ジャーン、みなさまご無沙汰いたしております。
2018年も明けて、ずいぶん経ちますが、本年もぜひよろしくお願い申しあげます。
いい加減になれて飽きがくる頃か、と思いきや、一向にそのようなことはなく、今回もまたひたすらロンドンを楽しんでまいりました。一度行けばもういいや、などという街はありません。そんなのはただのカンコー。お仕着せのパック旅行で訪ねた場所なんて、次から次へと忘れてしまうわけですが、そんな旅はそもそもがムダ。
掘り下げてこそである、というわけで4度目のロンドンなのですた。John Lobb Londonをはじめとした定点観測も含めて、今回もニク、靴、食料品、服飾に偏ったまんまのヲ気楽な旅でございました。
お天気はロンドンらしいそれ。一日のうちに全パターンの天気がやってくるといわれる不安定な気候は名物になるほどですが、さらに真冬のこの時期です。覚悟の上でしたけれど、案にたがわずでした。
が、傘が必要なシーンにはまったく遭遇せずにラッキー。暗めな画像、ご容赦。
画像はセントポール。王室の婚礼にも使われるほどの格式の高い教会ですが、入場はロンドンとしては珍しく有料なのでスルー(けち)。
街歩きも普段から鍛え上げているおかげで、疲れることなく地下鉄駅2つくらいは楽勝です。地名と大まかな位置関係がほぼ把握できている関係で、迷っても楽しい、ここ大事。
パブにもテキトーに寄りはするのですが、例によってひとり旅なので、イギリスに特有の泡立ちの悪いエールを飲んでもあまり盛り上がりません(爆)。というか、この寒いなか、(通称馬の○ょんべんというあだ名の)ぬるいエールてのもビミョーな選択っす。
ここは赤道ではなく、ドーバー海峡を渡って運ばれるフレンチワインをいただきます。パブでワインてのもミスマッチな気がいたしますが、みんな飲んでます。特に女性。
ロンドンでもイギリス産ワインが売られてはいますが、飲むとなればやはりフランスもの。パブでも比較的リーズナブルに売られています。
日本でも飲めるようなやつですけど、味は赤道越してないぶん格段に上。お代わりしたいところですけれど、もう一軒行くので(ああそうかい)。
行きの機内で観た映画 キングスマンは現在劇場公開中の最新作です。
そちらにも登場したSavile Rowの超有名店のHenry Poole様でございます。もちろん王室御用達(へへえ〜)!!
セール中だ、というので、せっかくスーツ着てるんだし〜、というわけで、おそるおそる寄ったのですが、グレーのチョークストライプをお召しの50代マネージャーさま曰く、お仕立てを20パーセントオフで承ります、と。
中華製スーツ着てるのを悟られないように(バレてるって)、お値段を訊けば3ピーススーツで1着30万円より(ハハァ〜っと脱力ののち抜腰)ここが入り口で、上は130程度まで!
ここがSaville Rowのうまいところで、たとえ30スタートだとはいっても、それですと15m先のSUITSUPPLY と変わらない奴ができあがっちゃう。生地をはじめ、縫製の具合で造り上げるショルダー、あとお好みでドレイプと呼ばれる「たるみ」の美を追求しているうちにまあだいたいが50から90程度はいっちゃうのがこの世
界。それの半額ですから、まあだいたいがところこの程度用意していただければ〜(ここ英国執事調)、とおっしゃるので、あっ、用事を思い出しましたので、といって緊急避難いたしましたとさ(完全意味明瞭)。
避難先はSavile Row入り口近くにある
こちらでございますよ〜(やっぱし)!ヘンリープールの80に対して、こちらは5(記事中の金額表示は1GBP=150円程度として円換算しております)!
そいつのセールとくれば、私には現実味を帯びていて非常に美味しいわけですが、UP TO 70%というのにひかれて入店しても、サイズ切れが多かったです。つまりそれだけロンドナーたちが買って行っちゃったわけね。
ちょうどSUITSUPPLY 製スーツを着ていたのでそれを話しますと、お客さん、トクな体型してますね〜、サイズ44で左の袖丈以外はどこも直すところがありやせんぜ。うん、完璧なフィットです。といわれますた。
つまり吊るしのスーツにぴったりのエコ体型だというわけです。
ちなみにSUITSUPPLYのほとんどのモデルの袖は本切羽と呼ばれる手間ひまのかかる仕立てで、お直し不可なのです。そう、あの袖口のボタンホールが本物のやつね。
ううむ、それってホメてるのかっ(爆)。そこのヘンリープールで130万だと言われてビビって逃げてきたところっすよ、と言って笑ったのですが、アチラと比べられてもねえ、と言って苦笑されてしまいますた(爆)。つうかそもそも較べてねえし!
