どういうわけか拙ブログでは、山形県屈指の温泉街である上山温泉を取り上げてきませんでしたので、今回から数回連続して上山温泉の施設をピックアップしてまいります。まず一回目は上山の外湯のひとつ「新丁共同浴場 鶴の湯」です。バス通りからこの浴場へ向かう路地の角には茅葺の古民家が建っており、その壁には浴場の位置を案内する看板が貼りつけてありました。
その古民家の辻向かいには「浴場前」と称するバス停もあります。この浴場とは勿論「新丁共同浴場」のことですね。
さてバス通りから細い路地に入ると、すぐ右手にお目当ての共同浴場が現れました。白い外壁の2階建てで、玄関には「ゆ」と染め抜かれた暖簾が掛かっている他、玄関の左側にはタイルで「ゆ」と描かれており、庇の上には大きなタンクが載せられています。
下足場前に置かれた券売機で料金を支払い、その券を番台のおじちゃんへ手渡します。上山の外湯はどこも共通して入浴料が150円であり、洗髪する人は別途100円を要する点が特徴的です。
館内はいかにも銭湯らしいつくりで、脱衣室内には棚の他に扇風機や団扇が備え付けられており、外湯には欠かせないカレンダーもちゃんと壁に貼り付けられていました。浴室の中央には目が醒めるような鮮やかなコバルトブルーの浴槽が据えられています。四角形の浴槽ですが角がとれて丸くなっているため、色や材質の割には柔らかい印象を受けました。
洗い場の水栓はシャワー付き混合栓が1基のみで、このシャワーを使いたい場合には洗髪料が必要となるわけです。従いまして掛け湯などは湯船から桶で直接お湯を汲むことになります。
浴室の隅っこには舟の櫓のような湯揉み板が立てかけられており、その傍に洗面台、そしてホースが接続された蛇口が設置されています。
肝心のお湯についてですが、白い析出が付着した湯口からかなり熱い源泉が浴槽へ注がれており、源泉のままでは熱くて入れないために、湯口の横で水道の水も一緒に投入されています。使用源泉は1号と2号の混合泉で、見た目は無色澄明、石膏の味と匂い、そして微かな塩味が感じられます。スベスベの中に少々の引っかかりが混在する浴感で、水道を加水しているもののやや熱めの湯加減でした。とはいえ上山の外湯は他施設でも熱いことが多いのですが、他施設と比べたら訪問時のこちらのお風呂は入りやすい湯加減だったと思います(尤も、常連客の加水の匙加減次第なんですが…)。
上山温泉1号源泉・2号源泉
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉 64.9℃ pH7.8 蒸発残留物2499mg/kg
Na+:535.0mg, Ca++:354.0mg,
Cl-:738.4mg, SO4--:791.7mg,
JR奥羽本線(山形新幹線)・かみのやま温泉駅より徒歩15分(1.1km)、または山交バスの山形市役所~表蔵王口~上山の路線で「浴場前」バス停下車すぐ
山形県上山市新丁7-54 地図
上山市観光物産協会ホームページ
6:00~10:00、11:00~22:00(12月~2月は6:30から) 定休日なし
150円
備品類なし
私の好み:★★