フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月15日(水) 晴れ

2019-05-19 10:43:00 | Weblog

8時、起床。

トースト、ポトフ(夕食の残り)、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

妻が「これ新作なの」と言って、身に付けたネックレスを見せに来た。初夏らしい、爽やかな風を感じさせるデザインである。

9時過ぎに家を出る。椅子の上でナツが気持ちよさそうに寝ている。

10時半から大学院の社会学コース会議。

昼食は研究室でおにぎり(おかかと梅干し)。 

それだけではこの後の長い教授会を乗り切れないので、きつねうどん(ミニカップ)。 

2時から教授会。予想に反して今日は早く終わった(4時半)。望外の幸せとはこのことだ。

6時頃まで研究室で雑用を片付けることもチラッと考えたが、さわやかな気候なので、早上がりすることにした。

教授会のときに教務(入試担当)の宮城先生から「8月3日、4日は空いてますか」と聞かれる。「なんで?」と尋ねたら、「オープンキャンパスでの模擬講義を頼みたいのです」とのこと。「いいですよ」と引き受ける。畏友の宮城先生からの頼みであれば、断れません。あとから事務の方から正式な依頼のメールが届いたが、1コマではなく2コマだった(1コマだと思っていた)。でも、模擬講義の1回の時間は40分だそうなので、2回で通常の授業の1コマ分と考えることにした。でも、40分って、話し始めたと思ったとたんに終わってしまうような気がする。 

梅雨入り前ならではの高原にいるような(つい数日前、実際私は高原にいたのだ)快適な気候だ。 

6時前に帰宅。妻が「あら早いのね」という顔をした。

夕食はラムチョップス、野菜の付け合せ、キンピラ、柚子大根、玉ねぎと卵の味噌汁、ご飯。 

付け合せの野菜はズッキーニ、ピーマン、エリンギ。 

 2時、就寝。


5月14日(火) 曇り

2019-05-19 10:19:20 | Weblog

8時、起床。

牛乳パン(ピーナツクリーム)、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。3日ぶりの自宅での食事である。

昼食は牛乳パン、ミニカップうどん、牛乳、紅茶。

牛乳パンはやさしい味わいである。

午後から大学へ。「ガルガ」の「ふるさと民芸品展」で購入した「道神面」をデザインした手ぬぐいを持って行く。 

5限は演習「現代人と社交」。課題としてコースナビにアップしておいた3篇の文章を読んだ感想を全員に(一人2分ずつ)話してもらう。 「読んで来ること」と言っただけで、「感想を一人一人話してもうら」とは言っていなかったので、読み方が総じて浅い。読んで、考えて、話すというサイクルを経て、読んだことは本当に自分のものになっていくのである。これからレポートやゼミ論文を書くために文献を読むことが増えるだろう。文献からたただ引用するだけ、批判も疑問も差し挟まず紹介するだけの引用は、引用としては初歩的レベルである。引用というのは、自分の考えを誰かに代弁してもらためにするのではなく、ましてや字数稼ぎのためにするのではない。自分の考えを深めるため、展開させるためにするものでなくてはならない。だから文献を読むときは、重要な個所な箇所や意味がわからない箇所や疑問の箇所に線を引き、そこで考えたことをメモしながら読まなくてはならない。そいういうことを今日の授業で肝に銘じてくれればと思う。

7時半、帰宅。

夕食はポトフ、温泉玉子、キンピラ、ご飯。

我が家の場合、ポトフは寒い時期のメニューではなく、通年メニューである。手軽にできてき、野菜をたくさん食べられる点がすぐれている。でも、私は野菜だけでは物足りないので、ウィンナーソーセージをたくさんいれてほしいとリクエストしている。

