前回につづいて日本映画の名作の話で、今回は小津安二郎。
代表的な小津安二郎監督作品の『東京物語』を最初に観たのは20代の後半頃だったろうか、特に感動したわけでもなく、なぜこの作品が欧米では高く評価されるのか正直理解できなかった。が、今あらためて観直してみると、映像が実に繊細なことに気付いた。
アングルを時に大きく、時に小さく変えて家族の肖像を絶妙に切り取り、映像に変えてゆく。
家族の相克を通して社会の変化や世界観といったものを静かに表現してゆく手法は、腕のいい職人たちが集まって作り上げられたすぐれた作品に接しているような気にさせられる。
1936年から1953年に作られた古い映画作品を集めたものなので、映像にも音にもノイズが多く、見にくく聴きとりにくい個所も多い。それでも、著作権が切れた今では9枚組で2000円ほどで買えるので多くの人に味わってもらいたい作品集だ。
代表的な小津安二郎監督作品の『東京物語』を最初に観たのは20代の後半頃だったろうか、特に感動したわけでもなく、なぜこの作品が欧米では高く評価されるのか正直理解できなかった。が、今あらためて観直してみると、映像が実に繊細なことに気付いた。
アングルを時に大きく、時に小さく変えて家族の肖像を絶妙に切り取り、映像に変えてゆく。
家族の相克を通して社会の変化や世界観といったものを静かに表現してゆく手法は、腕のいい職人たちが集まって作り上げられたすぐれた作品に接しているような気にさせられる。
1936年から1953年に作られた古い映画作品を集めたものなので、映像にも音にもノイズが多く、見にくく聴きとりにくい個所も多い。それでも、著作権が切れた今では9枚組で2000円ほどで買えるので多くの人に味わってもらいたい作品集だ。