温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

伊敷温泉 大黒温泉

2012年08月28日 | 鹿児島県

鹿児島中央駅から路線バスに乗って「花野口(けのくち)」バス停で下車します。このバス停はJRバスですと「花野口」と表記しますが、市営バス・鹿児島交通・いわさきバスでは「花の口」とちょっと表記が異なっており、両者は同じ場所にあるにもかかわらず、九州各県の路線バス時刻検索サイト「九州のバス時刻表」では別々の場所として扱われていますから、時刻を調べるときにはちょっと注意が必要です。


 
そのバス停の目に前にあるのが、今回の目的地である温泉銭湯「大黒温泉」です。国道沿いという好立地でして、道路からよく見える屋根の一角には「純天然100% 源泉掛け流し温泉」と書かれた看板が通行者に向かってアピールしていますが、建物自体はちょっと草臥れており、外来者が気軽に入浴できるような雰囲気とはちょっと離れているかもしれません。なお看板には「うどんそば各種定食」とも記されているように、館内ではお食事もできるみたいです。



典型的な昭和の銭湯風情が強く漂っており、男女別の三和土の入口を入り、暖簾を潜ったらすぐに番台です。私の訪問時には番台に誰もいなかったので、カウンターの上にお釣りが無いように小銭を置いて、中に入らせていただきました。


 
いかにも銭湯らしい脱衣室です。床には茣蓙が敷かれており、足元は快適。室内の隅っこにはバスの時刻表が掲示されており、私のような外来者にとっては便利です。


 
画像左(上):脱衣室の棚の上には常連さんのお風呂道具がズラリと置かれていました。地元の方の生活に密着したお風呂であることが窺えます。
画像右(下):入浴に際しての注意書きです。どこの浴場にもこの手の注意書きは貼りだされていますが、そこに書かれている文を書き写すと「浴槽のふちには座らないでください。人のお尻や○○ちんを目の前で見ながら入浴するのは衛生上も気分も良い物ではありません」とあり、一応伏字ながらもストレートに表現されているため、思わず吹き出してしまいました。


 
浴室の中央には、角が面取りされたようなスタイルの長方形の主浴槽が据えられいます。浴槽には仕切りが設けられて二分されていますが、この仕切りが低い上に湯口から噴出されるお湯の勢いも強いため、仕切りを挟んだ両方の浴槽には特に違いはありません。双方とも同じく丁度良い湯加減のお湯が張られていました。

浴槽の奥側に突き出た湯口から源泉がドバドバと凄い勢いで注がれており、浴槽縁の切り欠けのみならず、洗い場側の縁からも惜しげもなくオーバーフローしています。湯使いは完全掛け流しでしょう。お湯は無色澄明で、湯口に置かれたコップを飲んでみると、微かなタマゴや金気の味と匂い、そして仄かなほろ苦さが感じられました。飲むとおいしいお湯なのか、この時にいた先客2人は、各々焼酎用のデカいペットボトルを持参し、お湯を汲んで持ち帰っていました。じっとお湯の中に体を沈めていると薄く気泡が肌に付着し、湯中に含まれる重曹の影響か、ツルスベ感が良好な気持ち良い浴感が得られました。いわゆる美肌の湯の類です。


 
浴室左側には水風呂や低周波浴槽などが低い天井の下に配置されており、逆サイドの右側には洗い場が並んでいます。カランは押しバネ式のものが9基で、おそらくカランから出てくるお湯は源泉でしょう。

昭和風情に包まれながら、ほんのりタマゴ系の硫黄感を帯びた掛け流しの美肌の湯を堪能できるこちらの浴場は、鹿児島市街でも屈指の良泉かと思います。温泉ファンにはおすすめ。


甲突川左岸69号
単純温泉 43.9℃ pH8.3 100L/min(動力揚湯) 溶存物質973.8mg/kg 成分総計977.4mg/kg
Na+:293.4mg(98.00mval%),
Cl-:155.6mg(33.74mval%), HCO3-:424.7mg(53.50mval%),

鹿児島中央駅(または天文館など)から路線バスで「花野口(花の口)」停留所下車、すぐ。
鹿児島県鹿児島市伊敷8-22-20  地図
099-228-5300

6:00~22:00
360円
ロッカーあり、ドライヤー有料(30円/3分)、入浴道具販売あり

私の好み:★★★
コメント
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