デザートはメロン。 

 今日の演習で配ったお菓子の余り(3本)を家に持ち帰って、妻と分ける(私が2本、妻が1本)。

ブログの更新が遅れ気味なので、ここ数日はサクサク書いてアップせねばなるまい。

1時半、就寝。


5月13日(月) 晴れ

2019-05-18 22:41:28 | Weblog

7時、起床。

『なつぞら』を観てから、朝食をとりに「ユキ・リ」へ行く。

前回初めて訪問して、松本の「お気に入り」カフェに加わったお店である。 

朝7時半からやっている(その代り午後4時の閉店である)。 

「また来ました」と店主のユキリさんにご挨拶して、大きなテーブルに座る(先客はいない)。 

朝ごはん定食を注文。朝早くからやっているこのカフェの看板メニューである。 

 美しく、かつ美味しそうだ。

 5種類のおかずがお皿にのっている。いいですね、こういうのは。

食後にハーブティーを注文。 

「ユキ・リ」は3種類のテーブルがある。厨房に向かったカウンター席が4つ。 

2人用のソファーとテーブル。 

2枚の天板を組み合わせた椅子が5つのテーブル。私は前回も今回もここに座った。広いテーブルが好きなのだ。

さまざまな客にタイプとニーズを考慮したテーブルの配置である。 

ユキリさんは、高校生のときから将来のカフェ開業を夢見て、カップや皿をコツコツを集めていたそうである。 若くして夢を実現されてよかったですね。でも、GWの混雑が終わって、人波が引くと、「やっていけるかな」とふと不安な気持ちになることもあるそうである。ここは大丈夫です。さまざなまカフェを観てきた私が保証します。

先日、私の教え子で地元在住のAさんが一人でここに来たそうである。カフェとの付き合い方についての私のアドバイスに従って、支払いのときにユキリさんと話をされたそうである。カフェで一人の時間を過ごすのももちろんいいですが、それだけではなくて、社交空間としてのカフェの実践、いいですね。

ホテルに戻る前に四柱神社に寄っていく。 

いま世の中には改元に便乗した「令和」商品があふれているが、この「令和」の幟は本来のものである。

 令和最初の四柱神社詣でである。

境内の以前甘味処があった場所に老舗の蕎麦屋「こばやし」が出店している。実は一年前に大手4丁目にあった店が全焼し、ここに移転してきたのである。焼けた店には二度ほどいったことがあるが、火事のことを私は知らなかった。今回、「chiiann」のご夫妻からその話を聞いてびっくりした。焼けた店の後はいま駐車場になっているそうである。

ホテルに戻り、チェックアウト。wi-fiの使えるホテルのロビーでパソコンを使って作業を少々。

昼食は「うらしま」で。ビジネス街にある定食屋さんで、観光客でなく、近隣のサラリーマンが顧客である。

前回来たときはさわら西京みそ焼き定食にメンチカツをオプションで付けたが、あのメンチカツは美味しかった。今日はメンチカツ定食にしよう。 

前回と同じカウンター席に座る。 

メンチカツ定食。 

メンチカツには特製ソースをかける。 

 「栞日」の分室の一階のタカハシさんの「山山(サンサン)食堂」が開店したら、昼ご飯をどちらで食べるか悩ましい。たぶん一日目と二日目で割り振ることになるだろう。あるいは昼食を「うらしま」、夕食を「山山食堂」としようか(営業時間のことはまだ知らないけれど)。カフェもそうだが、なじみのお店が増えてくると、滞在中にいつどの店に行くのかという問題は、幾何学における一筆書き問題のような様相を呈するのである。

食後のコーヒーは信毎メディアガーデンのロビーに飲みに行く。

ここはwi-fi環境が整っているのだ。 

ロビーには「丸山珈琲」という店が入っている。 

ここで売っている「牛乳パン」というものが美味しいと「chiiann」の奥様にうかがった。牛乳パンと姉妹品のピーナッツクリームパンを購入(帰りの列車の中ででも食べよう)。

メディアガーデンを出て、高砂通へ。実はもう一軒、覗いてみたいパン屋があるのだ。

この通りには「アガタ」という名前の古本屋がある。なかなかよい品ぞろえの古本屋である。

でも、店内には入らない。入ればきっと何冊か買い込んでしまうだろう。街歩きの途中でバッグを本で重くするというのは賢明な行為ではない。店外の均一本の棚をながめるだけにしておくことにした。けれど、結局、単行本(文庫本ではなく)を3冊購入することになった。やれやれ。 

