高橋克彦『時宗 巻の弐 連星』
★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
磐石の執権政治を確立し、幕府の結束を固めた北条時頼。
だが、巨大騎馬国家・蒙古の王クビライが、
海を越えこの国を狙う。
かつてない戦さがはじまろうとしていた。
天変地異続く巷では、法華経を説く日蓮が民の熱狂を呼ぶ。
父の志を受け、真に国をまとめる者となれ。
少年・時宗は若き棟梁として歩み出した。
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藤原道家暗殺と蒙古の脅威、日蓮の登場。
この巻は時頼の死で終了。
有力御家人をあらかた葬り去っても、内ゲバは続く。
執権に短命の者が多いのは、
やっぱり激務なのとストレスがすごいからなのかな。
時宗なんか、蒙古と戦うためだけに生まれてきたのではないかと
思えるような、生涯の短さだもの。
天皇家からその補佐をしていた藤原氏へ、
権力が武士に移っても、将軍から、その補佐をしていた執権へ、
さらにその補佐をしていた御内人へ……と
権力がしばらくするとナンバー2に移っていくの、
なんだか不思議だなあ。
そして、摂家将軍も親王将軍も、成長して自我を持ち始め
邪魔になるとすぐ廃してしまう鎌倉……
まだ十歳で、父親に食ってかかり、
怒ったり泣いたりする時宗、可愛いね……。
兄・時輔を慕い、兄を差し置いて
自分が後継者扱いされていることを気にしているの、
後々のことを思うと傷ましい。
やっぱり系図がほしい!