フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

4月24日(金) 曇り

2009-04-25 14:22:27 | Weblog
  8時半、起床。朝食は抜きで、9時半に家を出る。
  2限+昼休みの時間に現代人間論系の臨時教室会議。「たかはし」のお弁当を食べる。この時間帯はアンケートをとって全員(11名)が出席可能な唯一の時間帯であった。来月から定例の教室会議もこの時間帯に開くことにする。同じ大学の同じ学部に所属していても、各教員の時間割は多様かつ過密であり、共通の空き時間を捻出することは、至難の業なのである。
  3限は講義「日常生活の社会学」。4限は空き時間で、研究室で授業の下準備。5限は基礎演習。5月中旬からスタートするプレゼンテーションのグループや順番を決める。基礎演習の運営の仕方は各担当教員の自由裁量に委ねられている部分が大きいが、私のクラスでは、プレゼンテーションは個人でもグループでもどちらでもよいことにしている。同じ教材に関心をもった学生が複数いればグループで取り組んでもらい、一緒にやる学生がいなくても取り組んでみたい教材がある学生は一人で取り組んでもらう。その結果、グループ単位のプレゼンテーションが6つ(2人組から5人組まで)、個人単位のプレゼンテーションが9つ、という構成になった。プレゼンテーションの時間は個人単位の場合が15分で、グループ単位の場合は人数に応じて配分する。そうやって計算すると、隔週授業では対応できなくなるので、4月同様、5月・6月も毎週行う。その代わり、春学期は他のクラスよりも早めの終了とする。7月は試験やレポートの準備で忙しくなるはずだから、そちらにエネルギーを注いでほしい。
  6限はゼミ。今日からテキストの輪読のスタート。毎回、2章ずつこなしていく。1章に1時間かけ、間に休憩を入れる。休憩時間にはエネルギーを補給する意味でお茶菓子が出る。今回はNさんが調達してきた「群林堂」の豆大福。昨日、私は「岡埜栄泉」の豆大福を食べたので、二日間で、東京を代表する豆大福の二大ブランドを制覇(?)したことになる。次回の担当者はSさん。自ら志願したのですでに何か目当てのものがあるのかと尋ねたら、「これから考えます」とのことだった。
  休憩中の雑談の中で、来年度のゼミの運営の仕方について、具体的には、3年生と4年生という2学年に渡るゼミになったときに(新設学部ゆえ今年度は4年生は存在しない)合同でやるか個別でやるかについて意見を求めたところ、個別派(基本は個別でたまに合同を含む)の方が多かった。午前中の教室会議のときに安藤先生のゼミでは合同派が多かったと聞いていたので、この違いはなんだろうと考えた。ゼミの人数はほぼ同じなので、考えられる要因の1つは、私のゼミは女子学生が圧倒的に多数派であることである。上級生-下級生という関係はジェンダーを加味すると4つのパターンになる。すなわち、男子-男子、男子-女子、女子-男子、女子-女子である。来年度にゼミに入ってくる学生の性比は未定だが、母集団(現代人間論系2年生)がそもそも女子学生が6:4で多数派であり、そしてゼミ選考で重視される学業成績も女子学生の方が良好であることから考えて、今年ほどではないとしても、来年度の新ゼミ生も7:3から8:2位の比率で女子学生が多数派であろうと予測される。ということは、上級生-下級生の組み合わせのパターンは、女子-女子が圧倒的多数を占めるということである。仲間集団というものを対象とした社会学的研究の教えるところによれば、いや、一般的に誰もが知っていることでもあるが、女子-女子のパターンというのは他のパターンに比べて、エネルギーを消耗する(いろいろと気を使う)ことが多い関係である。そうした摩擦というか軋轢を回避したいという気持ちが「個別派」にはあるのだろうと思った。
  また、ジェンダー的構成とは別に、今年度と同数のゼミ生が来年度も入ってきた場合、ゼミの規模は36名になるわけで、合同でいくとすると、これをはたして「ゼミ」と呼べるのか、「ゼミ」と呼べるような運営が可能なのか、という問題はある。いま、2年生中心の演習「現代社会とセラピー文化」を35名でやっているのでイメージとしてはわからないでもない。学生一人一人にやる気があれば、ゼミとしてやっていけるという気もするが、それでも、毎回、全員が発言する機会をもつということはよほど意識してややらない限り不可能だと思う。
  他方、3年生ゼミ、4年生ゼミと個別で運営する場合の問題は、時限の配分である。今年度はゼミの時限として6限と7限が連続で割り当てられていて、私のゼミの場合、6限で終わりということはなく、7限まで延長することが一般的である(今日も休憩時間を含めて1時間ほど延長した)。もし学年別にゼミを運営するとなると、6限は3年生、7限は4年生となることが予想されるが、そうすると3年生はゼミの延長ができなくなるわけで、これはとても窮屈なことである(休憩時間にお茶菓子、なんて余裕はなくなる)。
  来年度のゼミの運営をどうするか、この問題は、ゼミ担当の個々の教員レベルでも学部レベルでも、いずれ顕在化することが確実な問題である。そのときが来たら考えようと放置しておくことはできない。私自身としては、いまの時点ではどちらとも決めずに、合同、個別2通りの可能性を考えてプランを練っていこうと思っている。
  ゼミの後、研究室で雑用を片付け、「ごんべえ」で夕食(カツ丼)をとってから、地下鉄に乗る。10時半、帰宅。風呂を浴び、ブログの更新は明日回しにて、12時就寝。 