 『日常の中の危機』全集・現代文学の発見・第5巻(学芸書林、1968年)

 村松瑛『色機嫌~女・おんな、また女 村松梢風の生涯』(彩古書房、1989年)

 シンプルライフ研究会編『毎日が輝く! シンプルな生活』(日経事業出版社、1999年)

目ざすパン屋は高砂通りの奥の方にあった。ちょっと見にはパン屋とはわからない。むしろ和菓子屋かと最初は思った。

店名は「田園ベーカリー」。「ガルガ」の奥様がここのパンは美味しいですよと勧めてくれたのだ。それにしても街中で田園ベーカリーとはこれいかに。(この疑問はのちほど氷解する)。

テイクアウトするつもりで入ったが、イートインもできることがわかったので、そうすることにする。 

クリームパンと紅茶。 

長いカウンターテーブルがある。

 

「どちらからいらしたんですか?」と聞かれ、「東京です」と答えると、「私も東京の出身です」とおっしゃる。「東京のどちらですか?」と私が聞くと、「大田区です」いうので、「私も大田区です」と答えると「ほんとですか!」と急に会話に弾みがついた。「私は蒲田です」というと「私は田園調布です」とおっしゃる。ちょっと負けた感がある(笑)。「それで田園ベーカリー(笑)」。「ホントですか?(笑)」「実は、結婚した相手が園田だったんです。で、5年前にパン屋を始めるときに、園田をひっくりかえして『田園ベーカリー』にしたんです。田園調布の出身ということも重ねてね」。「なるほどね」。

高校は三田高校だったそうで、私が小山台高校だというと、「14群ですね」と言った。その通りである(ちなみに三田高校は11群だった)。学校群制度のことをご存知というのは一定の年齢の方ということで、「失礼ですが・・・」と年齢を伺ったところ、私より6つ下であった(妻と同じくらい)。ほぼ同世代ということで、ますますおしゃべりに拍車がかかった。楽しい時間でした。今度松本に来るときはまたうかがわせていただきますね。

 「栞日」に行く。

いつものデスクも空いていたが、ソファーの方に座る。デスクはノートパソコンやノートを広げて書きものをするとき用で、読書だけの場合はソファの方がいい。今日は信毎メディアガーデンのテーブルで書きものはすませたので、ここでの時間は読書タイムだ。

アイスジンジャエールを注文。 

『ATLANTIS』という雑誌を興味深く読んだ。去年の7月の創刊された雑誌で、創刊号の特集は「境界」。国と国との境界から、宇宙の境界や、男女の境界まで、さまざまな「境界」が取り上げられている。

編集後記と思われる文章がある。「いま雑誌を創刊することの意味を見つけ難い時代となりました。 雑誌は媒体の中の部品となり、雑誌としての存在意義は薄れています。しかしながらそれに取って代わったインターネットは肥大化し過ぎました。真実も嘘も同階層として存在し、数多の情報の中から自分にとっての正解を選択することは非常に困難な作業となります。だからこそ純粋で主観的な「雑誌」を創刊することにより、細かく切れそうな糸であっても雑誌の命を繫げることができるのではないか。という想いから今回の創刊に踏切ました。」

ネットサーフィンにはなくて、一冊の雑誌を読み耽ることにあるのは、「静かな気分」だ。

 

奥様にアイスジンジャエールのお替りをお願いして、2時間ほど滞在した。(もちろん『ATLANTIC』は購入した)。

1階のレジの前のベンチで店員のモトヤナギさんが休憩をとっていた。「私もマネをしてアイスジンジャエールを飲んでいます」と言った。

アイスジンジャエールのよいところは、チビチビ飲むのに適していることだ。アイスコーヒーやアイスティーはごくごく飲めてしまう。しかし、アイスジンジャエールは刺戟が強いから、ごくごくは飲めない。飲んで飲めないことはないが、それではアイスジンジャーの美味しさは味わえない。そして、チビチビ飲むのに適しているということは、長居をして本を読むのに適しているということである。 

