フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月25日(土) 晴れ

2019-05-28 11:48:44 | Weblog

8時、起床。

トースト、牛乳、紅茶の朝食。

トーストには松本の「シェ・モモ」のグレープフルーツのマーマレードと、先日、メグミさんからいただいた「トラヤカフェ」のあんペーストをつけて。 

10時半に家を出て、大学へ。

卒業生のレイナさん(論系ゼミ8期生)が研究室にやってくる。 

椅子に座るなりバッグから最近購入したというミラーレス一眼を取り出した。宮崎あおいが宣伝しているオリンパスの「ペン」である。女性に人気のあるカメラである。前回(今年の3月)会ったとき、写真を撮るのは好きなのでちゃんとしたカメラがほしいと言っていたが、これがそうなんですね。今日は写真を撮られるだけでなく、写真を撮る側にも回ろうということですね。ガンマン同士がが拳銃を構える様に、互いのカメラを相手に向ける(笑)。

食事に出る前に研究室でポートレイトを撮る。小窓から入ってくる光がなかなかいい。そして、その表情、どこかで見たことがあるような・・・。

 そうだ、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」だ(笑)。

  

 「たかはし」に行く。

私は玉子焼き定食。彼女は煮魚(銀むつ)定食。運ばれてきた料理をさっそく写真に撮る彼女。 

彼女は注文のとき、煮魚定食にするか、玉子焼き定食にするか、ずんぶん迷っていた。 これはかなりの食いしん坊と見た(笑)。

その様子を見て、私は玉子焼き定食を注文した。そして玉子焼きを彼女にお裾分けした。 

煮魚も玉子焼きも食べられて上機嫌の彼女である。 

「たかはし」の店内の壁にクリムトの作品(接吻)のポスターが張ってあった。実は、レイナさんは先日友だちと「クリムト展」を観てきたそうで、音声ガイドで仕入れたクリムトの人と作品について食事の間一生懸命してくれた。音声ガイドというのは私もよく利用するが、ただ漠然と観るよりも作品の理解がずっと深まりますよね。

レイナさんによると、彼女のお母様(いや、彼女の友だちのお母様だったかな)はクリムトの絵のモデルに似ているそうである。なるほどね。娘はフェルメール、お母さんはクリムトですか(笑)。

早稲田アリーナを見学に行く。 

 いまや卒業生の観光ルートになっている。

観覧席からフロアーを観ることができる。 

今日は土曜日で、部活はやっていないが(試合があるのかもしれない)、普段はバスケットボール部やバドミントン部の練習風景を見学できる。彼女は在学中はバドミントンのサークルに入っていたが、練習場所は区の体育館だったそうだ。私は高校生のとき、早実高校のバドミントン部とこの場所(旧記念会堂)で練習試合をしたことがある。そう、われわれには「バドミントン」という共通項があるのだ。 

観客席には外光が間接的に入ってきて、奥行きもあり、ポートレイト撮影には案外といい場所である。  

凛としたたたずまいが彼女の持ち味である。 

ときどきモデルからカメラマンに替わる。

相撃ち(笑)。 

 

戸山の丘(早稲田アリーナの屋上庭園)に上がってみる。 

彼女は盛んに写真を撮っていた。

人工池の睡蓮を撮る彼女。 

たぶんこんな感じの写真でしょう。 

今日は東京は真夏日。 

実は、真夏日は写真撮影には不向きなのである。第一に、光が過剰であり、第二に、体力を消耗する。 

「ミルクホール」のドアの外のベンチでひと休み。 

日陰に入るといいんだけどね。 

ここでツーショットを一枚。 

 

お隣の戸山公園へ。新緑が深緑になりつつある。

 

日陰はまだしも、日向を長くは歩けない。

それでも少年たちは野球に興じ、

若者たちはパフォーマンスに興じている。青春である。太陽の季節である。

レイナさんも頑張って、写真を撮ったり撮られたりしていた。

 

少なくとも初めのうちは(笑)。

これは彼女の表情が一番生き生きとしているポートレイト。このとき彼女は最近購入したというお気に入りの指輪とブレスレッドをカメラに向かって見せていた。

でも、やがて彼女は無表情で言った、「先生、カフェに行きましょう」。

というわけで「カフェゴト―」である(笑)。もちろん冷たいドリンクを注文。私はアイスアップルティー、彼女はアイスミルクティー。スイーツはタルトタタンとあんずのタルトのハーフ&ハーフである。

