藤沢市本町に浄土宗寺院「鳳谷山永勝寺」はある。創建は元禄4年(1691)、本尊は阿弥陀如来である。当初鎌倉に開山したようだが真海が慶長年間(1596~1615)に現在地に移転、中興した。旧東海道のJAさがみ藤沢支店の脇道を入って行くと「薬医門」が構えられている。門を抜けると緑豊かな境内の右に「鐘楼」、正面に入り母屋造りの「本堂」、その横には「太子堂」がある。境内左側一角に江戸時代の飯盛旅籠「小松屋」に抱えられていた「飯盛女の墓」が39基がある。この女性たちの殆どが小松屋初代源蔵の出身地である伊豆国小松村の出であり、貧しい農村などから身売りされてきた女たちである。宿場の旅籠にいた非公式の遊女同然で働いていたようである。なぜか女たちの切なさ、悲哀が伝わってくる寺域であった。(2109)
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