時刻は5時過ぎ。松本最後のカフェは、最初のカフェと同じ、「chiiann」である。  

ご主人も奥様も私が松本を離れる前に立ち寄ることを知っているので、「いらっしゃい。お待ちしておりました」と迎えてくれる。 

閉店(6時)までの時間をここで過ごす。(写真はマスターに撮っていただいた)

パンとスープのセット。スープはビシソワーズ(ジャガイモの冷製スープ)。

 本日のスイーツである抹茶風味のガトーショコラと紅茶(chiiannブレンド)。

「次はいつ松本にお出でですか」と聞かれる。「まだ決めておりません」と答えると、「7月に市民芸術館で『空中キャバレー』というミュージカルが上演されるのですが、それが素晴らしいので(再演とのこと)、ぜひ観に来て下さい」と言われる。わかりました。学期中なので、確約はできませんが、スケジュールを調整してみますね。カフェの方が薦めるパン屋さんに行ってみたり、カフェの方が薦める催しものに行ってみることも、「カフェとの社交」(カフェでの社交ではなく)の一部であると私は考えている。カフェとはたんなる場所ではなく、そこにいる人たちを含めた社交圏なのである。

ご夫妻に見送られて店を出る。今回もありがとうございました。

ホテルに寄って、預けてあるキャリーバッグを受け取り、荷物の詰め替えをして、駅に向かう。 

18時40分発のあずさ号に乗車。 

発車から1時間ほど経ったところで、駅構内で購入した山賊弁当を開く。 

 当初、「丸山珈琲」で購入した牛乳パンを車内で食べるつもりであったが、やっぱり夕食にはご飯が食べたくなって、予定変更で駅弁を購入したのである。牛乳パンは明日の朝食にしよう。

唐揚げは塩を振って食べる。うまい。カフェを巡っていると、スイーツの摂取がどうしても多くなるので、〆はしょっぱいものが食べたくなるのである。

10時前に帰宅。

テーブルの上に今回の旅行のお土産を並べてみる。 初日に見た「彩雲」がよかったのだろう、いつもの方たちばかりでなく、新しい方たちとの出会いもあったよい旅だった。

 風呂を浴びて、1時に就寝。


5月12日(日) 晴れ

2019-05-17 09:35:36 | Weblog

7時、起床。

和楽亭の朝は早い(Kは6時には起きている)。

朝食は昨夜コンビニで買っておいたカレーヌードルとサラダ。 

食後、近所を散歩。 

夕方と朝では石仏の表情も違って見える(かな)。 

長円寺の境内には樹齢400年の栃の木がある。

 

栃の木は栃木県の県木である。セイヨウトチノキはマロニエとも呼ばれ、昔の歌謡曲にはよく登場した。

田圃にはもう人が出て働いている。 

水を引いた田圃の土をかきまぜている。田植えの前にやっておくべき作業なのだろう。私が写真を撮っていると、「今日は写真を撮るにはいい日だ。お寺さんに泊まってるんですか?」と声を掛けられた。畦道では知らない人間同士も挨拶を交わすのである。

8時半ごろ安楽亭を出る。出発前に庭先でKとの写真を撮る。 

茅野の駅前に置かれている「縄文のビーナス」(左)と「仮面の女王」。もちろんれレプリカで、本物は手のひらに乗るサイズである。「縄文のビーナス」は国宝であるが、私は「仮面の女王」の方がかっこいいと思う。Kとはここでお別れ。彼はこのまま車を運転して相模原の自宅に帰る。お世話になりました。奥さんによろしく。また会おう。 