4月23日(木) 晴れ

2009-04-24 09:15:01 | Weblog
  8時半、起床。ハンバーグ、トースト、アイスティーの朝食。洗濯機の調子が悪いと妻が言う。水が洗濯槽に溜まらずに排水されてしまうとのこと。近所の清水電気に来てもらうことにした。この洗濯機は市川に住んでいた頃に購入したものだが、地デジ対応の液晶テレビを清水電気から購入した後なので、お願いもしやすい。近所の電気屋さんから商品を購入することの利点はこういうところにある(午後、さっそく来てくれて、故障箇所を直してくれたそうである)。
  11時過ぎ、自宅を出て、大学へ。木漏れ日がまぶしい。

                  

  教員ロビーで「グローバル化と日常生活」を担当していただいている白井先生とお会いし、頼まれていた書類をお渡しする。お礼にと「岡埜栄泉」の豆大福と吉備団子をちょうだいする。ここの豆大福は有名だが、吉備団子は初めて食す。中に餡が入っていて上品な味だ。吉備(黍)の風味も、めったに食べないから(人生で何度目だろう)、新鮮だ。

         

  3限は大学院の演習。4限が空き時間で、「メーヤウ」で遅い昼食をとる。インド風ポークカリーとラッシー(ライスは普通盛で)。4限は学部の演習「現代社会とセラピー文化」。4時半からなのだが、間違えて4時15分に教室に入ってしまった。今年度から時限が変わり、重々承知しているのだが、たまに勘違いする。研究室に戻るほどの時間ではないので、早めに来ていた学生と話をして時間を潰す。今日の授業は、私のミニ講義(20分)、その感想をグループごとで話し合い(20分)、話し合ったことをグループの代表者に報告してもらう(各グループ5分×9グループ)というワークショップ形式で進める。これからの授業の準備体操のようなものである。予定していた人数よりも5名多い35名の演習で、演習としてどう運営するかが課題だったが、みな熱心で(今日も欠席者はなし)、これなら大丈夫との感触を得た。来週はGWで、2週間後から本格的なグループ報告のスタートだ。
  話は前後するが、今朝、函館在住のU夫人(私の教え子)のブログを開いたら、哺育器の中の赤ん坊の写真がアップされていて、誰の子かなと思ったら、実は予定より1ヶ月も早く今日の未明に生まれたU夫妻の赤ちゃんだと知って、びっくり。早産にもびっくりしたが、その日のうちに赤ちゃんの写真がブログにアップされてわれわれの知るところとなるということにびっくりした。気持ちの準備ができていなかったというか(笑)。母子とも健康とのこと。おめでとう。さあ、名前を考えないとな・・・(違うか)。  

