フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

7月26日(土) 曇り

2008-07-27 00:50:49 | Weblog
  今日は午後4時から大学でライフコース・アーカイブ研究所の研究会がある。報告者の一人になっているので、昼間はそのレジュメ作り。過去にわれわれが行なった生活史調査データのアーカイブ化の方法について、何か提案をすることになっている。一口にアーカイブ化といっても、どんなデータがあるのかの目録作りから、二次分析のためのデータ公開まで、さまざまな段階がある。生活史データというものの特性から考えて、統計調査の個票データの公開のようなことはまず考えられれないが、研究所のメンバー間での共同利用ということは十分にありえる。生活史データを使って論文を書く場合、元データの固有名詞は原則として伏字にするとか、ただし地名をすべて伏字にしてしまうと地域移動のイメージがまったくわからなくなってしまうので都道府県レベルは固有名詞のまま残すとか、職業名は原則としてそのままで構わないが非常に特殊な職業の場合は対象者が特定されてしまう恐れがあるので表現方法を工夫するとか、そういった約束事を決めておく必要がある。また、ある時期より前はインタビューはテープレコーダーで録音していたので(現在はICレコーダーを使っている)、テープの劣化によるデータの破損を防ぐため電子ファイルへの変換が急務となる。・・・といったような内容のレジュメを作成し、余った時間で基礎講義のレポートへのコメントを書いてから、大学へ。
  今日は会議室の予約がいっぱいだったので、研究会は社会学実習室(123教室)で行なったが、一体どこからやってくるのか、室内に蚊がたくさんいるので、研究会の開始前にキンチョールをたっぷり噴射して、5分ほど廊下で待機してから教室内に入った。それでもたくましく生き残っている奴がいて、私は大丈夫だったが、蚊に好かれる体質の方は痒がっていた。研究会は6時過ぎに終わり、その後、みんなで高田馬場の錦華飯店へ繰り出し、納涼懇親会。社会科学部の小島先生の健啖家ぶりには毎回驚かされる。そういう私もデザートに杏仁豆腐とココナツミルク(タピオカ入り)とゴマ団子を注文したのではあるが。

7月25日(金) 晴れ

2008-07-26 02:25:09 | Weblog
  午前中から都内某所で某会議。それが3時に終わり、どこかで映画を観るにはちょうどいい時間帯だと思ったが、このところ寝不足気味なので、きっと映画館のシートに座ったら居眠りをしてしまうだろうと考え、丸の内の丸善に寄って買物をすることで気分転換とした。購入したのは5冊のノート。店内の喫茶店で一服していこうかと思ったが、混んでいたので、蒲田に着いてから、「テラス・ドルチェ」で珈琲を飲む。鞄から新しいノートを取り出して眺める。新しいノートを手にすると「明日という日は明るい日と書くのね」(by 新谷のり子)という気持ちになる。

         
       「それでも時々悲しい日もあるけど。だけどそれは気にしないでね」

7月24日(木) 晴れ

2008-07-25 03:46:08 | Weblog
  昼から大学へ。1時から4時頃まで某会議。5限は基礎演習の補講。その後、大学院への進学の件で面談を一件。夕食は久しぶりで「秀永」の木耳肉(ムースーロー:豚肉と卵と木クラゲの炒め)定食。成文堂で以下の本を購入。帰りの電車の中で読み、蒲田に着いてから、「シャノアール」で切りのいいところまで読んでから帰宅。

  佐藤春夫『美しき町・西班牙犬の家』(岩波文庫)
  内田魯庵『新編 思い出す人々』(岩波文庫)
  里見『極楽とんぼ』(岩波文庫)
  萩上チキ『ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性』(ちくま新書)

