八王子市散田町在住のスポーツ好き親父の戯言!

八王子市の学童野球チーム散田ドラゴンズ元管理人(2007年3月~2016年2月)のブログです。

ギリギリの戦い!「神の左」不発と「ルーティン」。

2015年09月22日 22時23分39秒 | スポーツ

「神の左」不発

WBCバンタム級チャンピオン山中慎介が、9度目の防衛をかけて、最強の挑戦者モレノ(パナマ)と対戦しました。挑戦者と言っても、山中よりも早くチャンピオンになり、WBAで12度の防衛を果たした実力者で、実質的な統一戦と言ってもいいくらいです。

 

山中が「神の左」と称される攻撃力を売り物にしているのに対し、モレノが12度の防衛を果たした原動力は、パンチをギリギリで見切ってかわす防御にあるそうで、ダウンを喫したことがないそうです。こうした対照的な二人の戦いの場合、だいたい「防御」の方に有利に働くことが多く、嫌な予感がします。

 

すると、その予感通り、序盤からなかなか優劣がつかない展開です。手数でモレノ、有効打で山中という印象を受けましたが、4回までのジャッジでは、2人が山中、1人がドローという判定でした。しかし、その後も山中の攻めを封じられる一方、モレノは時折ジャブを山中に当てて有効打を稼いだのか、8回までのジャッジでは、1人がモレノ、2人がドローと、山中は逆転を許しました。

 

それまで、山中はなかなか左が当らないものの焦る感じに見えませんでしたが、リードを許した9回は、少し前がかりに攻めに行ったように見えました。そこを突かれて、カウンターを食らい、ぐらつきました。ここがチャンスと攻めにかかるモレノからクリンチで逃れたりして、これまで見たことのない姿で何とかしのいだラウンドでした。この回も明らかに失い、しかもかなりダメージを受けているように見え、精神的にもここから持ち直すのは難しいのではないかと見えました。

 

「神の左」が不発のまま敗れるのを見るのは忍びなく、チャンネルを変えようかとも思いましたが、思いとどまり、そのまま見守ると、10回には逆に山中のパンチが当り、ダウンを喫したことがないモレノがグロッキーとなりました。時間はまだあり、山中は仕留めようと追いかけますが、そこは老獪な防御を誇るモレノだけに、クリンチなどの時間かせぎで辛うじて逃げ切りました。しかし、このラウンドは9回の劣勢を挽回して余りあるものでした。

 

11回、12回は両者ともかなり疲れて、「ロッキー」のように両者もつれ合って倒れてしまいそうな感じでした。本当に拮抗する者同士のギリギリの戦いという感じでした。その中でも、ひいき目もあるでしょうが、チャンピオン山中が攻め、モレノはカウンターを出しつつ守っているような印象を受けました。それが、ジャッジにはどう見えているのか。

 

結局、両者とも倒れず、12ラウンドを終了し、判定にもつれ込みました。モレノ陣営は、ゴングと同時に、モレノを肩車しましたが、結果は、2人が山中、1人がモレノと判定し、僅差で山中が9度目の防衛を達成しました。山中自身、決して満足できる勝ち方ではなかったでしょうが、最強の挑戦者を迎え、ギリギリの戦いをした証でもあります。プロである解説者がどちらのラウンドにするか悩むくらいですから、本当にどっちに転んでもおかしくない勝負だったのでしょう。

 

しかし、何はともあれ、勝利を手にしたのです。今日の戦いを糧にして、同じような相手にどのように戦うか、しっかり次につなげてほしいですね。

 

 

ルーティン

全然話は変わりますが、先日、優勝候補南アフリカを破り、世界を驚かせたラグビー日本代表は、いまだに話題になっています。名将エディー・ジョーンズ、高校から来日し日本に帰化した主将リーチ・マイケル、南アフリカ代表の可能性もあった松島幸太朗などが挙がりますが、もっとも話題になっているのは、FBの五郎丸歩ですね。今日もニュースで特集していましたし、ドキュメンタリーもやっていました。

 

彼のことは学生時代から知っていますが、その当時は大型FBとしてのパワフルなプレーが話題で、キッカーとして有名だったわけではありません。しかし、今では、日本が世界で戦う上で非常に重要な役割となっているキッカーとして知られるようになっています。

 

現に、先日の南アフリカ戦では、34点中24点を一人であげ、そのうち19点がペナルティキックやコンバージョンキックでした。そのキックで一躍有名になったのが、その「ルーティン」です。ルーティンとは、決まりきった仕事、日々の仕事などのことですが、スポーツの場合、試合などの際の決まった行動などのことを指します。有名なのは、イチローが打席に向かう前に屈伸をして、打席では肩をつまんだ後、バットを投手に向ける動作をすることですね。

 

こうした「ルーティン」はただのゲン担ぎや癖ではなく、いつもと同じことを繰り返すことにより、周りの状況に左右されず、集中力を高める効果があると言われています。私も大学ラグビーは見ますが、社会人までは見ていないので、五郎丸がこのようなルーティンをしているとは知りませんでしたが、このルーティンを磨くことで、世界屈指のキッカーとなったそうです。

 

後ろに三歩、左に二歩、右手でボールを押し出すイメージをして、両手を合わせ身体の中心に力を集中するイメージを持ち、8歩で蹴り出す。このルーティンで、平均的には70%くらいのキックの成功率を85%を目標として、W杯に臨んだそうです。しかし、ギリギリのところで戦うトップ選手は、そんな簡単にいくはずもなく、彼ほどのキャリアと能力を持った選手をもってしても、W杯の直前には、極度の緊張に襲われていたそうで、それを周囲にも伝えたといいます。逆に言うと、長い合宿を重ね、そういうことを言える関係だったからこそ、そうしたプレッシャーをなんとかなだめることができたのかもしれませんね。それが、あの世界が「奇跡」と呼び、五郎丸選手が「ラグビーに奇跡はない」と言った、あの勝利につながったのかもしれません。

 

トップの選手たちは、本当にギリギリの戦いをしていますね。単なるファンである私たちは色々言いますが、トップレベルで戦った人にしか分からない世界が、そこにはあるのだと思います。そこでしか見えない景色とはどんなものでしょうか。私たちには想像すらつきませんが、いつかそんな境地に少しでも近づいてみたいですね

 

 


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