金木犀、薔薇、白木蓮

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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」♯44

2022-11-20 22:46:46 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第44話「審判の日
 
え~ん、面白すぎて頭がおかしくなりそうだよ~!!
実朝や公暁、仲章がどうなるのかなんてわかっているのに、
史実とされているエピソードとオリジナルのエピソードが絡み合い、
どう展開するのかまったくわからず、息もつかせぬ45分。
・公暁単独犯人説
・三浦義村黒幕説
・北条義時黒幕説
を全部盛ってお出ししてきたうえ、
予告を見る限り、実朝の自主的な働きかけもありそう。
脚本がうますぎる。
 
小四郎「これからは修羅の道だ」
視聴者「今までも十分修羅の道だっただろ!」
といった感じの前回の予告だったけど、なるほどね~~!
今までは、
「鎌倉を守るためには仕方ない」
という体で対処していた小四郎だけど、
実朝が「いずれ御所を西に移す」と言い出したことで、
積極的に実朝を殺す方向に舵を切ったというわけね。
これまでは「仕方なかった」だったのだけど、
「私たちは正しかった、いつだって」
は完全に腹を括ったセリフ。
 
ただ、小四郎は若かったのもあって
義兄の頼朝に深い思い入れがあったのかもしれないが、
根本のところでは頼朝だって京都志向だったよ。
「都では芽が出ない、上皇に利用される」&
「板東武者の利益を守らなければ板東での自分の地位はない」
ということを理解していただけでさ……。
そもそも実朝が上皇に接近したのは
小四郎のパワハラ&いじめが原因だしさ!
 
源仲章、こんなにクローズアップされると思わなかった。
小四郎の中では、
「ムカつくやつ」→「あ、俺の代わりに死んじゃったの? ごめんだけどラッキー」
くらいの処理をされると思っていた。
前回から「これは殺される」というムード盛り盛りだったけど、
ここまで華々しく悪役ぶりを発揮してくれるとは。
実朝は自分の思う方向に動いてくれて、
このままいけば自分が小四郎に代って執権に。
アーンド、小四郎の弱みも握ったし、
相手が暗殺を仕掛けてくることも見抜いて事前に防止、
後は暗殺者の女を吐かせて小四郎を失脚させれば完璧!
……というところまで来て、最後の最後で
自らどんでん返しのスイッチを押してしまうの、
面白すぎだよ。
 
公暁くん、前回から何回も三日坊主を繰り返してて
「これは将軍無理ですわ」だったんだけど、
お母さん・つつじとの語らいのシーンが入ったことで、
「不憫な子……!」
になってしまった。
今まで、「本来なら俺が手に入れるはずだった地位だぞ~!」と
やっかみで動いているアホの子だと思っていたが、
日陰の身として生きなければならなくなったお母さんへの
思いやりもあったのね。
このドラマの世界にいると完全に感覚が麻痺してしまうが、
幼いころに後ろ盾になる父親を亡くすって、
現代以上に心許ないことだからね……。
心優しい実朝くんが頼家の死についての真相を知って
謝り、協力して北条と戦おう!と言うんだけど、
「お前の気持ちはわかる」
「血を流すのは嫌だから、暴力以外の方法でね!」
って恵まれた身の上だからこその無神経さを発揮。
ここで手を取り合ったら何かが変わったかもしれないけれど、
生い立ち故のわかりあえなさで、それが実現しないのも
やるせないのよね~。
 
【その他いろいろ】
 
・おもしろキャラののえさんだけど、
 ちょっと可哀想になってきちゃった。
 序盤のコメディパートで「次、わたし!」って手を挙げるも
 結局一緒にやれないところ、疎外感の演出だったのだろうし、
 小四郎は、妻が自分に不利益をもたらしたのではないかということだけを心配。
 しかも小四郎、妻への態度もパワハラめいてる。
 互いに愛しておらず、興味もない、利害の一致婚だったのは
 当時としては珍しくないと思うが、それならそれで、
 せめて表面上はそれなりの礼儀を尽くしてほしいよ……。
  
・大江どの、目が見えなくなっても、政子推しでも、
 相変わらずだよ~!
 「仲章には死んでもらいましょう」
 「立ち塞がるものは殺す、それが鎌倉の流儀」
 殺人に何の躊躇もない!
 「京では芽が出ないから、鎌倉で」というのは
 仲章も大江殿も同じなのに、身の処し方に差がありすぎる。
 大江どのは自分は手を汚さないし、
 妬まれたり恨みを買ったりしたら殺されることを
 ちゃんと理解してる。
 
・政子と実衣ちゃん、また仲良くやっていて嬉しいけど、
 実衣ちゃんがしつこく「うちの息子は」を言い出すたびに
 暗い気分になる……。
 本人にも鬱屈はたまってたけど、たぶん、時元が殺されるの、
 この実衣ちゃんのアピールが原因だよね……
 
・「三浦は来るな」という泰時の働きかけで、
 平六は実朝&小四郎暗殺から撤退。
 泰時にとって平六は岳父なんだけど、初ちゃんとの結婚後、
 絡みがほとんどないので、岳父―婿のムードが一切なし。
 
・政子と実朝、仲良しの母子で、
 「跡継ぎができないことに一切触れないでいてくれた」
 と実朝は母の理解に感謝していたのに、
 頼家殺害の真相を知った実朝が母を詰り、
 おそらく和解しないまま永遠の別れを迎えるのが
 つらすぎる……。
 子どもを四人全員失っただけでなく、
 息子二人には恨まれ、失望されて別れてるんだよね。
 
コメント (2)
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