伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

税理士も知っておきたい実例から学ぶ同族会社法務トラブル解決集

2022-05-13 21:39:54 | 実用書・ビジネス書
 中小企業、同族会社での紛争に関して、参考になりそうな判例について、事例と裁判所の判断を紹介してコメントした本。
 ふだん、個人の依頼者からだけ受任し、会社の経営者間の覇権争いとかは相談も受けない私には、自分ではなかなか調べてもみない領域の判例を読めて勉強になりました。
 必ずしも、中小企業・同族企業の事案でなく、この判決の趣旨を中小企業法務でどう活かすべきなのかはよくわからないものも見られますが、それは連載を続ける中でのネタ切れという側面があるのでしょう。
 デパートのビル内のテナントのペットショップの行為についてデパートが名板貸し(デパートの一部であるかのような営業を許していた)責任を負うかについての判決(最高裁平成7年11月30日第一小法廷判決)の判断を整理して紹介する表(131ページ)の記載は、何か別の判決と取り違えているものでまったくの誤り(誤記)です。
 タイトルは、月刊「税理」の連載記事を出版したという事情によるのでしょうけれども、税理士は、税理士だけを読者(購入客)と考えた出版ができる規模(日本税理士連合会のサイトの記載によれば2022年3月末現在全国で7万9887人)なんだと再認識しました。


松嶋隆弘 ぎょうせい 2021年4月30日発行
月刊「税理」連載
コメント
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