芸術新潮の2009年2月号「国立西洋美術館のすべて」をめくっていたら、ジョアン・ミロの「絵画」(1953)が目に入った。大きな複製でとてもいい発色である。そして「私の好きな西美の1点-ミロを買った日」という大岡信のエッセイが掲載されていた。
この記事によると1963年10月から11月にかけて、32歳の大岡信氏が山村徳太郎氏とパリを訪れこの作品を購入し、山村コレクションに加えられたと記載がされている。
私が好きなこのジョアン。・ミロの作品が、私が惹かれることの多い大岡信氏の助言により山村コレクションに加えられ、結果として西洋美術館の所蔵となったと聞いてびっくりした。このエッセイには購入に至るパリへ出向いた想い出で終わっており、作品そのものについての大岡氏なりの鑑賞は書かれていないのは残念であるが、そこには「帰国後一年ほどして出した最初の美術論集『眼・ことば・ヨーロッパ 明日の芸術』の中で、断片的にだが、今でも自分でなつかしく思うたくさんの小エッセイを書いた」と記している。
こんど図書館で探してみることにしたい。