さあて、ゼーム署帰りに、そのあまりの開放感から、思わずツタヤに寄ってしまい(爆)、借り出したDVDは全10巻!
このところ最新作からは遠ざかっておりました関係で、あたらし目のやつは容易に決まったのですが、ナツカシ目のやつも、と思い邦画コーナーを彷徨っておりましたらば、あったあった、伊丹十三カントクの名作「マルサの女」!もう、これっきゃない、と!
1ではあいかわらずのディテールに迫る画面作りが秀逸な他になんといってもテーマが「カネ」なだけに、身近でえげつなく、さらにエロさも盛り込んでもう面白いなんてえもんぢゃない。伊丹監督の一連の作品で2がリリースされたのはたしか、これだけだったはずですが、むべなるかな。1では所得隠しのノウハウとその暴き方のノウハウが事細かに描写される他に、なんといっても伊東四郎演じる、パチンコ屋の社長の売り上げ除外が最高!税理士とのやりとりも血なまぐさくてよいが、その前に出てくる食料品屋のご夫妻の家事消費分の扱いなんかも税務の木曾なだけに(爆)、扱いがうまい!ゼーム署がえりなだけに響く、と(爆)。ロールスロイスのシルバースパーも効果的に使われていますが、なんとも美しいテールラインなど、本当に上品でホレボレいたします。
で、DVDの合間に、ぼんやりTVを眺めておりましたら、TV朝日で放映されていた「ナサケの女」がこれまた再放送されているでわありませんか!・・・いまをときめく大女優(といってよいでせう)米倉涼子が主演の現代版マルサの女というわけですが、なに脱税の手法が80年代と変わった訳ではありません。この世界、その昔からその手法は変わらない・・・が、ドラマ中には小物を中心にモダンな要素を組み込んだほかにアサヒ系ならでわのえげつなさに加えて、やはりカネがテーマなだけにエグさピカイチ。カネ、とくに身近な税金を扱うとここまでエグくて面白くなる、の見本というわけですね。
ところで「マルサの女2」では地上げに絡む暴力団が扱われていて、それがまた絶妙にうまい演出なのはまことにあっぱれなのですが、考えてみますとカントクもこれら暴力団に映画の演出どおりにヤラレてしまったのではないか、といまとなってはまことに遺憾ながら気がつく昨今。なき名監督にあらためて合掌。