イチロー選手が日米通算で4,257安打とし、ピート・ローズ氏のメジャー記録4,256安打を抜きました。だいぶ前から話題になっていましたが、イチローらしく足踏みすことなく一気に抜き去りました。
日本で1,278安打、メジャーで2,979安打ですから、当然メジャー記録ではありません。メジャー記録ではないということは、アメリカ的には世界記録ではないということです。王さんの868本塁打が世界記録と認められないのと同じです。それは、王さんもイチロー選手も理解も納得もしていると思います。
しかし、今日のイチロー選手の記者会見は、複雑な心境が垣間見えました。
それは、一方の当事者であるピート・ローズ氏が盛んに自分の記録はメジャー記録であり、イチロー選手の記録と比べるものではないということを主張していたことと関係があると思います。このこと自体は、イチロー選手も異論はないと思います。イチロー選手が複雑だったのは、ローズ氏が、日本のプロ野球はメジャーよりレベルが低いために、自分の記録が上だと主張したいたことにあるのではないかと思います。ここにイチロー選手の実力への敬意はありません。
イチロー選手を野球選手としてリスペクトしていれば、メジャーで3,000本近くのヒットを重ねてきた選手が放った日本での1,278本にも、プロ野球のレベルとは関係ない価値があると認めたと思います。しかし、ローズ氏がそうした側面を見ず、イチロー選手自身を見てくれていないことが寂しかったのではないかと思います。
国やリーグが違えば、当然同じように記録は比べられませんし、同じメジャーリーグでも、イチロー選手が約80年前のシスtラーの年間安打記録を破ったとしても、これだけ時代が違うと単純比較はできません。しかし、同じ選手だったのであれば、今そこにいる選手のプレーを見れば、単純に感嘆し敬意を表するもの。それがスポーツマンなんだとイチロー選手は口にこそ出しませんでしたが、思っていたのではないでしょうか。
イチロー選手は、50歳まで現役を続けると言っていますが、さすがに最近年間フル出場できないように、かなりハードルが高い目標です。ということは、さすがに、イチロー選手自身が、メジャー記録としてローズ氏の記録を抜くことはほとんど不可能だということはイチロー選手は分かっているでしょう。しかし、たらればはないものの、もし最初からメジャーにいればローズ氏の記録も破れたとも思っていると思います。
そんな思いが、「メジャーでローズ氏の記録を破る選手が出てきてほしい。もっと見たいのは、日本でローズ氏の記録を破ること。そちらの方が難しいと思う」という言葉になったのではないかと思います。
比較は出来ないものの、一つの目安として、イチロー選手の4,257本はすごい記録ですし、私自身はイチロー選手ならメジャーのみで同じ記録も作れたと思います。自身で言っているように、これは一つの通過点として、次はメジャー3,000本の金字塔に向かって加速してほしいですね。
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