日本にも実店舗進出の機会を窺っているところだが、店舗などなくともスタイルと品質からくるCPの評判だけでそれなりに倉庫の在庫ははけてしまう、とのことでした。まあ、そうでしょうなあ〜、だって、カッコいいもん。
あ、私も去年ロンドンで眺めたときに気に入ったので、ネット通販で入手いたしました。ここ、実は大事でして、実店舗に行った折に良さげなモデルにアタリをつけて試着まではしておいて、生地の質感やフィット感などを記憶しておきます。で、帰国後にネットで買う、と。今や海外ブランドのネットストアでは免税が当たり前ですか
ら、店頭で決済した上でリタックスを受けるのよりも金額上安いのです。持ち帰る手間も省けるし、じつは送料無料なのが多いからね。SUITSUPPLYはもろにこのパターンです。実店舗の役割もこうして変わってゆくのですね。
あと、こちらのスーツは画像のように、遊び着としてのスーツ、のような提案が多数あるので、ポイントが高い。靴の選択もそうですけれど、私の場合は仕事で、というのはほぼゼロ。全て遊び着としてのスーツで良いので、このようなスタイルはドンズバっす。
5分ほど歩いて、こちらにも寄らせていただきました。John Lobb London。1年ぶり。
バイリクエストでお世話になった店員に挨拶しようと考えたのですが、なんとまあ去年末で退職だと!
ちっ、またかよー、てなもんですけれど、困ったもんです。とはおくびに出さずに(爆)、出て着たスーツ姿のおじさんにあいさつして、名前を名乗ったうえで(ここ大事。店員は必ず会話の合間にスキを見て過去の注文履歴調べにディスプレイに走るのです。いうまでもなく客の好みと勧められそうなモデルをチョイスするためで
す)、新作や今後のバイリクエストの話などをいたしましたが、それなりにベンキョーなさっておられるようで、手応えありですが、この店員にしたって、いつまで残ってることやら(まじ)。
このあたり、ヒジョーに物足りないところっす。1足20万の靴を買おう(あ、買わないか)、ってんですから、ねえ。
Hasting(画像後日アップ予定)を考えているのですが、サイズに不安があるのでラスト(木型)1105について、知っていることを400字以内で簡潔に述べよ(うそ)、というと案の定しどろもどろ(いぢわる)。
注文は可能ですが、あいにくと店頭に現物がなくてねえ、ということでした。現物がないのはJohn Lobb Londonには非常に珍しいことですが、外羽根のプレーントゥなんてアーカイブに無数にあるわけで、なにも今更これぢゃなくても、ということになりそうです。
Hastingは、遊びゴコロたっぷりのチカラの抜けた一足。画像はミッドナイトスエードですね。本当にオサレ。趣味靴としてはオサレでよいかな、と思いまして、以前から目をつけておりました。
すでに私のコレクションは完成済み。つまり手持ちの服を見渡して、こんな一足があればよいな、というのがほぼ揃ってしまったということです。ロンドンに来たからといって、買わなきゃ、注文しなきゃ、というのは卒業というわけでございます。
別に急がないので、また相談しますよダンナ。ということになりました。
そう、こうやって特に珍しい注文をしておけば、あとからメールしてもきっと思い出してもらえるはず、という作戦。
それに明日はパリに渡って、St.Germainの店に行くわけだし、こちらはテンチョーにアポを取ってあるので間違いなく詳しいお話が聞けるはず。
さらにHastingの他にもうひとつ、Jodhpurというブーツがあるのですが、それのシリーズ1をラスト7000で製作できないか、というお伺いもしてみました。
これ、分かる人にはわかるんですけど、Jodhpur1は、現ラインではJodhpur2に進化してしまっており、廃盤。画像は、2の方ですね。非常にスマートぉー(ばか)。
2では画像のようにフロントがポーション若干小さめの革パーツ2枚で作られるところが、1では全体の造形はそのままにダイタンにフロントに一枚革を非常にゼータクに使って作られていたのです。
が、1は8695と呼ばれる、ポッテリした「ユーモラスな」木型に乗せられており、スタイリッシュさにかけるのです。以前所有していましたからマチガイない(爆)。それを超絶スマートな木型7000で再制作できないか、というスーパーヲタクオーダーっす。