8時49分発の松本行き(普通)に乗る。

日曜日だからなのか、時間帯のせいなのか、車内はガラガラである。 

50分ほどで松本に到着。 

 建物の間から雪を頂いた山々が見えるところが松本ならではである。

未だチェックインはできないが、ホテルのフロントに荷物(キャリーバッグ)を預ける。街歩きは身軽でなくてはならない。 

中通り。タレントらしき人(名前は知らない)が人力車に乗ってテレビ番組の撮影が行われている。 

10時開店の「chiiann」に顔を出す。松本カフェめぐりの始点と終点はここと決めている。 

この日最初の客である。GWは大忙しだったようだ。 

ケークサクレのセット(ドリンクはりんごジュース)を注文。 

時間的に昼食ではない。スイーツとも違う(甘くはない)。朝食の延長という感覚。 

 1時間ほど滞在して、顔出しNGの奥様の恒例の「手振れ」に見送られて店を出る。

違うパターンでも(笑)。明日も来ますね。 

中通りを歩く。

 街中にはあちこちにベンチがある。座りたいようなベンチを見つけると、ついつい座ってします。

ここはお店の前の(順番を待つための)ベンチではなく、商店街の組合の事務所の前におかれたベンチで、純粋に一服するためのベンチである。 

ここはお店の前のベンチだが休業日あるいは開店前なので遠慮なく座る。

 「グレインノート」に立ち寄る。

GW中に開催されていた田中一光の作品展「青の主題による変奏曲《第9変奏》」で展示されていて、マダムに取り措いてもらっていたカップ&ソーサーを購入する。

一の橋を渡り、女鳥羽川の向こう岸へ。 

コンフィチュールのお店「Che Momo」。家へのお土産はここで購入と決めている。 

お隣の和菓子屋「宝来屋」は今日は開いていた。ラッキー。「しばらくお休みされていましたが、お身体はもうよろしいのですか?」と奥様に声を掛けると、ニッコリされた。ホテルで食べるようにあん団子とみたらし団子、それとあんこを豆餅でくるんだ鉄砲巻を購入。 

 女鳥羽川を二つ先の橋ところまで歩き、ちょっ中に入ったあたり。この辺に「栞日」の分室(GWにオープン)があるはずである。 

女鳥羽の泉。市内にはたくさん湧水がある。 

造り酒屋がある。よい水のあるところ、よい酒ありということだろう。

 「栞日」の分室を探してキョロキョロしていると、なにやら料理屋さんらしい古民家があった。ちょうど女将さんらしい方が出てきたので、「何のお店ですか」と尋ねたら、お蕎麦屋さんとのこと。

お店の名前は「満」(みつ)。「そば」とはどこにも書かれていない。分室に寄った後にここで昼食をとろうかと思い、「お昼は何時までやっていますか」と聞いたら、「予約のみの店なのですが、お蕎麦だけでしたらご案内できます」とのこと。敷居の高い店のようだが、蕎麦ならそんなにバカ高いということはあるまいと思い、案内されるままに店内に入る。

静謐という言葉がピッタリの空間である。せいろを一枚と一品料理のメニューから鴨の柳川を注文する。鴨の柳川は初めて食べた。どじょうの柳川と同じように鴨肉と牛蒡、そして季節の山菜(わらび)を玉子でとじたものである。メニューには二人前で出ていたが、一人前で作ってくれた。代金は全部で2000円でお釣りが来た。決して高くはない。次回はちゃんと予約をしてコース料理をいただいてみたい。(料理の写真撮影はNG)

「栞日」分室は酒屋さんの隣にあった。この建物の二階である。誰かがベランダで作業をしている。作家さんだろうか。 

オープニングの展示会は「現在民藝館展」(L.PACK) 。

一階は食堂が入る予定で、まだ工事中である。 

二階に上がる。 

面白い空間である。 

 展示品をみながら、さきほどベランダで作用をしていた方にお話をうかがう。

私が作家だんだろうと思っていたのは誤解で、一階に開店予定の「山山食堂」のご主人であった。 

お名前はタカハシヒデキさん。あの有名な俳優と同じ名前だが、字は違うらしい。本当は分室と同時に開店するはずだったのだが、食堂の方の工事が遅れてしまって申し訳ありませんとおっしゃっていた。どんな食堂になるのですかと聞いたら、アジフライとか鯖の味噌煮とか普通に美味しい定食を出したいとのことだった。アジフライ、私、大好きです。期待していますね。 

