温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

飯田温泉

2012年08月03日 | 山形県
 
山形市内に存在する温泉施設のひとつ「飯田温泉」で入浴してきました。この付近には「臥龍温泉」「山形温泉蔵王荘」「天然温泉八百坊」など、佇まいこそ渋いけれどもお湯は良質な施設が点在しており、この地域にお住まいの方が心底羨ましく思ってしまいます。

こちらは住宅街の中に突然現れる鄙びた雰囲気の一軒宿。敷地入口に立っている黄色い看板には自噴という文字が透けて見えますが、いまでも自噴の源泉を使っているのでしょうか。建物の前には観光バスが一台停まっていましたが、こちらは長距離ツアーバスのドライバーが休憩(宿泊)する定宿になっているらしく、他の方のレポートを拝見しても、やはりツアーバスが停まっていたとの記述がみられます。


 
玄関は水を打ったように静まり返っており、「ごめんください」と何度か大き目の声で呼んだところ、ようやく一人の方が現れて対応してくれました。



さすが蕎麦処の山形県、こちらでも手打ちのお蕎麦がいただけるそうでして、入浴前に注文しておけば、お風呂から上がったタイミングで食堂でいただけるみたいです。



玄関の右手には広い食堂が…。あまりに静かだったので誰もいないのかと思っていましたが、この食堂ではバスのドライバーらしき男性が一人で黙々と弁当をつついていました。


 
食堂内で、自販機とともに並ぶネイルアートの機械を発見。今でこそネイルアートはごく当たり前となっていますが、機器の色褪せ具合や画面の古さなどから察するに、この機械は現在の流行の前に製造されたものかと思われます。
所定の場所に指を載せ、画面でデザインを指定しながら塗ってゆく機械のようですが、1回わずか200円であるとはいえ、とてもここに指を突っ込む度胸はありません。


 
食堂脇の廊下を歩いてゆくと右手に浴室の入り口が並んでいます。お風呂は男女別の内湯が一室ずつのみ。戸を開けるといきなり目隠しの衝立が目の前に立ちはだかっており、その様子からも想像できるように脱衣室内はかなりこじんまりとした空間で、一昔前のプールの更衣室のような、水が腐ってカビが生えているような臭いが漂っていましたが、たまたま状態のよろしくない時間に伺ってしまったのかしら…。


 
浴室もまるで民宿のような小規模な造りで、浴槽がひとつと、シャワー付き混合栓が4基設けられています。水栓は室内の左右にシンメトリに2基ずつ配置されており、最近交換されたらしくピカピカの新しいものが設置されていました。
浴槽は石板貼りで3~4人サイズといったところ。簾が垂れ下がった窓の向こうの小さな坪庭では、ツツジの花が咲き乱れていました。



浴槽右端の窓側に取り付けられた湯口からは源泉が絶え間なく供給され、湯船を満たしたお湯は浴槽の両側の縁からしっかりとオーバーフローしてゆきます。その流路となっている床の一部は泉質の影響により、橙色に染まっていました。気泡を多く含む源泉のようでして、湯口から湯船右側の縁にかけて、湯船のお湯は多くの気泡でうっすら白く濁っており、その湯船に浸かってみると肌にもうっすらと気泡が付着しました。全体的にはやや赤みを帯びた貝汁濁りであり、金気の味と匂いがはっきりと、そして芒硝感もしっかりと伝わってきました。更には微かにタマゴ的な味や匂いも感じられます。硫酸塩泉らしい引っかかる浴感を少々有していますが、どちらかといえばツルスベ浴感の方が勝っているようでした。加水加温循環消毒なしの完全掛け流しで、訪問時は若干熱めの湯加減でした。湯船に脚を突っ込むときに、脛にピリっとした感覚が走りましたが、これって熱さのためか或いはこのお湯が硫酸塩泉であるためか? いずれにせよ、施設としては草臥れており、且つこじんまりとしていますが、お湯の質はかなり良好で、熱めのお湯ながらもその浴感の良さゆえ、後を引いて体がお風呂から離れようとせず、しっかり湯船に浸かってすっかり茹ってしまいました。


飯田第二源泉
ナトリウム-硫酸塩温泉 46.0℃ pH7.9 蒸発残留物2122mg/kg 溶存物質2124mg/kg 
Na+:638.2mg,
SO4--:1064mg,

山形駅から蔵王温泉行or山交ビル角(山形駅至近)より上山行(表蔵王口経由)で飯田バス停下車徒歩3~4分
山形県山形市飯田5-12-3  地図
023-623-4758

7:00~20:30
300円
シャンプー類あり、他備品なし、貴重品帳場預かり

私の好み:★★
コメント (4)
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