4月22日(水) 曇りのち晴れ

2009-04-23 02:51:07 | Weblog
  8時半、起床。ベーコン&エッグ、トースト、紅茶の朝食。久しぶりに会議のない水曜日。自宅で明日の大学院の演習と学部の演習の準備。昼食は筍の煮物、ほうれん草の胡麻和え、イカ墨入りのウィンナーソーセージ、豆腐の味噌汁、ご飯。録画しておいたTVドラマ『名探偵の掟』の初回を観る。推理ドラマの「お約束」を徹底的に茶化してパロディにするポスト・モダンなドラマである(その意味では『33分探偵』も同様)。とても面白いけれど、もしもあらゆるジャンルのTVドラマがこぞってこの手法をとったら、TVドラマはどういうことになってしまうのだろう。それはTVドラマの終焉だろうか、それともその先に何か新しい展開がまっているのだろうか。
  春ドラマの初回の視聴率が出揃ったが、トップは天海祐希主演の『BOSS』の18.1%である。2位は『婚カツ!』の16.3%。15%ラインを越えたのはこの2本だけである。『スマイル』は11.7%しかいかなかった。『白い春』は初回は13.7%だったものの、二回目で10.0%に落ちた。『名探偵の掟』は10.8%だが時間帯を考えれば、健闘といえるだろう。
  夕方、散歩に出る。池上駅前の「浅野屋」で葛餅と珈琲。今日は4時半閉店(普段は5時閉店)ということで、早々に追い出される。すぐに蒲田には戻らず、反対方向の電車に乗って2つ隣の久が原で下車。駅周辺を散歩する。全国的にも有名な田園調布を別格とすれば、久が原は大田区有数の閑静な住宅街である。高校時代の親友Kの実家があり、学生時代はしばしば訪れた街だが、実に久しぶりである。

         
               駅舎は変わっていないような気がする。

         
            上品なご婦人が立ち話をしているような気がする。

         
                洋菓子屋さんが多いような気がする。

         
             和菓子屋さんも負けていないような気がする。

         
                 昔からある動物病院に違いない。

         
                  昔からある書店に違いない。

         
                  昔からある鮨屋に違いない。

         
           昔からある寝具店で、ご主人は愛知さんに違いない。

         
                    立派な御宅が多い。

         
                  そうでもない家もけっこうある。

         
                       ここにも。

         
                ほら、あそこにも。(でも、私は好きです)

         
                    そろそろ日が暮れる。

         
                      帰るとしよう。

4月21日(火) 曇りのち小雨

2009-04-22 02:16:02 | Weblog
  9時、起床。目玉焼き、トースト、紅茶の朝食。授業の準備をして、11時頃家を出る。湿度はあるが、風はひんやりしている。
  早稲田の駅を出ると、いまにも振り出しそうな空模様だったので、百円ショップでビニール傘を購入してから(折りたたみ傘を鞄に入れるのを忘れたのだ)、本部キャンパス8号館で開かれる会合に向う。昼休みの会合なのでお弁当が出た。昼休みの会合にお弁当が出るのは当たり前だと思うが、経費削減の影響で、必ずしもそうともいえないのである。それは大学だけの話ではなく、大田区男女平等推進委員会も夕方6時半からの会合であるにもかかわらずお弁当は出ない。空腹を感じながら9時頃までやるのだ。これはおかしいのではないだろうか。今年度の最初の会合が5月27日にあるのだが、そのときに、「今年度はサンドウィッチとか、おにぎりとか、コンビニ弁当とか、各自が持参して、食事をとりながら会議をしませんか」と会長提案をしてみるつもりだ。絶対賛成多数で可決されると思う。通らなかったら辞任だ。それくらいの覚悟はある(どんな覚悟だ)。
  3限は「現代人間論系総合講座1」。私が担当する3回シリーズの2回目だ。「秋葉原無差別殺傷事件」を取り上げている。楽しい話ではない。容疑者は学生たちとそれほど年齢が離れているわけではないから、身につまされる部分もあろだろう。自分の将来に不安を覚えるかもしれない。しかし、社会には暗い側面が存在する以上、暗い側面から目をそらしてばかりはいられない。週に一度、われわれの社会の暗部に目を向ける時間があってもいいだろう。
  広島の呉市にある出版社「休山舎」の社長のH氏から『宮地嘉六と街を歩く 小説・随想集<広島・関西編1>』を頂戴する。この4月に出たばかりの本だが、私がブログ(今年の1月15日)で宮地の小説「ある職工の手記」(大正8年)をとりあげていたのをH氏が読まれて、「何かのご参考になれば」と送って下さったのである。ありがとうございます。ブログをやっているとたまにこうした余禄にあずかることがある。これから先、女優の鶴田真由さんや小雪さん、バレリーナの伊藤友季子さんからも何かが送られてくるかもしれない(ないない)。

         

