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トカラ列島の中之島には西側の海岸に沿って2軒の共同浴場が存在しており、外来者も利用することができます。今回はそのうち西区にある西区温泉を取り上げます。港近くの防波堤が海側へ出っ張っているところに湯小屋が建てられており、道路よりも低い海岸と同じレベルに基礎が築かれているため、道路からは階段を下りて浴場へと入ってゆくことになります。
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浴室は地方の古い共同浴場でよく見かける脱衣所との一体型で、入り口の引き戸を開けると、スノコ敷きの脱衣所とともに浴室もいきなり目に入ってきます。
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浴室を湯船側から脱衣スペースを見たところです。
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使用料は定まっていませんので、各自でこの「善意の箱」に寸志を投入することになります。なお1,000円以上寄付した場合は、脱衣所の棚の上に掲示されている寄付者一覧に記名されます(備え付けの封筒にお金を入れ、名前を書いて箱に納める)。きっと今頃(あるいは数か月後)には私の名前も載っていることでしょう。
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四角い建物の四辺のうち、一辺は道路に面していますが、残り三辺は防波堤に囲まれているため、この湯屋ではその防波堤を側壁代わりにしており、防波堤にコンクリアンカーを直接打ち付けて、配管類や水栓などを設置しています。また上部はコンクリ擁壁の上に木材の柱や梁、そしてアクリル波板の屋根を載せただけです。
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こども会によるマナー喚起の注意書きが掲示されていました。子供にとって共同浴場は公衆マナーが学べる貴重な場所ですね。
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湯屋の建屋こそ質素に見えますが、床周りは意外としっかりつくられており、床や腰部、そして湯船はなんとタイル貼りです。浴室の左手には洗い場が設けられており、シャワー付き混合水栓が5基も設置されています。カランからは水はもちろんのこと、湯沸かし器から供給される真湯だってちゃんと出てくるんですよ(このためお湯の配管は保温のためにラッキングされています)。かなり本格的でしょ。なおカランは硫化して黒く変色していますが、機能面は問題ありませんでした。
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この臙脂色した耐熱塩ビのパイプから源泉が投入されています。投入量はそんなに多くないようでしたが、バルブを開ければ増えるのかな? 迂闊に手を触れて湯加減や源泉に悪い影響を与えてはいけないので、この湯口のバルブには触れませんでした。湯口と並んで天井からまっすぐ下りてきている配管は真水のものでして、私の訪問時は熱い湯加減だったことが多かったために、その都度この水で薄めさせていただきました。なお湯使いは当然ながら完全掛け流し。浴槽の海側にある切り欠けから、お湯はしずしずと溢れ出てゆきます。
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湯船は3人ならゆったり、詰めれば5人は入れそうなサイズです。お湯の見た目は基本的に硫黄により白濁しているのですが、日によって濁り具合が異なり、お湯のコンディションによってはほとんど透明になることもありました。実際に左右の画像を比較すると一目瞭然です。
見た目以外の知覚的特徴としては、噴気帯のようなプンと鼻孔を刺激する硫化水素臭、砂消しゴムと卵黄を足して2で割ったような硫黄味+薄塩味+石膏味+苦みといったところでして、味覚面を簡単に表現してしまうとほろ苦いタマゴスープみたいな感じでした。尤も、見た目と同様、匂いも味も、日のよって濃淡が発生していました。ツルスベ浴感を有するトロトロとしたお湯です。本土でこのレベルのお湯が湧いていたら、人気を集めること必至でしょう。
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湯屋の裏手の波打ち際へまわると…
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磯の石の間からプクプクと熱いお湯が湧きだしており、その部分は硫黄で白くなっていました。西区温泉で供給されているお湯もこのお湯と同質でしょう。ただ磯で自噴しているお湯は量が少ないので、野湯はできませんでした。
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湯屋の近くには自販機があるので、湯上りの水分補給にどうぞ。
中之島3号
含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉(硫化水素型) 73.1℃ pH5.9 溶存物質2834.7mg/kg 成分総計2975.2mg/kg
Na+:704.5mg(67.70mval%), Ca++:139mg(15.42mval%),
Cl-:939.8mg(63.24mval%), SO4--:617.1mg(30.65mval%), S2O3--:11.3mg(0.48mval%), HS-:0.7mg(0.05mval%) ,
H2SiO3:102.3mg, CO2:129.6mg, H2S:10.9mg,
鹿児島県鹿児島郡十島村中之島ケブシ72 地図
24時間入浴可能(ただし4~9月は19時頃から、10月~3月は18時半頃から、清掃時間です)
寸志
備品類なし
私の好み:★★★