすみ展「虚像とアクチュアリティ」
会期と時間:4月6日~29日(ただい金土日のみ)12:00-19:00
会場:TS4312(丸の内線四谷三丁目駅17番出口から徒歩1分、セブンイレブンの隣のサワノボリビル9F)
初日(6日)のお昼に行けたらと思います。
2時、就寝。