分室を見てから「栞日」へ。入り口を入ったところの大きなテーブルで菊地さんがパソコンを広げて仕事をしていた。「分室、見てきましたよ」と挨拶。

飲み物とドーナツの注文をしてから2階へ上がる。レジをしている店員さんは前回来たときと同じ方だと思うが、茶髪になっていたので、印象が違う。「同じ方ですよね?」と尋ねると、「はい、同じだと思います」と答えてくれた。 

お気に入りの窓際のデスクが空いていたので、心の中で「ラッキー」とつぶやきながら座る。まあ、2人(以上)で来る客はここには座らないだろう。 一人で来た客も、部屋の中央にある2人用の丸いテーブルが、ソファに座る人が多い。ここが空いていることが多いのは、ここがあまり人気のないテーブルだからだろう。私が変わっているのかもしれない。

 さきほどの茶髪の店員さんがアイスジンジャーとドーナツを持って来てくれたので、昨日見た彩雲の話をして、あなたも見ましたかと聞いてみた。「ずっと店内にいたので、見ることができませんでした」とのこと。スマホで撮った彩雲の写真を見せてあげると、「初めて見ました、こんな雲。きれいですね」と驚いていた。 

今日は「栞日」にはショートステイ(1時間足らず)。明日、本格的にここで時間を過ごすことにする。

ホテルでチェックインの手続きをして、「グレインノート」で買ったカップや「モモ」で買ったコンフィチュールのビンをカバンから出す。30分ほどベットで昼寝をしてから、今日の最後のカフェ「ガルガ」へ向かう。

 「ガルガ」は市民芸術館の裏手の民家の庭の蔵を利用したギャラリーカフェである。

月吾替わりで2階のスペースで作家さんの展示会をやっている。今月は、いつもとは違い、「ふるさと民芸品展」というタイトルで、地元長野のあるいは地方の民芸品を展示している。

とりあえず店主さんご夫婦に挨拶をして、リンゴジュースで喉を潤す。 

2階のギャラリーには三春駒とか熊の彫り物とか子どもの頃から馴染みのある民芸品にまじって、宮田嵐村という大正生まれの作家が創作した「道神面」というお面が目を引いた。

被ってみた。「13日の金曜日」のジェイソンみたいである。

 

よく見るとわかると思うが、男女の性器がモチーフになっている。さかのぼれば埴輪もそうだが、民芸品にはそいうものがけっこう多い。人間の根源としての性、生殖、エロス、そして村落共同体としての豊穣の祈りということだろう。岡本太郎が「道神面」を見て称賛したそうだが、さもありなんと思う。価格は5000円なので、購入することも考えたが、どこに飾っておくのか(研究室か、自宅の居間や書斎か)を考えると、難しいかなと考えて断念した。

 「道神面」をイラスト化した手ぬぐいと三春駒のポストカード、そして1階のショップに置いてあった小池千恵さんの練り込みの皿を購入した。

時刻は6時半。チキンカレーの「小」を注文して、早めの夕食とする。 

 10時半に松本に来ると一日がけっこう長い。たくさんの馴染みの店を回ることができた(でも、全部は無理だ)。

夜はホテルの部屋にこもってテレビを観ながら(『集団左遷』とか)写真の整理やブログを書いたりして過ごす。夜の街に繰り出すということはしない(私は酒を飲まないから)。せいぜいコンビニに行くくらいだ。

1時、就寝。


5月11日(土) 晴れ

2019-05-14 22:55:25 | Weblog

7時、起床。

パン、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

8時半に家を出て、新宿駅へ。私の乗るあずさ号は10時ちょうど発なので、9時に家を出ても十分間に合うのだが、それは京浜東北線や山手線に遅延が生じないことを前提としての話で、しかし、近頃はしょっちゅう遅延(とくに京浜東北線)が生じるので、早めに家を出たのである。 