  帰宅途中、日比谷の「トーホーシネマ」で『スラムドッグ$ミリオネア』を観る。これがアカデミー賞作品賞を受賞した映画であることを知らないで観れば、もっと楽しめたかもしれない。期待が大きかっただけにちょっと拍子抜けがした。私はもっと社会派の作品を予想していたのだが、実際は、娯楽作品であり、基本はラブストーリーであった。インドのスラム(格差社会)、宗教対立といった問題も描かれているが、社会派の作品と呼ぶには切り口が通り一遍である。アメリカナイズされた(ハリウッド化された)インド映画に社会派の風味を加えてみました、という印象を私は受けた。たとえば、スラムの子どもたちをある一味がマイクロバスで連れ去ったとき、私はてっきり臓器売買の闇グループにさらわれたのだと思ってしまった。しかし、子どもたちは路上で物乞いをさせられるのだった。スラムで生きる子どもたちを活写した映画としてはリオデジャネイロを舞台にした『シティ・オブ・ゴッド』(2003年)に遠く及ばない。また、たとえば、ギャングのボスの元から逃げ出して愛する青年(主人公)のところへ走った美しい女は、追っ手につかまって、頬をナイフで切られるが、その傷は髪で隠れる程度のものであった。顔をメッタ切りにされたり、鼻をそがれたりというような残酷な仕打ちではない。悪の描き方が中途半端に思えた。そしてそれは映画をハッピーエンドに終らせるためには必要なことなのであった。

         

4月20日(月) 曇り

2009-04-21 02:32:18 | Weblog
  8時半、起床。ミートボール、トースト、紅茶の朝食。月曜は授業のない日なので、のんびり気分でスタートするのだが、今週は講義を3つ準備しないとならない(1つは昨年のものを加工すればよいのだが、他の2つは一から準備しないとならない)ので、ちょっと気忙しい。昼過ぎまで明日の「現代人間論系総合講座1」のパワポのスライド作り。
  玉子かけご飯の簡単な昼食をとって、ジムへ出かける。1時間のウォーキング&ランニングで600キロカロリー(焼肉弁当一個分)を消費。今日はけっこう頑張った。最近、ジムのシャワーの湯量が少なくなった。経費節減かと思うが、ケチケチしないでほしい。汗をかいたあとのシャワーの気持ちよさに水をさされる感じだ。今度、投書してやろうかと思う。

         
                 いま、街の花といえば、ツツジだろう

  「シャノアール」でレモンスカッシュを注文し、湊かなえ『告白』(双葉社)の最初の章を読む。以前購入して、そのままになっていたのだが、最近、本書が「本屋大賞」を受賞したと知って、読んでみようと思ったのである。中学の理科の女教師が終業式の日にクラスの生徒に退職の挨拶をする場面から物語は始まる。退職のきっかけとなったのは、彼女の4歳の娘が学校のプールで水死するという事故が起こったためだが、これは事故ではなく殺人で、その犯人2人はこのクラスにいると教師は話す。そしてその生徒がいまさっき飲んだ牛乳には彼女の元婚約者でHIV感染者の血液を混入させておいたと教師は話す。衝撃のスタートである。しかし、私は2章以降を読みたいという気持ちが起きなかった。ストーリー展開には興味がある。けれど文章がどうも感心しない。下手というわけではないが、好きになれない文章である。作者の人柄、底意地の悪さが感じられる文章である。それも無意識にそうしたものがにじみ出てしまったというのではなく、意図してそれを露出して見せているところが、読んでいて恥ずかしい。悪い意味で新人の文章である。
  夜、月9ドラマ『婚カツ』の第一回を観る。あの商店街はオープンセットだろう。不況もものかわ、ずいぶんとお金をかけたものである。配役も主役の仲居正広のほかに上戸彩、佐藤隆太と主役級をそろていて、やっぱりお金がかかっているなと思う。演出の仕方が数年前のフジのドラマ『恋におちたら』によく似ている気がしたが、気のせいではなく、調べたらどちらも同じ鈴木雅之だった。こういうのはちょっと恥ずかしい。観続けるかは微妙だが、一応、来週も観ることにする。
  TVドラマといえば、金曜10時の『スマイル』の初回は面白かった(録画して土曜日に観た)。2014年春の話から始めたところが、暗い結末にはならないのだという安心感を視聴者に与えてくれ、2009年春のやりきれない物語を見つめることができる。弁護士役の中井貴一がいい。
  深夜、完成したパワポのスライドをコースナビにアップする。またしても24時をちょっと回ってしまった。