鎌倉市大町に身延山久遠寺、池上本門寺と並び日蓮宗最古級寺院のひとつ霊蹟本山「比企谷妙本寺」はある。創建は文応元年(1260)、開山は日蓮上人、開基は比企大学三郎能本、本尊は十世界曼荼羅である。当地は「比企の乱」で滅びた比企一族の屋敷跡である。祖師堂前の右側に比企一族の墓もある。鎌倉駅より若宮大通りを左折、「本覚寺」の先に当寺の頑健な「総門」が構えられている。「方丈門」を抜け苔むした石段を上ると「寺家所」・「書院」、そして風格ある重厚な「本堂」がある。本堂下のなだらかな坂の参道を上がっていくと左側に弁柄塗りの「二天門」、門を抜けると正面に宗祖日蓮と日朗、日輪を祀った鎌倉最大級の木造仏堂建築の堂々たる「祖師堂」が構えられている。この総門と二天門の「二門」、本堂と祖師堂の「二堂」は日蓮宗の典型的な伽藍であり格式の高さが窺える。祖師堂の左手には「日蓮聖人像」と釈迦如来立像が安置されている「霊宝殿」がある。方丈門左の小高い丘には「蛇苦止堂」がある。広大な山内、寺域は美しい紅葉と歴史の重みが伝わってくる建ち並ぶ伽藍が見事に融合している。新婚さんが2組が「二天門」と「祖師堂」の紅葉をバックに記念撮影中であった。これも一期一会?(1912)
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