ガーン!画像は、ロンドンの中心部もよいところ、Selfridgesの裏にあるWallace Collectionで見かけた英国紳士。
ううむ、ぜんたいになんてえことのないシングルスーツで、襟元はホワイトのレギュラーカラーにボウタイ。あとからカットオフしてあるかにみえた下半身には度肝を抜かれましたけれど、周囲からはあんまり浮いていないのもまたフシギ。ちなみにこの日のロンドンの外気温2度(!)。
それほど浮いてみえないのは、多分コレクションのオーラとのバランスが保たれているおかげですけれど、この方がこのままコート羽織ってOxford St.のパブに行っても、おそらく浮かない。
さよう、どんな格好をしていようが、本人が堂々としておればそれなりにサマになる、のよい見本といえるか(なぞ)。他のお客さんもニヤニヤしながら遠巻きにしてチラ見してましたけどね。
あまりにも目立っておられたので、お引き留めして今日のファッションのコンセプトを伺いたかったのですが、展示に気を取られている隙に、すぐにいなくなってしまわれたので、後悔至極でございます。
ところで、昨今のスーツのシェイプですが、ぜんたいに細身にシェイプされた造形がここへきてハッキリと主流。
流行当初は、なんだこれ、てなもんでしたけれど、スリム流行りも5年も続いたら本物になっちゃう。ここがファッションのビミョーなところで、旧型が徹底的に陳腐化されてしまうあたりがつらいわけです。
メンズファッションでは、周囲から浮き上がってしまわないように装うのがキモですから、たとえ10年前のものでもこうなるときつい。
数年ぶりに一念発起で買ったMensEXによれば、上着の丈がモデルによってはカーディガンのような短さのものまで出現してきたうえに、今年はダブルが台頭してるんだと(脱力)。
シェイプ具合や着丈がうまくいってるダブルの場合には、非常に華やかな印象ですけれど、ぜんたいのバランスどりが微妙なのもダブルの特徴です。
また、メンズマガジンのモデルはほとんどが8頭身に近い白人とセレクトショップの店員ばっかり。さらにもっとも写真の点数が多いのはトルソーに着せた上に、身頃を後ろでピン止めしてあって、やたらとカッコよく写してあるやつ、ときている。ここが大きなワナで、自身の4頭身+ズンドー加減を忘れて、ザッシ片手にアレヤコレヤと妄想するのは無上のヨロコビ。でも現実には、ねえ(自爆)。
幼稚園の卒園式みたいな(失礼)パツパツスーツの流行に乗る必要はけしてないと踏んでいるのですが、それでもファッションの「流れ」ってのは無視できないものです。
なき落合正勝先生は、流行から距離を置くことこそが、流行に取り込まれることである、と謎の名言を残しておられます。
80年代に正真正銘クラシックである、と言われた一着をいま取り出して着るのはもはやアナクロにすぎないのか。画像のような足元(TomBrowneさまです)が果たして、心地良いのか。
そのあたりを用心深く考察しつつ、今買うとすれば、の一着を探し求めてみたいと思います。
ちなみに私にとってのスーツは実は遊び着にすぎず、ビジネススーツとは一切無縁ですから念のため。
まずは、シングルの今風シェイプ。並みいるセレクトショップのハウスブランドでも、と妄想だけはしているのですが、これすらも一着ざっと10万円が中心価格。この流れですと3年も着たら陳腐化するのが目に見えておりますから、もったいない。
アンタ、クツには大枚叩くくせに、肝心のスーツでそのレベルかい、と思われるかもしれませんけれど、クツのデザインは変わりようがないレベルで完成されてしまっているのです。つまり死ぬまで履ける。そこいくとスーツのデザインというかシルエットはもって3年がせいぜい。値段だけで判断するのも危険ですが、スタイルが移ろいやすいものに投資する場合には、ま、よくてもこんなもんでしょう(けち)。
スーツのお値段で知れるのは、手仕事の割合ですが、現状なら5~7万円台で十分にモダンでスタイリッシュなやつが探せる、というのが持論です。
ヨーロッパ出自の「ファスト」スーツブランドには遊び着ぽいのも豊富ですから、実はこのあたりが狙い目な気がして仕方がない昨今。
この、イーエックス片手にショップやブランドの各HPを訪れてみますと、クラシックだ、クラシックだと喧しいのですが、どこからどう見ても私の理解していたクラシックとは無縁に思えて仕方がない。そんな浦島太郎状態からの服選びは難航を極めております(困惑)。
また、こんかいは私としても初めての足元からの服選び。まずは靴ありき、で服を選ぶとどうなるのか、ううむ(とほひめ)。
購入目標は2017のAW(爆)。さよう、これからじっくり選び抜いて、というわけですがね(そんなに先見てどうすんだよ)。
読者の皆様からのご助言、お待ち申し上げております!!