台風一過で、あまりにもお天気がよろしかったので、群馬エリア(爆)の聖地、秋名山、もとい榛名山方面へと遠征。新装なったブレーキを試して参りました(すっかりイニシャルDモード)。
ご存じない方のために解説いたしますと、イニシャルDは、あのトヨタ86(ハチロク)発売のきっかけとなったともいわれるコミック。その舞台になったのが、仮想の山、秋名山というわけですが、立地条件、その他から、主人公はふもとの群馬県渋川近辺在住の豆腐屋の息子。類い稀なドリフト伝説の舞台となったのは必然的に榛名山であろう、ということで、いまや聖地扱いでございます。発表と同時に大ブレーク。現地いえ、全国各地の峠では、右も左も中古どころか20年オチの太古の86ばかり。あろうことか中古市場ではブームをとっくに終えた現在でもいまだにめちゃ高の相場を維持している、とそれくらいのブレークだったのです。
あのトヨタがそいつにちなんで、完全新型のハチロクを発売、と聞いてそれに群がっちゃった、というのもまた少しハズカシい気がするんですが、そこはそれ。ニンゲン素直さが大切なのでしょうか(爆)。が、まあきっかけはともかく、ミニバンとエコカー真っ盛りのいま、スポーツカーを見直す、というムーブメントは新鮮か、と思いきや、こんなの買ってるのは中年のオッサンばかり、というウワサですね。新鮮でもなんでもない。
身近でも、10年前のブレーク時には「藤原豆腐店」などとドアに大書された赤面するような個体を複数見かけたものですが(爆)、いずれも土アンダーののち「曲がってくれ~、オレのハチロク~っ」の叫びとともにガードレールにササって軒並み廃車になってしまった由。よいこのみなさまはけして拓海くんの真似など、してはなりませんねえ(爆)。さらにあのAさんも、ブーム真っ盛りの頃に立科山中で拓海くん気取りの86に下りで遭遇。ものすごく遅かったので、幅寄せののち(爆)抜き去ったとか抜き去らなかったとか。
おいまつえんからでも、非常にまばらな一般道をたどってほんの90分ほどで、この聖地に到達してしまうのですが、ブームがさって久しい昨今でも、なんだかハズカシくて近寄れませんでした。どこか夏の軽井沢を思わせる、気恥ずかしさがあるんですよ(一部謎)。僕のも一応、スポーツカーですし、一見ハデですもんね(恥)。
伊香保温泉側からのアプローチはたしかに急な登りとつづら折れの連続で、非常に走りにくい、やっかいな峠になっていましたが、なにミニバンとKにまみれて這い上っているだけ。ここを拓海君が毎朝ドリフトで抜けたのか~、と感慨深かったです(違うから)。
山頂付近で紅葉が始まっており、後期高齢者のみなさまが列をなして県外から押し掛けているらしく、平日なのに結構交通量があります。こんなんぢゃフルブレーキングかました瞬間に止まっちゃう(爆)。
あと、榛名の手前に出てくる急坂の途中にある伊香保温泉には、なんといまだに「秘宝館」系が2軒もあり、のけぞりますた!うう~、寄りてえ~、とも思ったのですが、独りだと思いきりハズカシいんですよね~。ウインカーとか出せなさそうで(小心者)。ですが、なくならないうちにいっておきたいものですのう(とほひめ)。
というわけで、完全あきらめモードで榛名湖の反対側に抜けて、長野原側へと下るルートをとったのですが、こちらはすごかった!ちょうどお昼過ぎのランチタイムにあたった関係で、山ひとつ貸し切りで下ることができました。
長野の山々にはあまり見られないのですが、この榛名山はひとつだけぽっかりと丘のようにそびえている山。周辺にいくつか山を従えているのがほとんどの長野の山とは道路のおもむきが違います。ひとことでいって、登りも下りも勾配が急。長野ですと、山が連なっている関係で徐々に高度を上げたり、落としてゆく感じで、コーナーのRも勾配も比較的緩いのですが、ここはかなりキツい。
急なだけに速度も上がってしまい、状況に寄っては結構な制動を要求されるケースも出てきます。ブレーキングの練習にはもってこいである、ということもできますね(汗)。
MRの下りはじつは最強。U教授からのご託宣によれば、下りでの急ブレーキというのは、すなわちリアの接地荷重抜けをも意味するので、その辺りの加減を考えながら踏まないとダメ、とのこと。これは平地でも一緒で、ノーズダイブを伴ってしまうようなブレーキングというのはできるだけ避けるべし、というものです。
ううむ、この急な下りでいかにマイルドにブレーキングを行うか、というのは非常に難易度が高いワザですが、考えすぎてやってると失速してしまう(どうしようもない)。
教授からの伝言では、雪道でのブレーキングをイメージせよ、とのことですが、とにかく経験あるのみ。ローターを2、3枚削るうちには(ばか)うまくなれるのかな~、って、まあダメでしょうなあ。素質ねーし(まじ)。
画像は、そうはみえませんが、ジェットコースターのような下り坂なんですよ。そこをMRならではの安定感で思いきりアクセルをあけてコーナーへと向かうこのヨロコビ!背後からはコワワワ~ン、といって、水冷フラット6の雄叫びが聞こえて参ります。ううむ、最高にキモチえがった~!!コースの終点にはコミックにも登場する赤い橋も登場!ううむ、イイ!!
ちなみに、このように荷重など考えながら慎重に山を下ってみたところで、ニューパッドのすごさはでませんでした(ヘタレの権化)。
と~こ~ろ~が~!制限速度プラスで流している最中に、道の駅(じつは好き)の看板を見かけ、とっさに寄ろうと思い立ち、その看板が頭上に来たところでブレーキング(あほ)、「ブーン」というローターの音と、なんとも心地よいブレーキペダルのレスポンスがあって、ものすごいブレーキングフォースが発生。瞬間、TIP-Sもきっちり追従して、5→2のシフトダウンを敢行!ミゴト道の駅めがけて左折できてしまったのでした。って、こんなことやってるからパッドが1年でおしまいになっちゃうんですよね~(自虐ネタご容赦)。あ、今回のこれはそうはならないのか?でもね、こんな真似、MTではゼッタイにできませんぜ。ブレーキ依存が激しいのはたしかに反省点ですが、なんかそれを補ってくれる、このキャラクターがあるわけですから別に遠慮することもないかな、とそんな印象。
ううむ、すげーわこれ。ペダルの踏力で50%位のあたりにものすごいゾーンがあって、シビレる。ある程度速度が出ているときのブレーキングでないと登場してこない階層であると見ましたが、非常にキモチのよい減速でした。
榛名山頂付近は気温10度。道理で紅葉も始まるわけですが、そのまま軽井沢に抜ける浅間火山ルートをとったら、県境でなんと5度ですた。あう~、冬近し~!