先日、またまたBSでジョンウエイン主演の映画『アラスカ魂』(North to Alaska)
を観ました。
1900年のアラスカ、ゴールドラッシュを舞台に繰り広げられた豪快西部劇ですが、
撃ち合いなどは殆どなく、金鉱を巡る男たちの野望と素朴な友情が描かれていまし
た。 1960年制作のアメリカ、コメディ仕立てのアクション映画です。
(ネット画像より)
映画は、1900年アラスカのノームという港町の雑踏から始まります。 シアトル
からの海路の中心だったのでしょう。ぬかるんでいるような地面を大勢の人たちが
忙しそうに行き来している。この街の奥に金鉱があり、主演のサム(ジョン・ウエ
イン)とその相棒ジョージ(シュチュアート・グレンジャー)らが金鉱を掘り当て
たのです。豪勢で賑やかな酒場の場面から物語は始まります。
サムは金を掘るための機械を買いにシアトルに行く際、相棒ジョージがシアトル
に残してきた彼の婚約者を連れてくるように頼まれた。しかし、婚約者は既に他の
男と結婚していたため、サムはカフェで知り合った美女ミシェル(キャプシーヌ)
を代わりに連れて帰って来たが、結局はジョージとはうまく行かず、シアトルに帰
ろうとする彼女もその機会を逃すうち、サムと次第に愛が芽生えて行くというスト
ーリーです。 荒くれ男のサムは、表現がぎこちなくむしろ周りの人たちが二人を
近づけて行くという形で・・。
金鉱を横取りしようとする武力集団との争いや知的な詐欺師への対応などの抗争
を背景に、粗野で野蛮とも思える乱闘の中に、仲間を思う友情が流れている温かさ
が描かれた痛快アクション映画でした。
(ネット画像より)
ゴールドラッシュは、1800年頃から世界のあちらこちらで起こっています。
オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカほかで、中でも1848年頃
のアメリカ、カリフォルニアのゴールドラッシュでは各地からあるいは外国から30
万人もの人が集まったとあります。
特に、1849年に集中していたところから「フォーティーナイナーズ」と呼ばれて
います。 これによってサンフランシスコは一挙に振興都市として発展し、1850年
にはカリフォルニアはアメリカ合衆国31番目の洲に組み入れられたのです。
映画「アラスカ魂」のノームのゴールドラッシュは、1899年から始まったばかりの
ところが描かれているのですね。
ノームの人口は1万人となり、この地域をノーム鉱業地区に指定され、ノームの
海岸に沿って数十マイルにわたって砂浜で金が見つかり、人々の殺到は激しくなり
1900年の春だけで、シアトルやサンフランシスコの港から蒸気船で数千の人々がノ
ームに集まってきたとあります。 この10年間で人口は2万人に達し当時アラスカ
最大の都市であったそうです。 ノーム地区で産出された金の量は360万オンス
(102トン)とありました。
当時のノーム地方
(ネット画像より)
一攫千金を夢見て多くの人が集まり苦難を乗り越えて、無事金鉱を掘り当てた人々
は、小規模な人から大規模に掘り当てた人まで様々だったのでしょうが、そこに人
が集まることで、宿泊、飲食、遊興などにより街ができ、さらには、金鉱やその他
の利権争いなど凄まじい生存競争が繰り広げられていたことでしょう。
日本では、佐渡の金山が有名ですね。佐渡では、平安時代以前から採掘されてい
たそうですが戦国時代、江戸時代と場所を変えて金の採掘が盛んだったそうです。
相川金銀山は16世紀末に開発が始まり17世紀前半に最盛期を迎えたとあり、その
後明治に入ってからも採掘が続けられたそうです。
(ネット画像より)
真夏に冷たいビールなど飲みながら、このようなアクションものを観るのも
スカッとしていいですね。
North to Alaska • Theme Song • Johnny Horton