  ちょうどTVドラマ「コード・ブルー」(第4回)が始まるところだったので、それを見てからシャワーを浴び、復旧したコースナビにアクセスして、基礎講義のレポートへのコメントを付ける。最後にアクセスできたのが昨日の午前中だったから、1日半ぶりでのアクセスとなったが、論系に提出されているレポートの数が173から293へ一挙に120もアップしているのにびっくりする。どおりで混雑していたはずである。去年は202だったから記録の更新である。しかも、まだレポートを提出していない学生(文化構想学部1年生)が全体で200人ほどいるから、最終的には350あたりまで達するのではなかろうか。嬉しい誤算というか、コメントのことを考えると、嬉しい悲鳴である。
  深夜、気分転換に自宅前の路上で近所の野良猫たちと戯れていたら、折悪しく、おまわりさんが自転車に乗ってやってきた。案の定、職務尋問を受けるはめになる。

 警官「ここで何をなさっているんですか?」
 私「野良猫と遊んでいるのです」
 警官「・・・・・」
 私「ほら、そこの自動車の下に一匹、そっちの道に一匹、それとついさっきまであちらの道にも一匹いたのですが、そこの家の庭に入っていってしまいました」
 警官「いま、その家の庭先をのぞいていましたよね」
 私「はい、そこにいるはずの猫の名前を呼んでいたのです。『なつ』という名前です。おい、なつ、なつ」
 しかし、なつのやつは出てこない。ここで出てきて私の身の潔白を証明してくれないとダメじゃないか。ふだんかわいがってやっているのに薄情なやつだ。「猫の恩返し」というのはないのだろうか。
 警官「お名前は?」
 私「ですから、なつです」
 警官「いえ、あなたのお名前です」
 私「あっ、私ですか。大久保といいます。これが私の家です」
 その若い警官は、たぶんまだ独身であろう、三階建ての立派な住宅を見上げながら、自分もいつの日かこんなマイホームを建てたいものだと心の中で思った(かどうかは知らない)。
 警官「何か身分を証明できるものをお持ちですか。免許証とか」
 私はそのとき半パンと半そでシャツ(下着)という裸の大将(山下清)を彷彿とさせるいでたちであったので(これもまずかったのだろう)、「ぼ、ぼくは、く、くるまの運転は、し、しないんだな」とか答えようかとチラッと思ったが、やはりそういう冗談はこの場合リスクが大きいと判断し、「いえ、外出というのではなくて、こんな格好からもお分かりのように、ちょっと玄関先に出て涼んでいただけなので、何も携帯しておりません。なんでしたら家の者を呼んで証言してもらいましょうか?」と答えた。我ながら冷静な対応だ。
 警官「いえいえ、わかりました。それには及びません」
 私「では、いまから自宅にひっこみますので、玄関を入るところを見届けてください」
 警官「わかりました」
 ということで、私は警官に「ごくろうさまです」と挨拶をしながら、玄関の中に消えた。李下に冠を正さず、瓜田に履を納れず、という教えがある。怪しまれるようなふるまいはするなということである。夜道に猫と戯れず、というのを新たに加えてもよいように思う。

7月23日(水) 晴れ

2008-07-24 01:20:26 | Weblog
  8時起床。すぐにPCのスイッチを入れて、コースナビに接続し、「基礎講義1」にアクセスする。つながった。昨日の夜からまったくつながらなかったのだが(深夜になってつながらないのは大学生は夜型が多いからだ)、さすがに朝はつながる。夜の間に提出された15本のレポートを読み、コメントを付ける。朝飯前の仕事にしようと思ったが、それは無理で、途中で朝食をとる。塩鮭と卵スープとご飯。午後1時から大学へ会議があるので、昼前に家を出る。真夏日だ。工学院通り商店街(もう商店街とはいえなくなりつつある)の一画に瓦礫の山ができている。

         
                    夏草や商店街の夢の跡

  1時からの会議は3時には終わり、4時20分からの卒論演習の補講までの時間、研究室で基礎講義のレポートへのコメントを書こうと思っていたら、まったくコースナビにアクセスできない。よほどアクセスが集中しているのだろう。基礎講義のレポートの提出の締め切りは明日である。これから提出する学生が半分以上いるようなので、彼らも気が気ではないであろう。サーバーの負荷を軽減する何らかの対処が早急にさなれないとパニックになるだろう。やろうと思っていたことができなくなったので、ミルクホールへ行ってカレーパンと珈琲で一服し、生協で以下の本を購入し、生協の入り口の前のベンチで読む。

