金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」♯42

2022-11-06 21:53:25 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第42話「夢のゆくえ
 
主人公が反撃されてこんなに嬉しいドラマ、
他にある!?
 
実朝は予想外のことを言い出すわ、
反抗期の息子は知恵を付けて
恫喝で押さえ込めなくなってるわ、
丸め込んだと思っていた姉も実朝につくわ。
一応味方であるはずの平六も
北条第一のやり方にチクリと言ってくるし、
味方が時房だけになっちゃった。
わはは!
 
……いや、悲劇になると知っているのだが、
一瞬だけでも反撃してくれて溜飲が下がったよ。
 
 
「鎌倉のため」「息子の代になってからのため」という
小四郎の考えも一面では真実なんだろうけど、
 
・「鎌倉殿を責めているのではない」
 と言いながら息子と同僚を恫喝して、
 結局実朝を責める
 
・「こちらの意向に沿って息子をたしなめないと、
 息子を殺す」
 と実の姉を脅す
 
・事前にちゃんと説明すればすむ話なのに、
 わざと失敗させて実朝の心を折る
 
と、やり方に悪意が満ち満ちてるから、
結局パワハラしてるだけじゃん、って結論になっちゃうんだよ。
 
 
板東に政治のできる人間が少ない、という事情はあるにしても、
「ちゃんと教育すれば防げた悲劇じゃん!?」
なんだよな、頼家も実朝も。
頼家は、このドラマでは比企だけが教育を担当してたから
(梶原や仁田も乳母夫だった説がある)、
ある程度は仕方ないところはあったんだけど、
実朝の場合、ローティーンのうちに鎌倉殿になって
それなりに教育プログラムも組んでいたんだから、
小四郎や広元が
「そうしたら、こういうことが起こって、こうなりますよ」
って説明すれば教育できたことない??
小四郎、ずーっと、ちゃんと説明もしないのに、
「自分の思うとおりに動かないから、
 心をへし折って無気力にさせる」
を繰り返してるんだよ。
 
孫の顔になった泰時、可愛いね!!
彼が父親に対して強く言い返せるようになってきたのと
(小四郎、言い返せなかったもんな)、
現実的な妥協案を出せるようになってきたのが救い。
 
 
【その他いろいろ】
 
・「上皇様の生き霊イベント」、再び発生。
 
・史実ではよぼよぼのじいさんのはずなのに……というツッコミを
 逆手にとってネタにしてきた八田殿。
 最後にこれ以上ない筋肉ムキムキイベント。
 
・平六、脱ぐ必要あった!?!?(2回目)
 
・八田殿、小四郎の頼みで小細工するのかと思ってた。
 そうじゃなくて本当によかったけど、
 「これで引退する!」という退職の記念になるイベントを
 せこい小細工で台無しにされて本当に可哀想。
 
・慈円僧正、似顔絵のときもそうだったけど、
 鼻がチャームポイントなのね。
 
・丹後局と時政パパの再登場は意外。
 りくさん京に行っちゃったのか~。
 磯山さやかをどう使うのか謎だったんだけど、
 「時政パパ、鎌倉追い出されても楽しくやってます☆」
 という演出だったのね。
 
・時政はモテキャラなのに……
 小四郎にも泰時にも、そこは受け継がれなかった模様。
 
・実朝&千世ちゃん、可愛いね……
 ずっと平和で仲良くしていておくれ……(叶わぬ願い)
 
・上皇様サイド、鎌倉を見下してるんだけど、
 実朝を応援して小四郎を押えようとしてるのは本当なので、
 実朝シンパとしては複雑!
 
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290~293:大和和紀『イシュタルの娘~小野於通伝~〈13〉~〈16〉』

2022-11-06 18:27:30 | 22 本の感想
大和和紀『イシュタルの娘~小野於通伝~〈13〉~〈16〉』
★★★★★
 
【Amazonの内容紹介】
 
「うわさにたがわぬおもしろき娘よ」と信長にも愛された
娘・小野於通(おの・おつう)。
於通を知らずして戦国は語れない!! 
大和和紀が初にして待望の戦国ロマンのヒロインに抜擢したのは、
小野於通――!! 
その輝きはあたかも戦国の闇を夜明けに導く明けの明星――
信長に見出され、秀吉に重用され、家康に信頼された才女、小野於通。
その知られざる生涯を大和和紀が描く本格戦国ロマン!!
 
****************************************
 
うお~! ついに最終巻!
生きた時期も重なっているし、主人公が文化人であり、
その死までを描いているという共通点もあって、
『へうげもの』と似た読後感。
テイストは全然違うんだけどね。
本作は東福門院和子の入内後まで扱っていて、
かなり長い時期を描いているため、
余計に「生き抜いた」感がある。
 
お通が最後まで聡明で、相手の非道な行いに対して
たしなめたり抗議したりはするんだけども、
乱世を生きてきた者同士ゆえの理解があるのか、
決して相手の生き様を否定しないところがよい。
 
終盤、お福の出番が増えて、
悪者にされすぎてる感はあるのだけども、
明智光秀に従っていた父を失い、公家のもとに身を寄せ、
不幸な結婚をし、自らの才覚で世を渡っていった……と
お通とお福には共通点が多いのだな。
 
茶々とお江与もそれぞれに欠点と美点があって、
馬鹿にしたり腹を立てたりといった確執はあれど、
憎めない、という姉妹の関係がよかった。
茶々の最後、治長に
「わたくしはまだ美しいか?」
と訊くシーンにも涙……
 
 

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