ユニークなSF的設定を題材にしたミステリーです。話の展開がよどみなく面白く、しかも根はシュールで、人は最後の時を迎える時にどう立ち向かえるか、といった本源的なところにまで及んでいる。その意味でも、数あるミステリーの中で注目すべき本であろう。
ただこの本を本格ミステリーとして捉えたら、意外な犯人という条件は合格しているが、如何に終末とはいえ、殺害動機がいかにも浅すぎる。やはり、ミステリーにおいて、動機を重視したい最後のあがきを僕は持っている。
江戸川乱歩賞、最年少23歳という若い才能は次作にも期待できる。
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