King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

今月のブレンドは『木枯し』です。

2020年11月01日 18時23分39秒 | 珈琲

今日はウニクスにて3×3の大会があり、さすがに一日で今月のブレンドをもとめに

いらっしゃるお客様が多く、留守にするわけにいかずいつも通り営業しました。

しかし、今月も市民リーグは開催される予定でその日、つまり今月の22日は試合に行く間

だけ閉める予定です。まあ午前中だけだと思います。

 

さて、今月のブレンドは冷たい風が吹き、あと今年ももう少しという気がちらちらと浮かぶ

うら寂しい感じの月で、その冷たい風に寄せて『木枯し』です。

清志郎の北風をテーマにしてこの珈琲を飲んでいただくといいかと思います。

 

冷たい風がテーマといってもこの珈琲のテーマは飲んでいただけばわかりますが、

北風のイントロのギターを聞いたときに感じる心に灯る仄かな温もりなのです。

それを出すために実は特別な豆を二つ用意してそれも計算通りの味にするために

長い年月をかけたものなのです。

 

一朝一旦や簡単な思い付きでなく実に長い構想と人生観により作り出された味であることは

毎月毎月この季節のブレンドを楽しみにしていただいている方々により証明されていると思います。

今月も私の思い通りの味に仕上がりました。

 

今の季節の風の臭いとか風に吹かれる心地とか秩父盆地から眺める空とか丸々全姿が見える

北斗七星がみられる金仙寺原とか今月のテーマを思う時次々に浮かぶ風景や臭いや肌に感じる

ものは全て私が毎日10Kの距離をランニングする時に触れるものであり、想起するものはそんな

生活に根差して生まれています。つまりは生活に密接にある珈琲を普段の空気感からこんなものを

飲みたいという実体験に基づいているので毎月欠かさずお買い求めいただいているのだと思います。

 

コロナの影響もあり最近はこの豆の説明を試飲を交えて話すこともなく、それでも密にならず

前もって予約いただいた方には是非とも私の日ごろの思いとか珈琲談義もするのですが、こんな

事も書かなくてよい引きこもり生活が早く開けてくれというのは常に思うところです。

 

そんな説明とか今月のブレンドのテーマとかこんな味ですという説明もあまりできなくなった

今年なのですが、説明してなくても季節のブレンドをといっていただいたり、感想を述べられたリ

と伝わっているなとひりと胸熱くしてこれでまた毎日豆を焼く気力も湧こうという気になり、

一人喜んだり満足して豆を焼くのでした。

 

今月のテーマはひとつには甘みなのですが、珈琲の甘味というのはなかなか理解されていなくて

甘みが特徴というと砂糖のような甘みがあるのかと思われてしまうのです。例えば和菓子なども

しつこい程甘いものがほとんどであり、ようかんなども噛んだ瞬間強い甘みがないといけないと

思われています。ところがちゃんとした和菓子はただ甘いだけでなくその種類もちゃんと理解され

作られているのです。

 

そんな甘みの違いを知らない人にまずは甘いという観念から説明するのは大変な苦労ですが、

珈琲党の方でも珈琲の中の甘味というのにどれだけ理解があるのかというと実はほとんどが

甘いと思ったこともなければ酸味のない珈琲がほしいというばかりなのです。そんなこともあり

当店では試飲というのを非常に重要視してやってきたのです。

 

ところがここのところコロナ禍でそれを封じられているかのような昨今は非常にもどかしいの

ですが、今までやってきて試飲の時に漏らすお客様の一言で海外からのお客様も一言甘いと

いわれたこともあり、やっぱりわかる人には解るのだという手ごたえのようなものを感じて

必要とされ日常のもので欠かせないものだからと提供してきたしずっと毎日やいてきたのも

常連さんの顔を思いその期待に応えよう思ったからです。

 

そんな積み重なるものを込めて熟成した豆を使うことも構想にいれ、この木枯しはずっと

何年も構想し熟成のための年月も珈琲豆を焼く狙いのために費やした日々も籠ったものと

なりました。清志郎の北風を聞きながらぜひ飲んでみてください。


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