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わたしのレコード棚―ブルース80、Johnie Lewis

2020年01月25日 | わたしのレコード棚
 ほとんど知られていないブルースマンだが、ジョニー・ルイスJohnie Lewisという人がいる。詳しい事跡はわからないが、アラバマ州のモントゴメリーの南あたりの農家の生まれで、当初は農業を手伝っていたが、その後、塗装業などに従事しながら音楽活動をしていたらしい。結婚したのが1933年頃とインタビューで語っているので、そこから考えると生まれたのは1910年あたりだろうか。結婚後、ジョージアなどを経て、シカゴで生活したらしい。

 下のLPでは「Alabama Slide Guitar」という題名になっているが、アメリカ各地をかなり旅したということで、かなり多様な奏法を使っている。また、この人はかなり多作な人で、書き溜めた詩を自分のノート数冊にまとめていた、という。メロディーやギター奏法は伝統的なものを使って、自分の詩を載せて演奏する、というソングスターの一人だった、と言えるだろう。



 ARHOOLIEのLP1055。1970・1971年のシカゴでの録音6曲ずつ、計12曲を収録。内11曲がスライド奏法の曲。A面が1971年の録音だが、1曲目の「Hobo Blues」は「Poor boy long way from home」のメロディーで、ファリー・ルイスの影響を感じさせる。尚、この曲を演奏する姿や、ペンキを塗る仕事をしているところをYouTubeで見ることができる。同じく6曲目は「Sweet home Chicago」の替歌。B面5~6曲目は、テキサスのスタイルでWillie Jhonsonの影響が感じられる。

 余談だが、ジャケット写真を見てわかるてうように、ジョニー・ルイスはボトルネックを左手小指にはめている。ボトルネックをどの指にはめるか、それにも地域性がある。シカゴのブルースマンは、ほとんど小指にはめるが、デルタのブルースマン達は奏法の関係もあり薬指にはめる。テキサスではナイフスライドと言って、適当な太さのナイフや工具などを使う人が多い。それぞれに音質に違いがあり、コピーする上では大切な要素になる。

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