ちなみにこのとき窓際の大きなテーブル(いつも句会をするテーブルだ)で相席だった女性2人は、3種類のケーキを注文して、ハーフ&ハーフ&ハーフにしてもらっていた。「すごいね!」と私は思わず言った。彼女たちは「はい!」と嬉しそうに言った。そうか、そんな手があったか。写真に撮らせてもらうのだったな。 

「カフェゴト―」には1時間半ほど滞在し、たくさんおしゃべりをした。「母から先生に聞いて来てほしいと言われたことがあります」と彼女は言った。「なんですか?」と聞くと、「どうしたら老後を楽しく過ごせるか、アドバイスしてほしいそうです」。なるほど。私のブログは卒業生だけでなく、そのご家族(とくにお母様)も見ているらしいことを私は知っている。つまりこれはブログの読者からの質問なのだ。「お母様はおいくつですか?」「50歳になったばかりです」「そんなにお若いの!」と私は驚いた。私の早稲田大学での教え子の一番年長の者が40代の半ばであるから、それとあまり変わらないではないか。 「どうしたら老後を楽しく過ごせるか」ですか。先日もブログに書きましたが、老後の楽しみは、老後までとっておかないで、老後の手前から少しずつ生活に取り入れていくのがよいと思います。「お母様はいまどんな生活を送っていらっしゃるの?」と私は彼女に聞いてみた。回答は一般論であるよりも、個別のケースに即して具体的に回答した方がよいと思うからである。私は彼女の話を聞いて、一般論+具体的なアドバイスを語った。

さて、もう一軒、カフェの梯子をしましょうか。神楽坂の「トンボロ」へ。「はい。でも、その前に本部図書館へ行ってみたいのですが、いいですか?」と彼女は言った。本を借りるとか返すとかではなくて、図書館の前にある安倍磯雄の鏡像の前で写真を撮りたいそうだ。安倍は日本の社会主義の主導者の一人で、衆議院議員でもあり、早稲田大学教授でもあった。野球部の初代部長で、「大学野球の父」と呼ばれている。図書館が建つ前にあった野球場は彼の名前を冠して安倍(記念)球場と呼ばれていた。

実は、彼女の母方のお祖母様(ご健在)のお祖父様が安倍磯雄なのである。つまりレイナさんは安倍磯雄の孫の孫、やしゃご(玄孫)なのである。もちろん彼女はそのことを知っていたが、在学中はこうして高祖父(ひいひいお祖父さん)の鏡像の前で写真を撮ったりはしなかったそうである。お祖母様に見せたら喜ぶでしょうね。でも、どうせならVサインではなく、Wサインにしてほしかった(笑)。

自撮りする彼女を撮る。

さて、神楽坂の「トンボロ」へ。

土曜日はけっこう混んでいることが多いので、ドアを開けるまで入れるかどうかわからなかったのだが、大丈夫だった。 

カウンター席の右端の席に座る。「トンボロ」に来るときはカウンターが空いていればそこに座ることが多い。お店の方と話がしやすいからだ。昼間の「トンボロ」は宙太さん波鈴さんのお父様とお母様がやっている(「夜トンボロ」と週末の「トンボロ別室」=旧「スキッパ」)は波鈴さん夫婦がやっている。 

私はAブレンド、レイナさんはアイスコーヒーを注文。 

お茶うけにブドウパン(トーストしてバター&シュガー)を注文。「美味しいですね」と彼女が言った。そうでしょ。あんぱんを頼むときもあります。どちらもコーヒーに合うんです。 

これで彼女は、「パン日和あをや」「ノチハレ珈琲店」「HITONAMI」「スリック」「カフェゴト―」「トンボロ」と主要8カフェ(私のいきつけのカフェ)うちの6店に行ったわけだ。残すは「まやんち」(蒲田)と「ポッタリー」(大井町)である。蒲田と大井町は近いから、梯子はわけない。なので次回、スーパーグランドスラムを最速で達成する可能性が出てきた。これまでのSGSの達成最短記録は6期生のミサキさんの1年7ヵ月(卒業2年目の10月)である。ただ、問題は「まやんち」が木金の週2日営業である点だ。「まやんち」へ行くためには平日に休暇をとっていななくてはならないが、それは可能?「はい、休暇はちゃんととろうと思っているので、大丈夫です」と彼女は答えた。それは健全な会社ですね。では、次回は8月あたりにしましょうか。その時期ならばピーチメルバが食べられますから。  

