文化逍遥。

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わたしのレコード棚―ブルース60、Hubert Sumlin

2018年09月01日 | わたしのレコード棚
 ヒューバート・サムリンは、1931年11月16日にミシシッピー州グリーンウッドに生まれ、1954年頃シカゴへ移動したらしい。シカゴでは、ハウリンウルフのギタリストとして活躍。1976年にウルフが亡くなった後はソロとして独立しヴォーカルもとるようになった。亡くなったのは2011年12月ニュージャージーの病院だったという。
 この人は、1998年と2001年に来日しており、1998年の有楽町国際フォーラムでのコンサートをわたしも聴いている。その時は、運良く最前列で聞く事が出来、プレイヤーの表情や指の動きまでしっかりと見ることが出来た。正直言って、サムリンの歌はあまりうまいとは言えないが、ギタープレイはさすがに老練の域に達し、聴いていて安心感があった。さらに、ピアノのヘンリー・グレイの演奏は特筆すべきものだったし、ベースやドラムスのシンコペートする演奏はシカゴで長年プレイしてきたベテランだけが出来るもので、その夜はとても満足した気になったものだ。


 1998年、モントルー・ジャズ・フェスティバル・イン・ジャパン時の案内の切れはし。この時のコンサート最後に、日本のブルースマンたちと共演があり、ギターの小出斉さんやハーモニカの妹尾隆一郎(ウィーピングハープ・セノオ)さんらが加わって盛り上がった。その妹尾さんは昨年12月17日に亡くなっている。日本のブルースハープの第一人者と言われた人だった。わたしは面識はないが、残念であり、淋しくもある。


 ドイツのLRというレーベルから出たCD『Hubert Sumlin - Blues Anytime』。1964年ベルリンで、ベースのウィリー・ディクソン(Willie Dixon)、ピアノのサニーランド・スリム(Sunnyland Slim)、ドラムスのクリフトン・ジェームス(Clifton James)らとの録音12曲。サムリンの、アコースティックギターを使ったギターソロも聴ける。さらに1980年、やはりドイツ国内で、メンバーを換えた録音5曲を加えた全17曲を収録。わたしのお気に入りのCD。


 上のCDのジャケット内の写真。左上がサムリン。その右がベースのウィリー・ディクソン(1915-1992)。左下は、ピアノのサニーランド・スリム(1907-1995)で、その右がドラムスのクリフトン・ジェイムス。いずれも、技にたけたベテラン・ブルースマン。特にディクソンは、長年シカゴブルースのリズムを支え、メロディーメーカーでもあり、その功績は大きい。


 MCAから出たChessのシングルカットされたレコードを編集したハウリン・ウルフのCD『Change My Way』。


 WOLFレーベルからのCDで、1973年、ウルフ晩年のライブ録音。

 やはり、サムリンはハウリン・ウルフの横でギターを弾いた時に冴えが出るように感じる。だみ声のハウリン・ウルフのヴォーカルと相まって、曲の内容の深いところを理解して、タイミング良く間奏やリードを入れてゆく。簡単なようで、これがなかなか出来ない事なのだ。

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