数日前に雷注意報が出ていたが、雷そのものはならなかったし、光もしなかった。立春後初めてなる雷を発雷というそうだが、一般的なことばではない。虫が動き出すという啓蟄のころは気圧が不安定なことが多く、雷が鳴ることが多いといわれるが、それを虫出しの雷、あるいは虫出しというのだそうである。これも一般的に流通していることばとはいえない。しかしなかなか面白い表現である。
★春雷や胸の上なる夜の厚み 細見綾子
★少年の夢掘り起こす春の雷 中村棹舟
★春雷やあそび出でたる野の仏 山根和子
第一句、こんな艶めかしい、そして即物的な句は初めて目にした。「夜」が単に暗闇であるとは到底思えない。ドキッとする句である。
第二句、眠っていた虫が動き出すように、少年の成長する姿が、春の来によって動き出す。何が契機となるか、きっかけはささいことであるかもしれない。きっかけはあくまできっかけ、自然の成長は力強い。
第三句、野の仏は五百羅漢なのかと想像した。
★春雷や胸の上なる夜の厚み 細見綾子
★少年の夢掘り起こす春の雷 中村棹舟
★春雷やあそび出でたる野の仏 山根和子
第一句、こんな艶めかしい、そして即物的な句は初めて目にした。「夜」が単に暗闇であるとは到底思えない。ドキッとする句である。
第二句、眠っていた虫が動き出すように、少年の成長する姿が、春の来によって動き出す。何が契機となるか、きっかけはささいことであるかもしれない。きっかけはあくまできっかけ、自然の成長は力強い。
第三句、野の仏は五百羅漢なのかと想像した。