何となく時間が空いていたから見た演劇なんですが、まず
①これが旗揚げ公演だという。結構旗揚げ公演は見たつもりだが、何と旗揚げに見られる落ち着かなさがまるでなし。というか、もう数回公演をこなしている堂々感もある。これはすごい。
②旗揚げにしてはHEPなんて、ずうずうしいと思う。(これは完全に僕の斜め的私感です)普通はせせこましい小劇場から2,3年目でHEPという段階を踏むもんだ、という先入観を彼らは完全無視。これはすごい。
③旗揚げにしては2時間強の演目。しかもハートにずきんと引っかかるテーマで観客の胸ぐらをぐいぐい掴む。交通事故で加害者と被害者が入れ替わってしまうというまあよくあるストーリーなのだが、被害者が死んでしまうことから、自分のままで死んでゆくのか、それとも人の体を借りてまでも(殺人犯という存在で)他人を生きてゆくのか、という人類の神の領域にまで達する問いを続けることになる。これがすごい。
④演劇そのものは、これがキャラメルの成井的雰囲気が全編に漂い、見た後にまで余韻を残す憎い脚本、演出ぶり。これはすごい。
⑤役者連中の演技もいい。客演の役者さんも一流なんだろう、とても的確な演技の連続で安心できる。僕は母親の松岡ありささん(豊かな発声、ある意味彼女がこの舞台を引っ張っている))、猫役の大澄マナトさん(あの俊敏な猫らしい動作はまことに凄い。とても人間とは思えませんでした。)、そして複雑な役どころを見事体現した山咲和也さん(初演でこの演技は驚異的、「突劇金魚」の、かの奇才山田まさゆきさんごとし)、そして好みの原千博さん(いつも僕は暇だけど素敵)といいみんなすごい。
⑥家族間の食事風景。これが何とちゃんと舞台の上で食事をし、ちゃんと飲み物を飲む。(ビールも確か麒麟でなかったかい?)このふてぶてしさ。これはすごい。
⑦そして何と旗揚げにしては全演劇終了後のアフタートークあり、だなんて、ものすごくすごい。
⑧そしてこれは完全に僕の趣味だけど、この「アストライアー」のフライヤー。久々に4,5枚集め隠し持っています。美しいです。不気味です。でもこの作品の神髄をストレートに表現しています。これがすごい。
と、一目見ただけで「アマサヒカエメ」のファンになってしまいました。
一言。あなたたちはとてもすごいです。次回も超期待してるよ。
この度はご来場頂きまして誠にありがとうございました!
しかも過分なる『凄い』を頂きまして、
彼らも更なる覚悟を得たと思います。
これからの彼らを見守って頂けましたら幸いでございます。
また、どこかでお会い出来ましたら幸いです。