伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

次の会議までに読んでおくように! モダンミーティング7つの原則

2013-05-07 20:58:14 | 実用書・ビジネス書
 やる必要のない会議をなくし、必要な会議は意思決定に関わることが本当に必要な少数者だけで事前準備を周到に行った上で素早く進行すべきということを論ずる本。
 この本の姿勢では、会議とは、ある問題について対立(反対意見)を明らかにしてそのことについて議論をした上で柔軟にその場で決定を行い、決定後は全員がその決定に従って協調し役割分担を定めた実現のための行動計画を作成するためにある、それ以外には会議は必要がない(会議とは別に、ありうるアイディアを出すためのブレインストーミングは必要)ということになります。基本的に、決定は、責任者が一人の責任で行い、会議はその責任者の意思決定のために反対意見の存在を明らかにし考慮事項を確認することと、その決定を関係者に納得させて実行のためのプラン作りをするためにあるということを前提にしています。つまり、決定はあくまでも役職者が一人で行う、会議体が決定を行うのではなく、責任者が「会議の場で」決定する、あるいは事前に決定して会議の場でそれを知らしめるという位置づけです。
 物議をかもすと予想できるときはメンバーと(会議の場ではなく)事前に個別に話し合って了承を取りつけておく(根回しですね)、終了時刻は必ず守る=締切があることで決断して前に進むことができる、時間をかけると取るに足りないことが蒸し返され疑問が多く出て来て決定できなくなる、その場での思いつきの受け答えを許さない、準備なしに参加した人は会議から外すなどが論じられています。
 トップダウンの効率第一の組織の場合、こういう考え方が成り立つかなという気がしますが、会議についての位置づけが違うと基本線で無理がありそう。
 「過去において、素晴らしい製品がコンセンサスから生み出されたためしはありません」「コンセンサスを重視することは、イノベーションを損なうことであることを忘れないようにするべきです」(190ページ)という指摘は、なるほどと思うのですが。


原題:Read This Before Our Next Meeting
アル・ピタンパリ 訳:阿部川久広
すばる舎 2013年2月20日発行 (原書は2011年)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする