早いもので、東京オリンピックも既に最終局面となっています。日本選手の活躍は目覚ましく、金メダルも、総メダル数も過去最多となっています。序盤で勢いを与えた柔道、13年越しで連覇したソフトボール、中国を破って初の金に輝いた卓球混合ダブルス、過去最強と言われたサッカー、予選落ちした内村抜きで臨んだ体操、決勝進出を果たした野球などなど、時間のある時は、私もいつものようにテレビ観戦をし、選手たちの活躍に一喜一憂しました。
しかし、いつもと同じようには、入り込めていない自分がいます。それはもちろん選手のせいではありません。一つには、この前に書いたようにこのオリンピックが始まる前にいろいろありすぎ、しかも、選手ではないダメな大人たちのくだらない思惑が透けて見えすぎて、純粋なスポーツの祭典として見られないということがあります。
もう一つは、コロナ禍がいろんな影響を及ぼしていることです。無観客についても、国内外の選手からもいろんな意見が出ました。それは観客がいた方が良いに決まっていますし、他のスポーツの試合を有観客でやっている中、無観客は違和感があります。しかし、それもこれも、それまでの場当たり的なコロナ対策をしてきた為政者たちの責任です。人流の抑制が必要と言って映画館や百貨店に休業要請をしておいて、オリンピックは別だなどとは誰も思えません。本当にアスリートや国民のためを思って、オリンピックを有観客でやりたかったら、もっとエビデンスベースでやれることがあったはずです。結局、自分たちの保身のためにオリンピックを開催したかっただけだということが透けてしまっていました。
もう一つは、本来平和の祭典であるはずのオリンピックがむしろ対立や争いを助長しているように見えることです。そして、これもコロナが影響している面もあるかもしれません。本来、観客も試合の一部をなし、チーム対チーム、選手対選手の一対一の関係ではない空間を作り出しますが、観客がいないことによって、一対一の対立を先鋭化させてしまうのかもしれません。また、コロナ禍によるストレスは、人の心の許容度を下げてしまっているのかもしれません。今大会では、アスリートへのSNSでの誹謗中傷、韓国放送局の不適切コメント、選手のマナー違反などが目立ったように思います。残念なことです。
そして、とどめが河村名古屋市長です。直接オリンピックとは関係ないですが、東京オリンピックを巡るゴタゴタと同根の問題のような気がします。既に報道されている通り、非常識極まりなく、デリカシーのかけらもない行為です。当然のごとく、批難ごうごうとなり、謝罪のコメントを出し、今日謝罪会見もしました。しかし、そのいずれも、心から謝罪しているようにはまったく見えず、今もって何が悪かったか分かってないようです。この感受性のなさ、想像力の欠如がこの人の本質なのだと思いました。どちらかというと、改革派的な政治家として訴求していたと思いますが、実態は東京オリンピックをダメにした人たちとまったく変わることがないと思います。
そんなこんなで、なかなか心から楽しめない東京オリンピックですが、全力で戦う全世界のアスリートたちに拍手を送りたいと思います。
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