さて、私にとりましては、メインの車両入れ替えは10年に一度の大事件。連投ご容赦、というところですが、ここではB子さんのスタイルを研究してみることにいたします。
それこそ10代の頃からビートルの刷り込みが色濃くあったせいでしょうか、手に入れてからは、やはりカンゲキひとしお。ミニのように、ビーエムに売られてドイツのイモが新たに開発、というのではなく、元祖がリバイバルさせた本物、という見方でよいと思うのですが、いかがでしょうか?
クールに分析すれば、アウディのTTに成り立ちが非常に似ているゴルフの被せもの(爆)なわけですが、そのゴルフにしてからが、そもそもはビートルの後継モデルとしての位置づけだったのですから、これはある意味感慨深い。
さらに振り返れば、元祖ビートルにもカルマンギヤと呼ばれた2シータークーペや、タイプ3、4などという「被せもの」が存在していて、それぞれビジネスになっておりました。
ゴルフ4ベースの「ニュービートル」の大ヒットも実はここが大きな要因。製造元のVWが、元祖にリスペクトしつつ、これこそが「あたらしい」ビートルである、といってリリースしたんだから、それはもう、誰がなんといおうと、本物になるわけです。ここが現行ミニとの大きな違い。
ミニの場合は、ビーエムがこれこそがミニだ、といっても本家、ひいては英国人はまったく面白くないはず。ドイツのイモが伝統をカネで買って、好き勝手にいじりやがって、てなもんです(違)。
ビートルはイモのままなわけで(爆)、まあね今回のモデルでは、あのアルファロメヲ156で名を馳せた、ヴァルターダシルヴァさまが、監修したというふれこみですが、それもうなずける仕上がり!
カネのチカラである、ということもできますが、なんというか現代のヨーロッパも感じます。
初代と2代目の「ニュービートル」以下、「ニュー」との共通点はサイドからのウインドウグラフィックの下縁です。
いずれもボディの下縁にたいして水平。
三代目のザビートル、ひいてはB子さんではこのウィンドウグラフィックがいじられていて、強烈なウエッジをともなう
前下がりに変更されています。
一方、初代とニューの違いは、サイドからのウィンドウグラフィックの天地方向の幅とドアとの割合。初代はドアが広く、ウィンドウが小さい。概ね3分の1.75程度と、小さいのが特徴。対して、ニューではかなり大きめなウィンドウとドアとの割合がほぼ1:1.3あたりですが、限りなく1:1に見せたがっている。
同じ比較でザビートルは、じつはここのウィンドウ:ドア面積の比率を、巧妙に初代に習い、結びつけているのです。
じつにここが、肝心なポイントで、ザビートルが元祖を想起させる要因のひとつ(きつぱり)。
あ、もちろんシルヴァさんに訊いてみなければ、わかりませんがね(汗)。
そう、上下の分割の割合だけ守っておいて、そこへウエッジシェイプを持ち込む、という離れ業ですが、この辺りはまさにイタリヤンのセンス。
さらによく見るとわかるのですが、B子さんはロングノーズです。ずんぐりしているようで、基本、スタイリッシュ。
ウィンドウグラフィックのウエッジラインが効いています。
ニュービートルが等分割にこだわって、サイドビューを3つのサークルに整理して、結果リアシートとトランクを捨てたのとは異なり、明らかにクルマとして成り立たせているのもわかる。
さらにフロントマスクに直線をもってきたのが効いた!
バンパー下部に敢えて、エアインレットの機能を持たせた、キョーレツなストレートラインをもってきて、ニュービートルにあった、全面球面デザインをどこかで否定している。これ、善し悪しではないのですが、たしかに新しい、これまでとは、別のものなのだ、というアピールには効いております。
モダナイズ、またはリニューアルとしては、かなりな成功例だと思われます。使い込むにつけ、この辺りはまた違う面が見えてくると思われます。