「トンボロ」には1時間ほど滞在した。そろそろ午後6時になろうとしていたが、外はまだ明るい。一緒の東西線の電車に乗り、私が先に大手町で降りた。(後から、「母が人生相談ありがとうございましたと言っておりました」とLINEが届いた。どういたしまして。)

7時、帰宅。

夕食は、ラムチョップ、アスパラのベーコン巻、トマト・ピーマン・人参の炒め物、玉子とワカメの味噌汁、ご飯。

主役はラムチョップのはずだが、野菜炒めに隠れて見えない(私も最初、気づかなかった)。

食後に、先日研究室を訪問された関西学院の先生からいただいたクッキーを食べる。

関西学院のロゴが焼印されているが、製造元は「風月堂」である。

2時、就寝。


5月24日(金) 晴れ

2019-05-26 21:22:53 | Weblog

8時、起床。

ハムトースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

10時に家を出て、大学へ。この週末は暑くなりそうだ。

研究室にカフェ仲間のアヤカさんがやってくる。かつてわれわれは馬場下のバス亭の近くにあった「maruharu」というサンドウィッチのお店の常連だったのである。 アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグは『サードプレイス』(みすず書房)の中で「常連」の重要性ついてこう書いている。

「サードプレイス」の魅力は、座席の数や、出される飲み物の種類の多さ、駐車場が使えるかどうか、値段といった特徴にあまり左右されない。固定客をサードプレイスに引き寄せるものは、店側が提供するのではなく、客仲間が提供する。サードプレイスは、しかるべき人々がそこにいて活気づけてこその空間であり、その「しかるべき人びと」とは常連である。常連は、その場所に特色を与え、いつ訪れても誰かしらの仲間がいることを確約してくれる。(84-85頁)。

「マルハル」が閉店した後も、かつての常連たちはゆるやかな社交を続けている。アヤカさんと会うのは昨年の12月以来だから5カ月振りである。長男のコウノスケ君はバレエを辞めて野球を始めたそうだ。

「タビビトの木」にランチを食べに行く。 

ときどき写真展が大なわれているが、いまはそうではなく、壁に掛かっているのはマスターが撮った写真作品だ。 

ランチのタシの豆のカレーを注文。 

ライスの上にのっているのは、ナンではなく、ババドという豆の粉で作ったせんべい。これがなかなかいける。

ほうれん草のカレーもついてきた。本体の豆カレーよりもこちらの方が辛い。 

ドリンクはアイスカフェラテをチョイス。 

先日、信州旅行で彩雲を観たが、アヤカさんのアヤは「彩」で、これはお父様が彩雲から採った名前なのだそうである。それはなかなかロマンチストなお父様ですね。

彼女はアメリカのテレビドラマをよく見るそうである。『ER』なんかは大ファンだそうだ。ところが映画はほとんど観ないという。テレビドラマ好きは、必ずしも映画好きでないというのは、意外なことである。「なんででしょう?」と私が質問すると、「なんでなんでしょう・・・」と彼女はしばし考え込んだ。そのことについてこれまで考えたことがなかったそうである。そして「長いものが好きなのかもしれません」と言った。映画は2時間前後のものがほとんどだ。それで終わってしまう。しかし連続テレビドラマは、1話1話は1時間未満だが(『ER』の場合45分)、何話も(『ER』の場合1シーズン22話)、そして(人気シリーズは)何シーズンも続く(『ER』の場合15シーズンまで行った)。長期にわたって楽しめるわけだ。ちなみに「小説は短篇と長編どちらがお好みせすか?」と聞いたら、「長編小説ですね」とのことだった。