以前、一度バイヤーさんに尋ねたところ、可能であるというご返事だったのですが、当時の為替レートもあって、あまりの高額にひいてしまったキヲクが蘇ります。
ちなみに木型8695はポールスミスとのコラボの折にでたoxfordのWestbourneというモデルで使われていました。ぽってりとした靴らしい木型。抑揚があって、インパクトが強い一足。靴紐までトータルにきてる特別色のミュージアムカーフが印象に残ります。が、パーツのクオリティがイマイチで、靴総体としてみるとまとまりに
かける印象なのが残念。7000のようなスタイリッシュさはまったくありません。空前絶後のコラボものですから、手元に残したかったのですが、Eワイズだったこともあって、はきこごちに難あり。やむなく売り払ってしまった今となっては懐かしいモデルっす。
案の定、店員はそんなオーダー聞いたことねえわ、といって慌てて電話して確認しておられましたが、おそらくNorthamptonの工場直通電話でしょう。ううむ、ここでオッケー出ちゃったら、さすがに後には引けねえわなあ、とソロバンを弾く私なのでした(とほひめ)。
バイリクエスト祭りでもないし、下手すると30行っちゃうんぢゃないか、支払いどうすんの〜、いや待て、それだったらヘンリープール、などと時差もあって気が遠くなりかけたところで(爆)店員が戻ってきて、めでたく注文却下(ホッとする)。ううむ、残念です(うそ)が仕方がないっす。
ただ、これ工場の誰に訊ねるかでビミョーに返事が違うような気がする。さらに言い出す時期もね。
工場長いるかい〜、といって電話に出たいのを我慢するのに苦労いたしますた(爆)。まあ、いいっす。パリでも訊いてみるし。この先もまだまだチャンスがある気がいたします。
最近の売れ筋はどれですか?と訊けばスニーカーだと(脱力)。ふうん、そんな時代だしそんな空気だねえ、といってこれといった収穫もなく戻ってまいりますた。やめちゃった店員のこともあって、まあ、盛り上がりにはかける訪問でございました。ただしスリル満点でしたけどね〜(爆)。
新リリースの革のポーションを小さくして、割安にした売り出し中のラインも眺めてきましたけれど、こんなのわざわざロンドンで買う意味がないっす(個人的な感想にすぎません)。安けりゃいい、ってんでしたらほかにいくらでも並んでますもん。
一枚革をなるべく多用した結果、はき心地と耐久性に優れ、なおかつ木型の美しさが際立つ、そのあたりがJLの真髄であると感じているところなので、パーツが多くて、ステッチばかりが目立つシリーズにはピクリともきません。
クラシックライン(入門ライン)のシティの例でゆきますと、20年前に10万円を切っていたものが、いまや17万円で売られているわけで、靴一足としては自ずと数売れない超高額レンジに入ってしまっており、ジョンロブとしてもクラシックの下にセカンドラインを設けないと工場の稼働に影響が出る、というところではないでし
ょうか?新デザイナーの起用も、ヒット作には恵まれていないし、そもそも目指すところがなんか違う気がする(これまた個人の感想にすぎません)
本流のラインは完全に完成してしまっていて、例えばフィリップ2をいじるなんてもってのほか。
クラシックなラインのほぼすべてが王道の名作揃いなのが逆に作用しているのです。完成されたイメージは後からはどうやってもいじれないわけで、それが英国ブランド(実質フレンチですが)。私のようなスキモノ向けのバイリクエスト販売だけで成り立つわけもない。
○ロケットジョーンズ売れてるらしいし(爆)。とこんなところが現状ではないでしょうか?
ところで今回の足元は
去年から履いている Saunton君。インディゴスエードにオクトーバーソールというゴム底の組み合わせで、悪天候対策といたしました。
今回もまた、一日に最低でも10kmほどは歩いておりましたけれど、まったく疲れ知らずなのにわたまげます。
10万円越えの超絶スニーカーはそりゃオシャレかもしれませんけれど、どこか金余りのオッさんぽい(オメーもオっさんだろっ!)。こういうゴム靴のコンセプトもありだと思うんすけどねー。ちなみに当然ながら百均で買ったゴム紐に換装してありまして、緩みもしなければキツすぎもしない、という理想の締め付けがつねに得られ
るようにチューンナップしております(爆)。いわれないとわからないでしょ?