あずさ号はこの3月のダイヤ改正のタイミングですべてE353系の車輛で統一された。 

前方から見ると細身だが、横から見ると「鼻ぺちゃ」で、新幹線の「ロングノーズ」とは対照的である。

手荷物はキャリーバッグとこのトートバッグ。トートバッグはいつも持ち歩くもので、容量的にはもっと小ぶりのショルダーバッグでもよいのだが、脱いだ上着を入れたり、買い物をしたりするにはトートバッグの方が便利なのである。 

 新宿から茅野(初日は友人のKを訪ねる)までは2時間。先日購入した関口良雄『昔日の客』を読んだり、居眠りをしたり。

駅の近くは建物が多いが、駅と駅との中間は里山と民家の風景が続く。 

あと数分で茅野ということろで、荷物を持ってドアのところに移動。ふと窓から空を見ると虹色の雲が目に入った。彩雲だ。知識としては知っているがめったに見ない雲である。 虹のように弧を描いてはおらず、雨上がりでもない。

茅野に到着。 

ホームに立って、改めて彩雲の写真を撮る。 学術的には彩雲にもいくつかタイプがあるらしいが、吉兆であるのは間違いない。今回の旅がよいものになることを確信する。

改札にはKが迎えに来てくれていた。彼によると、GWの始まる頃にも彩雲が観測されたらしく、地元のニュースでも取り上げられたそうだ。 

いったん彼の別荘(和楽亭)に寄ってキャリーバッグを下ろす。 

改めて出発。八ヶ岳連峰を前方に観ながらのドライブ。こういう風景を前にすると、ジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード(路上)』が頭に浮かぶ。 

 やがて道は耕作地帯を抜けて森林地帯へ入って行く。

茅野に来たときはいつもこの「香草庵」で昼食を食べる。

高原にはまだ桜が咲いている。 

蕎麦屋らしからぬ建物だが、人気の蕎麦屋である。

前に3組の客が待っているが、大した待ち時間ではない。外のベンチで待つことにする。

Kとは高校以来の友人で、奥さんもわれわれと同じバドミントン班だった。いまは体調を崩されて療養中だが、いずれまた3人で会えることだろう。 

ほどなくして個室に案内される。普段はお店の方のプライベートルームだが、繁忙期はお店の一部として使用しているそうだ。 

出窓のところにおいてある鳥の作り物が目を引く。林檎をつつく雀だろうか。 

写真を撮るK。 

 実によく出来ている。表情(目)がかわいらしい。

注文した蕎麦が運ばれてきた。私はニシン蕎麦(冷製)、Kはセイロ。

 私はいつもここではニシン蕎麦(冷製)を注文する。いつもの店で、いつものメニューを注文するというのが私の流儀である。「飽きないのか?」とKは言うが、毎週なら飽きるかもしれないが、年に数度だからね。

さて、次に行こう。 

カフェ「グリーンエッグ」。「香草庵」で昼食を食べたらここでお茶をするというのも決まり事である。 

林の中のカフェである。 

 大きな桜の木がある。

すでにピークは過ぎているが、まだまだ鑑賞に堪える桜である。 

マダムとご挨拶。 「いまセルフタイマーで写真を撮ろうとしているんです。ほら、あそこにカメラが」

 私はケーキセット(紅茶)。

ケーキは苺のタルトをチョイス。 盛りだくさんの苺。彦麻呂なら「苺の八ヶ岳連峰や!」と叫ぶところだろう。

少食のKはドリンク(カフェオレだったかな)だけ。

さて、次に行こう。 

食後の散歩は八ヶ岳農業実践大学校+八ヶ岳自然文化園で。 

怪獣のような雲が出ている。 

 きっとGW中はたくさんの人出があったに違いない。

今日は家族連れがパラパラ。 

女の子が自販機買ったエサをヤギに与えている。 

柵の側でカメラを構えている私のところにも別のヤギがやってきた。ごめんよ、エサはないんだ。生えている草をちぎって与えると結構食べてくれた。 

池の方へ。 

 蒲の穂棉が固まって水上に林立している。

鳥の巣のようなものは寄生木(ヤドリギ)である。 

水仙が可憐な花を咲かせている。 

ここにも大きな桜の木がある。 

近くに教会があるらしい。 

う~ん、足を踏み入れるのはやめておこう。 

 3軒目のお店はカフェ「魔法屋JIN」。たぶん開店した年からKと一緒に来ていると思う。

 

