舛添東京都知事の政治資金流用疑惑問題が佳境を迎えています。今日と20日の総務委員会での追及を挟んで、都議会は閉会するため、今回の都議会中に知事を辞任に追い込むのは無理かと見られていましたが、世論の厳しい声は燎原の火のごとく広がり、静まることなく、辞任までは求めていなかった与党の自民党・公明党もそれを無視できなくなってきています。
舛添知事は品性は下劣ですが、悪知恵だけはよく働く男です。
当初、ファーストクラスや公用車問題が発覚した時は、自信満々に都知事はどこでも仕事をしなければならないので当然と発言していました。確かにちょっとした国の国家予算並みの財政規模の東京都知事の権限は絶大で、その仕事量も大変なことは理解できます。
しかし、問題はこれだけにとどまりませんでした。過去のさまざまな政治資金の私的流用疑惑が次々に明らかになり、追及されると、今度は「第三者機関の厳正なる調査をお願いしたい」一点張りで、自分で答えられるはずのことですら、一切答えないという戦法に出ました。姑息ですが、悪知恵の働く男です。
そして、出てきた(舛添知事が雇った)「第三者」の弁護士2人の調査結果は、想定された通りのものでした。まったく厳正ではなく、雇い人に寄り添った調査とも言えないレベルのもので、すべての疑惑が(適切ではないものもあるが)「違法ではない」というものでした。政治資金規正法が元々「ざる法」で、何に使おうが違法でないことは分かっていることで、国民・都民が聞きたかったのは、そんなことではなく、国民の一般常識(Common Sence)に照らしてどうかということでした。しかし、そんなことは一向にお構いなく、抜け抜けと「この『厳しい』調査結果を受け、反省すべきは反省し、これからしっかり仕事をしていく」と述べて、幕引きを図ろうとしました。
本当に厚顔無恥の悪知恵の働く男で、与党の思惑も計算し、これで逃げ切れると思っていたのでしょうし、ある程度、そうした流れになりそうでしたが、この男にとって誤算だったのは、国民の怒りがそれ以上だったことです。
冒頭述べたように、本当は都知事選までしたくない与党・自民公明ですら、舛添知事を追及しなければ、自分たちに火の粉が飛んできかねない事態になり、状況が変わってきたのだと思います。
これほど都民・国民の怒りが大きいのは何故か。これまでも政治家の収賄事件や不祥事などもありましたが、容認はできないものの、政治にかかっている金を賄おうとするケースが多かったのに対し、舛添知事の場合は、政治資金で自分の生活を賄っていたという疑惑で、あまりに品位・品格がなさすぎるからだと思います。
まだ疑惑とはいえ、家族と正月に泊まったホテルを会議と称していること、クレヨンしんちゃんやミステリー小説の購入、回転寿司などの飲食費、趣味である美術品の購入、チャイナ服の購入などなど、普通の家庭の家計簿のような内容で、こうした私的な生活費・嗜好品に政治資金を充てるとは、あまりに品位・品格がなさすぎです。情けなくなります。
こうしたことを都民・国民は怒っているにもかかわらず、まったく悪びれることなく、「真摯に反省して」とか、「生まれ変わったつもりで」とか、「死ぬ気で都民のために働く」とか言っていることがまた、怒りに火を注ぎます。
67歳の大の大人が、子どもでも分かるような非常識なことを真摯に反省すること自体が非常識ですし、67歳の大の大人が今更生まれ変われるものなのかと思いますし、67歳の大の大人が今頃死ぬ気になる前にもっとやるべきことをやっておいてくれと思います。
そもそも真摯に反省しているように見えない慇懃無礼な態度にも腹が立ちますが、百歩譲って仮に本当に反省したとしても、そもそもこんなことしている人ダメでしょ、とその人間性にレッドカードを出されているのだと思います。面の皮がよほど厚いと見えて、なかなかそこに気づいていないようですが、そろそろ都民・国民の真意に気づいてほしいと思いますね。
今日の総務委員会、どうなりますか。
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