文化逍遥。

良質な文化の紹介。

映画『殯の森』2007年日本

2016年07月05日 | 映画
 昨日は、我が家から歩いて10分程の所にある千葉市生涯学習センターの2階ホールで催された無料映画会に行ってきた。
上映されたのは川瀬直美監督・脚本の『殯(もがり)の森』。奈良の田舎にあるグループホームを舞台に、妻を亡くした初老の男しげきと、子どもを亡くした新人ヘルパー真千子の心の葛藤を繊細な映像で表現した2007年の作品。
 ある日、二人が乗っていた車が悪路で脱輪し、二人は森に迷い込んでしまう。真千子はなんとか戻ろうとするが、しげきは森の奥へ奥へと進みいつの間にか「結界」を越え神聖な場所へと入ってゆく・・・。ある意味、「死と再生の物語」と言えるのかもしれない。その意味では『楢山節考』に通じるものがあるようにも感じた。森の中の映像も今村昌平監督作品に近いものがあった。ただ、全体に楽観が過ぎるようにも感じたが、どうだろうか。


 文書情報管理の仕事を引退して1年半ほどが経つ。当初は、映画を見たりして出歩いていると出費がかさんで財布が底をつくのではないかと心配していた。が、平日の割引や昨日のような無料映画会があるので、思いのほかお金はかからない。本は、ほとんど図書館で借りて読んでいるし、CDも図書館にクラシックなどを中心に借りることが出来る。仕事をしている時には、手元に置いておきたいものが多かったが、無ければないで、さほど困らないものだ。
 少ない道具でいいものを作る、そこまでいければ達人と言えるだろう。自分のような凡人には、その境地は遠いなあ。

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