八王子市散田町在住のスポーツ好き親父の戯言!

八王子市の学童野球チーム散田ドラゴンズ元管理人(2007年3月~2016年2月)のブログです。

好きな野球選手 その3

2007年02月14日 13時52分49秒 | プロ野球・高校野球

次にあげるのは、こどもの頃に憧れた選手ではなく、大人になってから好きになった選手です。こどもの頃にとても年上に見えた甲子園球児が、いつの間にか年下になっていることに気づいた時の奇妙な感じは今でも憶えていますが、松井秀喜選手はそれよりはるか後に出てきた選手です。私より十歳くらい年下ですが、彼が高校生の時に既に「大人だなあ!」と感心したものです。

甲子園であまりの強打を恐れられて、五打席連続で敬遠され、一度もバットを振ることなく敗れ去ったことはあまりに有名ですが、本当にすごいのはその強打ではなく、松井選手の精神力だと思います。18歳ですから、内心は怒りや悔しさなどいろいろな感情があったと思いますが、それを表に出さずにいられたのは、この頃すでに彼の信念である「自分でコントロール出来ることに集中する」という心構えが形成されつつあったからでしょう。

もちろん、私が松井選手を好きなのは、彼の人間性だけではなく、日本人離れしたものすごい打撃にもあります。日本のホームランバッターは、王選手をはじめ、田淵・掛布・門田・落合・清原など、ボールをバットにうまく「乗せて」遠くまで飛ばすバッターが多いように思いますが、松井選手の場合、ボールを真芯で捉えてパワーでスタンド上段まで飛ばしているような打球に度肝を抜かれたのでした(もちろん、本当はもっと高度な技術の裏づけがあるのでしょうが)。松井選手は新人の頃、清原選手のように30本以上のホームランを打つ華々しい成績はあげていませんが、その打球のすごさは間違いなく清原以上の迫力がありました。

そして、一年ごとに力を蓄え、数年後にはイチローと並び日本を代表する選手となり、イチローに続いてメジャーに渡り、成功していることは皆さんご承知の通りです。そういう意味では、イチローと比較されることも多いわけですが、この二人はプレースタイルだけではなく、人間的な面でも対照的だと思います。イチローがチチローと二人三脚でこどもの頃から野球一筋で野球の技術だけを究めようとし、アメリカに渡るときも年上の奥さんと一緒だったのも、野球以外のことに煩わされたくないと思ったからではないでしょうか。いい悪いではなく、イチローは野球を離れたら、きっと子どものような性格なのではないかと私は思っています。マスコミ相手の無愛想な対応もそうしたところからくるのでしょう。それに対し、松井選手ももちろん人一倍の努力家でしょうが、野球しか目に入らないという感じには見えません。アメリカにも単身で渡り、アメリカでもっとも厳しいファンとマスコミがいるNYで成功しているのも、先程述べた「自分のコントロール出来ることに集中する」という信念があるからでしょう。こうしたところが、「大人だなあ」と私が尊敬するところです。イチローが野球という道を究めようとする職人とすれば、松井は自分の生き方の一部に野球があるという感じではないでしょうか。「炎のランナー」という二人のスプリンターを描いた映画がありますが、誰よりも早く走ることで人種的偏見を屈服させようと走るハロルド・エイブラハムと神への信仰という生き方の一つとして走るエリック・リデルの二人にどことなく似ています。もちろん、まったくタイプの違う二人ですが、それぞれに素晴らしい選手であり、好きな選手です。

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