文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2017/8/2、神保町

2017年08月03日 | まち歩き
 最高気温が25度にとどかず初秋を感じされる日だったので、東京まで足を伸ばした。目的は、例によって神保町の岩波ホールで映画を観ることだったが、それについてはページを改めて書くことにする。

 神保町も、行くたびに街が変わる。特に、新刊本を扱う書店が急速に無くなってゆく。あるいは、店が残っていても店内は改装されて雑貨売場や喫茶などのスペースに変っていっている。無くなった、と言えば、やはり昨年11月に閉店した「岩波ブックセンター」がショックの大きいものだった。岩波書店の発行した本を中心に人文関係書の充実した揃えで、ここに来ると欲しいと思うものが多くて困ったものだった。特に岩波の全集本は、全巻予約しなければ買えないものも多かったが、ここでは一冊ずつでも別々に、予約なしで購入出来たのだった。今でも、閉鎖された入口を見ると胸が潰れる思いだ。岩波書店と資本提携していると勝手に思い込んでいたのだが、完全に別資本だったという。経営者が亡くなった事もあるだろうが、岩波書店が援助して店を続けて貰いたかった。もっとも、出版社数が、ピーク時の半数になっているとも言われる現状では仕方ないか。むしろ、古書店の方が頑張っているようだが、こちらもネットで探して買える時代になり苦戦しているようだ。代替わりで閉店していく傾向は止められそうもない。
 行くたびに、街が面白くなくなってゆく、と感じるのは歳のせいばかりでもなさそうだ。


 別れを惜しんで、昔の栞。

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