King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

砂の惑星デューンの衝撃

2019年09月10日 12時23分31秒 | 映画

もうかなり昔、この映画は悲惨な大ゴケをして世界中から否定的な

評価を受けて忘れ去られた作品の『砂の惑星』です。これは原作の大河小説

的な趣とSF色の強い作品だけに娯楽映画にするのは不可能とされていました。

しかし、巨匠デビットリンチが映像化に成功し当時スティングの起用など話題は

多く成功しないわけがないとみられていました。そもそも色々な才能が集い

映像化しようとして紆余曲折や監督の降板など映画界にはSFものはヒットしないという

定説にもなったブラック的指標となった作品です。

 

ところがどうでしょう今見てみるとすごい感覚が新しく、どこかで見たようなシーンばかり

なのです。つまり色々なその後の作品に影響を与えていてそれらを見てきた人には逆にこれこそ

原点に辿り着いたという感慨を抱かせるのです。例えばスタウォーズというのはSFで宇宙なのに

不思議な術を使うジェダイの騎士が活躍するというミスマッチが当時大ヒットしたわけですが、

侯爵とか男爵がスパイスを求めて星を統治するというまるで大航海時代の物語の様でいて出てくる

水槽の中の実力者や風船服で皮膚病の実力者とか宇宙を旅するためにスパイスがカギを握るという

のも古いのだか新しいのだか解らない衝撃があります。これはひょっとすると大麻とかエクスタシー

などのトリップ感が根底にあるのではと感じる宇宙航行システムで日本語ではよくワープ航法と

訳され定着する空間を歪めて距離を短縮して移動することが出てきますがその原理や方法は実は

あいまいです。ワープが可能になる波動エンジンとかひも理論を利用したかのような印象のひもを

巻き上げた空間短縮とか様々な説明や核融合技術とか新しい素粒子とかせつめいをしてくるものの

そんなのはSF上の事と知れてしまう話ながらそんなウソもワープ航法という名前とともに本当に

あることのように定着しています。

 

しかし、宇宙船内に重力があったり宇宙の基地と星間が画像通信できてしまったりというとんでも

状態のSFは後を絶たないのです。そんな中この砂の惑星では香料で宇宙がたためてしまうという

発想は全く別物でその香料があるのがデューンという星だけというそこを支配するためにあらゆる権力やら

有力者やらが押し寄せ主人公が香料を守るワームの意識に入り込み支配することに成功して宇宙の支配者に

なるというお話です。その時に音を武器にするというのは当時は全く新しい事でなく、日本では

少年ジェットとか特殊音声が武器になる話はたくさんありました。ですからこの拡張機を使い声を武器に

するというのは滑稽であり陳腐とみられたのですが、今見てみるとある思考が武器になるということや

呪文のようにある台詞が致命傷を与えるというのは逆に新しく、何かとレーザーガンなどでの打ち合いが

定番で近代的武器のように使われる現代より進んでいるかのように見られます。

 

そして、最後の戦いはトップ同士の短剣での決闘というのも正統性があるように感じてしまうのです。

これはゲームオブスローンズの影響かもしれません。この主役のカイル・マクラクランはツインピークスで

クーパー捜査官役が大ヒットしてその後もテレビドラマには欠かせない人として君臨します。


私などは彼が出てくるだけで伝説の人で救世主の役だというイメージを持ってしまいます。近代の物語でも

古代の救世主であり、宇宙的能力を発揮してしまう人なのではとイメージ先行するのです。

 

映画のシーンはあの物語の元ネタかと納得をしてしまうし、そうするといまやっては

いけなかったのではとさえ思ってしまいます。あの感動的だった風の谷のナウシカのオームももののけ姫も

千と千尋の神隠しも元々はこういう事だったんだというシーンの連続です。

 

というわけで今の技術で撮り直すことが決定していて今製作が進んでいるといいます。そんなこともあり

NHKで放送したのでしょうけれどなんとなくゲームオブスローンズ的なデューンになって行くのが今から

予想できどんな映画化ももう見てしまったかのようです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 暑い空気に吹かれながら | トップ | 暑さ収まらず »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事