店を出で、別れ際に彼女からこんな話を聞いた。「はるさん姉妹が筑波で開いたお店、閉店してしまったようです」。えっ、そうなんですか?「maruharu」を閉めた後、店主のはるさんと妹さんが郷里の筑波で「sis.de.maruharu」を開店したので、いつか行こうと思っていたのだが・・・( あとからネットで確認したら、今年の2月24日に閉店していた)。「いつか行こう」というのはこういうことになりがちである。思い立ったが吉日主義でないといけない。改めてそう思った。 

 大学に戻る。

5限・6限はゼミ。 

今日も拙著『日常生活の探究』(左右社)をテキストにしたディスカッション。 

来週も続けるが、来週で読み終わるので、その後はポピュラーカルチャの作品(映画、TVドラマ、歌など)に見られる人生の物語の分析をグループ単位でしてもらう。今日の授業の最後のところで、グループ決めと発表の順番を決めた。グループは3年・4年が混合になるようにした。今年度は3年・4年合同ゼミという特質をできるだけ生かすことを心がけている。 

 6月14日、トップバッターで発表する班。

6月21日の発表の班。 

6月28日に発表の班。 

7月5日に発表の班。 

7月12日に発表の班。 

7月19日、ラストに発表する班。 

ポピュラーカルチャと人生の物語の関係の分析は、私が講義「日常生活の社会学」や「ライフストーリーの社会学」の中に取り入れている手法である。それを真似るもよし、それとは別の手法でやるのもよし。力を合わせて頑張って下さい。いいものがあれば、私の講義で使わせてもらいます。

9時半、帰宅。

夕食は「ちよだ鮨」で買ってきた寿司(30%引き)。 

帰宅したときに妻が観ていた映画『キングコング』を観ながら食べる。 

風呂から出て、昨日の『プレバト』(録画)の俳句のコーナーを観る。

2時、就寝。


5月23日(木) 晴れ

2019-05-26 08:35:35 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

昼前に家を出て、大学へ。

蒲田駅のいつもの場所に立っていると、前のビルの自衛隊大田出張所の垂れ幕が目に入った。 

 自衛官募集中の「守りたいものを、守れる人に。」の標語。「守りたいもの」とはある時期までは「日本国」を意味していた(国防)。それがある時期から「大切な人」の意味に転じたように思う。

 3限は大学院の演習。今日とりあげたのは、成田龍一「茨木のり子ー女性にとっての敗戦と占領」と中村秀之「黒澤明ーアメリカとの出会いそこない」。前者は戦中と戦後の連続性・不連続性の問題、後者はアメリカへの愛憎の問題、どちらも戦中戦後を生きた日本人にとっての重要な(深く考えてみるべき)問題であったが、実際には、戦後復興、高度成長の中で、あまり問い詰められることなくきた問題である。

茨木の詩の中で一番よく知れているのは「私が一番きれいだったとき」だと思うが(成田の論稿の中でも紹介・分析がされていた)、私が茨木のり子という詩人を知ったのは「六月」という作品によってだった。

 どこかに美しい村はないか
 一日の仕事の終わりには一杯の黒ビール
 鍬を立てかけ 籠をおき
 男も女も大きなジョッキをかたむける

 どこかに美しい街はないか
 食べられる実をつけた街路樹が
 どこまでも続き すみれいろした夕暮れは
 若者のやさしいさざめきで満ち満ちる

 どこかに美しい人と人の力はないか
 同じ時代をともに生きる
 したしさとおかしさとそうして怒りが
 鋭い力となって たちあらわれる

私が初めてこの詩を知ったのは、高校生のころ観ていた森田健作主演の『おれは男だ!』という青春ドラマの中でである。高校生活を描いたドラマで(森田は剣道部の主将であった)、国語の授業中にこの詩が生徒たちによって朗読されたのだ。詩人の名も作品の名も知らなかったが、とても印象に残った。

演習を終えて、おにぎり2個(鮭と昆布)の昼食。

3時に来客。他大学の教員の方で、研究上の相談を1時間ほど。

5限は講義「日常生活の社会学」。今日の38AV教室は冷房の効きがよかった。決して私の授業中に発する冗談が「寒かった」わけではあるまい。

 6時半頃、卒業生のメグミさん(論系ゼミ5期生)が仕事終わりにやってきた。彼女と会うのは3月2日の彼女の結婚式以来である。

本当はもっと早い時期に約束していたのだが、彼女が体調を崩して、2度延期になったのだ。彼女はこの1年で3度食あたりを経験した。しかもそのうちの2度はノロウィルスにやられたのである。呪われているのではないかしら。でも、今日は体調万全とのこと。 

