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日本映画で、これほど血のたぎりを感じる映画も最近では珍しい。3兄弟の血を巡る話なんですな。僕も4人兄弟だけど、この3人の感覚は分かるし、よく出ている。
兄が弟に向ける優しさも後半で露見し、そして僕は感動する。大森は長兄だけに抑えた役どころをさすがいぶし銀のうまみ。お父さんにも似て来たね。
実質的な主役は桐谷なんだろうけど、切れた感じと淡い憂いの合わさったところの表現が作りものではなく、自然と湧き出ていた。よくやった。
僕はあまり知らない鈴木浩介。ある意味この3兄弟で、ストーリーを引っ張り、精神的懊悩を観客と共有する難しい役だが、彼も演劇経験が豊富なせいか、オーバーにならず収束した演技。要の役を熱演。
他、次男の妻の篠田麻里子は子供を常に連れた主婦役なのだが、圧倒的なオンナを演じ、冴え渡る。存在感がすごかった。こんな女優さんだったけ?
いやあ、沸々と湧き立つ血のたぎり。映像から僕自身に伝染してしまったよ。今年の収穫作だ。入江を男にした文句なしの秀作である。
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