「JIN]という名前の由来はなんだと思います。私は、「アラジンのジンかな」とか、(当時の人気ドラマ)大沢たかおと綾瀬はるか主演の『JIN―仁ー』から採ったのかな、と考えたが、マダムに聞いたら飼い犬の名前だった(笑)。

クラシカルな内装。 

紅茶の缶がいっぱい並んでいる。 

私はレモングラスのハーブティとハチミツ&チーズトーストを注文。トーストはパンがふっくらサックリとしてとても美味しかった。そしてチーズトーストに蜂蜜というのも合いますね。これからここに来たときの定番にしようかな。

ポットの保温のための燃料の灯を見つめていると気分が落ちつく。

 

Kはコーヒーとミニケーキ(メニューにはないが、ランチのセットに付くものらしい)を注文。本当にミニだな(笑)。

 マダムにわれわれの写真を撮っていただく。 

さて、いったん和楽亭に戻ろう。 

和楽亭に到着。

玄関には「三月やふわりと梅にうぐいすが」という一茶の句が額に入って掛けられている。Kの奥さんの書である。彼女の署は師範の腕前なのだ。

  

30分ほど横になってから、お隣の長円寺に行ってみる。 

池の畔の石仏たち。

 

山々を背景に物言わず並んでいる。

 でも、耳を澄ますと石仏たちの声が聞こえるようである。

何やらブツブツ言っている(笑)。

お寺を出て、田圃の方へ行ってみる。 

田圃には水が引かれ、まもなく田植えが始まる。

 

陽が西に傾いている。

雲から光の帯(天使の階段)が下の方の町(諏訪の方だろう)に降りている。

和楽亭に戻ろう。

Kの車に乗って近所の温泉(共同浴場)へ。「望岳の湯」という名前である。 

「望岳の湯」という名前である。

たしかに。

 日没だ。

 

夕食はここの食堂で食べる。風呂から上がってから食べるつもりだったが、ラストオーダーが7時なので(ただいま6時半)、先に食事をすることにした。Kは山菜うどん。

私はいつものソースカツ丼。 1時ごろ昼食(ニシン蕎麦)を食べ、それからカフェを2軒梯子して、7時前に夕食というのはわれながら感心する。よく胃に入るものである。こういう場合、ソースかつ丼というのは味が濃いからご飯が進むのだ。

食後、ちょっと休んでから入浴。風呂から出て、冷たい物を飲みながら広間でおしゃべりをする。すぐに和楽亭に帰るよりも、こういう場所の方がおしゃべりが弾むものである(和楽亭でゆったりすると眠くなってきてしまうのだ)。

話題は「定年後の生活」。「大久保は定年後に始めたいことはあるのか?」と聞かれたので、「とくにはない。定年後に始めたいことは、いますでに始めている。定年後はそれらにもっと時間を割くことができるようになるわけだが、同時に、健康や収入は低下するわけだから、それを考えると、定年の前後で生活スタイルをガラリと変えるのでなく、いまの段階から少しずつ変えていった方がよいと思う」という持論を述べる。生活をガラリと変えるというのは案外難しいもので、そこから新たな生活ストレスが発生しやすい。独身であれば、そのストレスは自分だけのものであるが、夫婦の場合は、夫が生活をガラリと変えようとしても妻がそれについていけず、熟年離婚などに発展してしまうのだ。定年前後の生活の変化は、断絶的であるよりも、連続的であった方がよいのだ。 

帰り道にコンビニ に寄って、明日の朝食を仕入れる。

 10時を少し回ったあたりで、就寝。さすがにすぐには眠れなかったが、今日撮った写真の整理などをしていたら、11時には眠くなった。