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伽羅の橋(2010 光文社 叶 紙器 (著)) 80点

2011-01-17 21:58:39 | 読書遍歴
敗戦直前の大阪大空襲当日の悲惨な事件と阪神大震災とを結ぶ、とてつもない「都市のトパーズ」とでもいうべき大スペクタクル。いやあ、よく書けています。
僕は大阪出身だからか、とても65年前の京橋あたりの軍需工場も興味がありますし、ヒロインが図書館を尋ねてそこから新事実を積み重ねていくといったきめ細かい地味さも気に入った。

肝心の、ああいう状況でわが子の首を処理するか、といった部分にちょっと疑問も感じたが、ラストの大仕掛けの映画的な迫力もなかなかのもの。
これはかなりのミステリー作家の登場の予感がします。秀作だ。

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