  ジグムント・バウマン『個人化社会』(青弓社)
  橋元淳一郎『時間はどこで生まれるのか』(集英社新書)

         

  卒論演習の補講は予定していた社会学専修室が使用中であったので、私の研究室で行なう。H君の報告を私とT君の二人で聴く。たっぷり1時間半やる。補講だから参加は自由といっておいたが、もう少し集まるだろうと思っていた。補講もいつもどおり金曜の5限だと勘違いしているのかもしれない。
  夜、答案の採点の続き。ときどき、何を書いているのかさっぱりわからない答案というものがある。二度、三度と読み返してみるが、さっぱりわからない。最初は疲労でこちらの集中力が落ちているせいかもしれない、あるいは10年に一度の天才的な頭脳の学生なのかもしれないと考えてみるのだが、どうもそうではなくて、問題に正面から解答する知識がなく、苦し紛れにからめ手から書いている文章らしいということがわかる。あのね、こういうときは悪あがきはやめて、答案用紙の真ん中に白旗を描いて、そこに「参りました」とか「出直して参ります」とか書いてほしい。そういう潔い学生であってほしい。おじさんはそういう若者が好きだ。  

7月22日(火) 晴れ

2008-07-23 01:41:27 | Weblog
  空が明るくなる頃に就寝し、10時頃起床。外出する用事がないので、生活時間が乱れている。これが読書であれば、自宅で読み、電車の中で読み、喫茶店で読み、研究室で読み・・・といった風に場所を転々としながら、つまり気分転換を図りながら、読み続けることができるのだが、答案の採点となるとそういうわけにもいかない。せいぜい書斎のデスクと居間のテーブルの間を、窓から差し込む日差しの変化に合わせて、移動するくらいのものだ。「日常生活の社会学」はABCの3問を出題して、その中から1つを選択して解答する形式である。383枚の答案は学生番号順に整理されている。だから頭から採点していくと、問題Aの答案、問題Bの答案、問題Cの答案をランダムに採点することになり、それでは頭がおかしくなる。だから、まず最初に問題Aの答案だけを採点する。問題Bと問題Cの答案はスルーする。そうやって最後まで行ってから、最初に戻り、次に問題Bの答案だけをを採点し、最後に問題Cの答案だけを採点する。そういうシステムでやっている。高い山を三度上り下りするみたいなものだ。いや、全部採点し終えてから、もう一度(採点の基準が途中でぶれていないかの確認のため)全部にザッと目を通すから、四度上り下りすることになる。

  分け入っても分け入っても深い山  山頭火

  たくさんの学生がアクセスしているせいだろう、基礎講義のレポートにコメントを付けようと思ってネットにアクセスするのだが、レポートが提出されているボックスにたどり着けない。いくら待っても開けない。思うに多くの学生たちはWeb上でレポートを書いているのだろう。ワードなどでまずレポートを作成してからWebにアクセスして、レポートをコピペすれば滞在時間が短時間ですみ(途中で作成中のレポートが消えてしまうといった悲劇も回避できる)、こうした渋滞は生じないはずなのだが、コースナビのサーバーの容量の問題や、プログラムの問題もあるのだろう。とにかく待ち時間が長くてかなわない。これはぜひ改善してほしい。
  明日から4日間は、学内外でさまざまな会合があるので、出かけなくてはならない。当然、採点作業はストップする。つらい「7月の4日間」である(←「3月の5日間」のもじりだけど、一部の人しか分らないだろう)。
  それじゃ、このへんで、答案の採点作業に戻ろうと思うんですけど、その前に、もう一度、コースナビにアクセスしてみようかと思って、アクセスしてみたんですけど、やっぱりなかなかつながらなくて、おいおい、これじゃまた朝になっちゃうよとぼやきながら、♪アカシヤの雨に打たれてこのまま死んでしまいたい~と西田佐知子(関口宏の奥さんなんです)が昔歌ってた曲を口づさんじゃったりするわけなんですけど、もしそうなったら、それは労災の対象になりますよね?、って一体誰に質問しているんだか、そんなわけで、採点作業に戻ります(劇団チェルフィッチュの口調で)。