嗚呼、フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作。アメリカ映画にとって彼の存在がいかに大きいか亡くして初めてみんな思い知る。でもこの作品、彼にとってはつなぎの作品と思われるような佳作ではあるが、彼の表情を追うだけで2時間は過ぎ行く。いい。 誠に惜しい俳優である。
他に俳優陣が豪華だ。同僚に「東ベルリンから来た女」のニーナ・ホス(雰囲気がある) 、今売れっ子美貌女優のレイチェル・マクアダムス、個性派俳優のウィレム・デフォー、「ラッシュ」のダニエル・ブリュール(ほとんどセリフはないが)。カネはかけているのが分かる。
話は9.11以降のテロ対策。舞台はハンブルク。このハンブルクが何かこの作品の鮮烈なイメージを強く醸し出している。パリかロンドンだったらこうは行かなかっただろう。
ラスト、肝心のホフマンが組織に裏切られる。何か見ていて危なっかしいことを珍しくしているなあと思っていたら案の定だった。CIAは非情です。それはホフマンが百も承知じゃないのか。
最後に。もうホフマンの演技が見られないのが返す返すとても残念であります。アメリカ映画界は大きな星を失った。
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