研究室で少しおしゃべりをしてから食事に出る。

途中で新学生会館(早稲田アリーナ)を見学する。 

 初めて見る卒業生はみな感激するようである。

キャンパスの入口付近の風景が1年前とはだいぶ違う。間口が広くなり、モダンに(無機質ともいう)なった。「郊外の大学みたいですね」という感想をよく聞くが、「病院みたい」というのが私の感想である。 

「すぎうら」に行く。 

海鮮サラダ。 

活き穴子の天ぷら(塩で)。 

豚の角煮。ご飯と味噌汁をここで注文。 

鴨肉の塩焼き。 

お腹いっぱいになったので、「カフェゴト―」でケーキとお茶というのはやめておく。

結婚式からは2か月半だが、一緒に暮らし始めて1年以上が経っているので、新婚気分というのはないそうである。多少はあってもいいように思いますが(笑)、一緒に暮らすことがすっかり日常になったということですね。ここからが大事ですよ。共働きで、それぞれ大変なお仕事をされているわけですが、どれだけ相手の大変さを思うことができるかどうか。それが今後の長い夫婦関係のパターンを決めていくのです。普通の言葉でいえば、「思いやり」です。私自身、えらそうなことは言えませんが、反省、自戒の気持ちを込めて、そう言っておきます。しっかりね。そして健康管理に気を付けて。 

一緒に東西線に乗り、彼女は九段下で降りた。

9時半、帰宅。

1時、就寝。


5月22日(水) 晴れ

2019-05-24 20:33:26 | Weblog

7時45分、起床。

トースト、サラダ、紅茶の朝食。牛乳は切らしてしまった。コンビニで買ってくることも考えたが、今日の昼に生協の配達があるので、今朝は牛乳なしで我慢することにした。

昼から大学へ。昨日とは打って変わっての晴天である。 

電車に乗る前に「スリック」に顔を出していこう。JRのガードをくぐって東口へ。昔観た野村芳太郎監督の映画『砂の器』で丹波哲郎と森田健作の二人の刑事が、蒲田の操車場でおこった殺人事件の捜査で、夏の強い日差しの下、この付近を歩くシーンが出て来る。ここを歩くといつもそのことが思い出される。 

「カフェ・スリック」は「HTGGE(ヒュッゲ)カンダハイム」というデザイナーズマンションの一階にある(マダムはこのマンションのオーナーでもある)。こちらの扉はマンションの入り口の扉である。これがカフェの入り口だったらちょっと入りにくであろう(笑)。 

カフェの入り口にはその右隣。オープンな入り口です。 

カフェでの時間はコップ一杯のお冷から始まる。とくに今日のような日差しの強い日は。 

夏のドリンクの注文はほぼこれに決めている。グレープフルーツのセパレートティ。比重の関係で、上層に紅茶、下層にグレープフルールジュースと分離しているが、 私はこれをかき混ぜないで飲む。第一に、その方が見た目が美しい。第二に、ストローを上げ下げすることで、紅茶を味わい、グレープフルーツジュースを味わい、両者が交じり合うあたりを味わえる。混ぜてしまっては画一的な味になる。

シフォンケーキは紅茶を注文。「予想通り」といってマダムが笑った。私は一人で来るときは紅茶のシフォンケーキを注文する確率が高いそうである。そうでしょうね、好きですから。卒業生らを連れて来るときは、相手の注文との兼ね合いを考えて、注文しているのである。たとえば、相手が2つの選択肢で迷ったとすると、相手が選ばなかった方を私が注文し、「どうぞ味見してみてください」と勧めるとか。いきつけのカフェでの社交においては、私はホスト役なのである。 ちなみに「カフェゴトー」のタルトでするようなハーフ&ハーフというのは、シフォンケーキの場は(少なくとも「スリック」のシフォンケーキの場合は)不可である。縦に2つにカットすると薄くなってしまい、横に2つにカットするとそれはシフォンケーキでは上層と下層ということになり、味わいが微妙に違うのである。

