文化逍遥。

良質な文化の紹介。

ShadowピックアップSH NFX-AC

2012年04月19日 | ギター
録音作業をしていく上でいつも感じることは、12弦ギターの音がどうもうまく入ってくれない、ということ。
まあ、腕も悪いのだろうが、なんとなくピントが合ってないと言うか、ボヤけた音になってしまう。
そこで、ドイツのメーカー「シャドーShadow」のピエゾ・ピックアップSH NFX-ACを試してみることにした。

Shadow
左側の黒くて細い部分がトランスデューサー。厚みが約1mmあるので、サドルを新たに用意して下側と一弦側をトランスデューサーの厚み分を削った。写真で見てわかるようにボタン型の電池CR2032を入れるプリアンプ付きで、ブリッジに穴を開けなくても装着できる構造になっている。

Epi12pu
エピフォンの12弦ギターに装着したところ。1弦が切れている。
感度の良いPUなのだが、サドルに当たる弦の角度が小さく、トランスデューサー部分にかかる圧力が不足する為か、いまいち出力が出ない。また、トランスデューサー部分が思ったよりもやわらかいので、生音もけっこう変わり、高音が出にくくなった感じだ。しかし、まあ、とりあえずこれで録音してみることにしよう。

というわけで、やってはみたが、やはり1コース(1・2弦)の圧が足らない。やむなくストリング・ガイドをつけた。
Stringguide
かなりな改善がみられ、これならいけそうだ。


たいして売れないCDを作るために、時間と金をかけてここまでやる必要があるのか、と自分でも思う時がある。
ところがである、確信していることだが、こうした作業がかなり仕事に役立っている。
わたしは文系の人間で、工作や電気的知識などあまり持ち合わせていない。
文書等の写真を撮る仕事を長年続けてきたが、当然カメラは電気仕掛けで、その構造的なことまでは理解できない。
が、なんとか支障なく機械を操作して仕事を続けて来られたのは楽器を続けてきたからだと思っている。
楽器のメンテナンスやピックアップの装着など、いろいろやっていく上で得られたものは少なくない。
特に、電気的な知識はほとんどギターに関連して得たものを応用して理解することが多かったのだ。
テスターなどというものも、断線している箇所を探す程度に使うだけだが、それでも使ったことがあるのと無いのとでは随分と違う。

もっとも、失敗して後悔することも多く、道具や部品も捨てないのでたまって増えてゆく。

最近は物をやたらと処分するのがはやっているようだが、少なくとも何かを作ろうとする者はやたらと物を捨てるものではない。
一見して、何の役にもたたないものが、意外と後で利用できることが多いし必要なパーツがいつも手に入るとは限らない。
当然荷物が増える。
寝る場所にも困るようでは仕方ないが、うまく整理して何がどこにあるか分かるようにしておきたいものである。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする