だいぶ前に野球以外で一番好きなスポーツは何かと言えば、ラグビーだと書きました(「野球とラグビー」)。昨年のラグビーW杯の大活躍で俄かファンも増えたと思いますが、体育で高校1年からラグビーをやっているので、俄かファンよりは多少ラグビーに精通している自負はあります。
それでも、ラグビーのルールは難しく、また、ルールは分かっていても、何故なのかは分からないことも多々ありました。そんな時にこの本を見かけたので、早速買って読みました。著者は、自身も選手としてラグビーをプレーし、今はレフリーを務めているそうです。「ラグビーをひもとく」というだけあって、ラグビーの歴史から、何故なのかということがよく分かりました。
ラグビーは、エリス少年がフットボールの試合中にボールを持って走り出したことに始まるというのは、有名な話ですが、この「フットボール」が曲者で、大きな誤解をされているそうです。ここでいうフットボールは、今のサッカーではなく、サッカーやラグビーのルーツである祭として行われていたフットボールのことなんだそうです。この祭としてのフットボールから、手を使わないサッカーと、手を使いタックルも行うラグビーに分かれたのだそうです。
レフリーの世界には、「ルールよりゲーム」という言葉があるそうで、ルールだからと厳格にジャッジするのではなく、ゲームの流れを大事にするのがラグビーの本質とのことです。それを表わすのが、ラグビー憲章の次の言葉です。
「競技規則はプレーをする上で楽しく、見る上でおもしろいゲームのための枠組みを提供する」
「この適切なバランスを達成するために、競技規則は常に見直されている」
この目的のためにルールがあるのであり、ルールが目的化するのは、ラグビーの本質ではないということです。いかにプレーを継続させて、面白いゲームを作り出せるかがレフリーの役割であり、そのためにルールもどんどん変わってきています。
確かに、私がラグビーを知った頃は、トライは4点でしたが今では5点です。そして、ラインアウトでのリフティング(キャッチャーを持ち上げること)も昔は反則でした。その他にも、さまざまなルールが規制としてではなく、プレーを安全に、かつ継続させて面白くするために考えられているということがよく分かりました。
ストライク・ボール、アウト・セーフを判定する野球の審判とは、だいぶ役割が違いますが、学童野球の場合は、時にラグビーのレフリーのようなジャッジをすることが必要な場面もあるような気がします。
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