一時の体調不良からは回復されたようだが、どうぞお体大切になさってください。 

蒲田駅のホームに駅員のための階段がある。以前は「業務以外の立ち入りを禁止する」という表示はなかったが、階段を上がろうとする客がいるのだろう(実は、私も途中まで階段を上がったことがあります)、はっきり表示されるようになった。暗黙の規範から明示された規範へ。「いわなくてもわかる」時代から「いわないとわからない」時代へ。平成とはそういう移行の時代だったのかもしれない。 

昼食は、早稲田に着いてから、「メルシー」で。 

入口近くのテーブルに座る。ドアは開け放たれたままである。 

まだクーラーは入っていない。まだまだ大丈夫、とクーラーが苦手な私は思う。 

チャーハンを注文。 

 3時から始まった会議は1時間ほどで終わった。

ミルクホールであんドーナツをコーヒーを買ってきて、研究室で夕方まで作業。

帰りがけに「あゆみブックス」で文庫本と雑誌を購入。

 谷川俊太郎編『茨木のり子詩集』(岩波文庫)

 『吉田秀和:孤高不滅の音楽評論家』(KAWADEムック 文芸別冊)

7時、帰宅

夕食はシラスオムレツ、(前回作ったときは厚みが乏しく形がくずれてしまったが、今日は大丈夫)

サラダ、キュウリのお新香、明太子、味噌汁、ご飯。 

2時、就寝。


5月21日(火) 雨

2019-05-24 14:35:30 | Weblog

7時45分、起床。

トースト、ベーコン&エッグ、牛乳、紅茶の朝食。

今日の朝ドラ。山口智子が居酒屋「赤い風車」(ムーランルージュ)の女将の役で登場して話題になっているが、私としては、『ひよっこ』で向島M電機乙女寮の料理人を演じていた陰山泰が「川村屋」の料理長として登場したことの方が「おぉ!」と思いましたね。職種が同じですからね。「狙った」としか思えません。

宮崎公立大学の阪本博志先生から、女中サークル誌「あさつゆ」について書かれた記事(『東京人』2019年5月号掲載)のコピーが送られてきた。「あさつゆ」というのは1954年に発足した女中さんたちのサークル「希交会」の機関誌で、18年間刊行された。それが阪本さんの編集により金沢文圃閣から全10巻として刊行されたのである。いまでは死語となったが、私の子供の頃、つまり高度成長期の頃に「女中」と呼ばれる職業があった。「女中さん」は「お手伝いさん」「家政婦さん」と呼ばれることもあった。中流以上の家庭が家事を担当してもらうために雇う女性のことで、通いと住み込みとがあった。世間的には下の方に見らていた職業で、その彼女たちがそうした世間の目に負けずに頑張っていこうと結成されたサークルの機関誌で、女中たちの生活や意識について知るための貴重な資料である。

昼食は雨の中、「マーボ屋」に食べに行く。 

5月のランチメニューの中からウィンナーとアスパラのチャーハンを注文。 

具は家庭的なチャーハンだが、味わいは中華料理店ならではのものである。 

大学に出かけるタイミングを見計らっていたが、雨は一向に弱まる気配を見せないので、見切り発車で家を出る。今日のような本格的な雨は久しぶりである。 

演習「現代人と社交」は今日からグループ発表が始まった。最初のグループは「通りすがりの人との社交」をテーマとするグループの1つで、東京から京都までヒッチハイクを試みて、その体験(実験)にもとづいた発表であった。発表の仕方(パワポやレジュメの作り方)には改善の余地が多くみられたが、発表に向けての意気込みは伝わってきた。これは大切なことで、発表の技術ならいくらでも教えられるが、意気込みがない人には技術を教えても甲斐がない。いい発表でした。来週以降のグループのよい刺激となったことでしょう。

帰りがけに「あゆみブックス」で、吉田秀和『グレン・グールド』(河出文庫)を購入。吉田が書いたグールド関連の文章を集めて一冊にしたもの。『吉田秀和全集』は所有しているが、こうした特定のテーマでハンディにまとめてくれた本は便利である。 

蒲田に着く頃には雨はほとんど止んでいた。 

夕食は豚肉、ジャガイモ、人参、ピーマンの炒めもの、 

シューマイ、サラダ、オクラの味噌汁。 

デザートはメロン。 

2時、就寝。