海外でもじつは靴の脱ぎ履きってないわけぢゃないんですよねー。ヒースロー空港やユーロスターでも警戒レベルによってはセキュリティチェックで速やかに靴を脱がなければならない場合も多々あって、このゴム紐は非常に便利です。
今回のホテルも、前回と同じBayswater 界隈のアパートメントタイプ。
ご覧のようにフルキッチンにオーブンレンジ、冷蔵庫、アイロン台まで付属しております。食器もフル装備。ワイングラスまであるし。
当然のように無料wifi完備。念のため(爆)FireStickTVも持参しましたけれど(アホか)、一日中放送されているファミリードラマが面白くて(そうです、あの笑い声が入るやつですw)、TVに釘付け。
窓からの眺めもこの通りで、ヒースローに着陸態勢に入った機体が2分ごとに視界に入ります。これだけ集中的に通っておりますと、いかなロンドンのような都会でもあくせくとカンコーしたりせずに、(知った気になって)暮らすように滞在することができます。
Bayswaterは、ハイドパークのすぐ北。お向かいのアパート、と言ってもご覧のような荘厳な建物ですが、その角を左に曲がるとすぐにTUBEの駅がふたつ。バス停まで2分。
その先にショッピングモールを含めた、大小のスーパーマーケットやファーストフードほぼすべて、各国料理レストランほぼ全世界ぶん(爆)が連なっていて、本当に賑やかです。
去年はなかったWaitroseというスーパーの高級版ができており、ハモンセラーノやベルーガのキャビア、プレステージクラスのシャンパン、ワインなどなどもカネさえ払えばいつでも入手可能ですw。
ちなみにどの店舗でも無人レジが常識。
今回も
グルメバーガー(爆)。大したことないサイズに見えますが、全高20cmを超えております。そのままでは顎が外れます。パティは当然ベリーレア。真ん中にオニオンリングが挟んであるのが特徴のTAXIDRIVER(どうして)という名前の名物バーガーです。こいつにreg.friesという呼び名のフライドポテトを添えてもらって、
ちょうど2000円(!)。バーガーのくせに、と一瞬思いましたけれど、これはTakeAway、つまり割安なお持ち帰りのお値段。さらにお店で食べるともうちょっと行きます。ですからこいつと一緒にビールやワインなどを飲んだとして、ざっと3000円コースなわけ。
ううむ、ものすごい物価レベルですね〜。
さて、ニクヤキストを自認する私のことですからして、ステーキも食べておかなければなりますまい、というわけで、評判の店に参上いたしました。
flat ironはロンドンでも評判のステーキ屋。フツーのステーキ屋はロンドンでは高額すぎて敷居が高いのですがここはグルメバーガー屋よりも安い、というので2店舗にそれぞれ違う日に行きました。あ、そんな必要はありませんけど、美味しかったのでリピートしただけです。
店名の由来はこれ、鉄板に乗せられた赤身肉。鉄板はオーブンではなく、ほんのりと温められているだけでほんの2、3分で冷めてしまうような低温です。200g前後のランプ肉はグラスフェッドの柔らかいやつ。火加減はお好みですが、基本柔らかいので、どの加減でも味わい深い。ソースも各種から選べますけれど、
マスタードが辛味の強いイングリッシュタイプでしたので、さらによし。グリーンリーフのサラダが添えられてGBP10はグルメバーガーのスペシャルよりも安いのが助かります。
これら飲食店に食事どきに行ってみますと、店内には大抵バイクライダーがヘルメットをかぶったまま3人から5人は待機しておられます。そう、デリバリーサーヴィス。
日本ではまだピザ屋くらいでしか聞きませんが、ロンドンではどの飲食店でも常識。この高額なメニューにさらにデリバリー代金がプラスされるのですから推して知るべし。
お国柄なのか、スーパーでは無人レジ、がら空きなのに、有人レジ長蛇の列だったのを頻繁に見かけたのですが、カードを持たない主義の人たちなのかな?
今回は、一応去年の訪問の時に残った10ポンド紙幣1枚だけ(大丈夫なのかよ)を持って乗り込んだのですが、パブを含めてどこの店でも現金は一切使わずに済んで、カード払いでした。パリでも事情は同じです。日本のセルフレジが遅れているのは、現金でもカードでも両方可能な非常に高額なタイプを目指すからではないでしょう
か?セルフはクレジットカード専用と割り切れば、イッキに普及が進むとみた。
空港で法外なレートと手数料を払って両替する時代は、目的地にもよりますけれど、終わったと思います。あと、どうしても現金というときには、デビットつきVISAでそこら中にあるCashDrawerから24時間引き出し可能です。手数料知れたもの。デビットだから金利なし。これからお出かけになられる方々、ご参考にどうぞ。
あっ、公衆トイレだけ現金で50pというのがパディントン駅でありましたけれど、持ち合わせがない(爆)からガマンしちゃった、というね(涙)。
後半へつづく〜(ちびまる子調)