セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 92本、 演劇 70本

127時間 (2010/米=英)(ダニー・ボイル) 75点

2011-07-08 10:46:02 | 映画遍歴

出だしからPOPSが好調で快適。3分割の映像はそれほど秀逸とは思わないまでもまあ楽しめる。大峡谷の映像はさすが素晴らしく大自然の愛着と脅威を教えてくれる。

しかし題名にある通り観客はこの話のおおよその内容は想像しているわけだ。最後に生還するということは明白なので、とすると、2時間弱ずっと、青年の脱出への試みと、今まで生きてきた彼の人生への愛慕と後悔を観客は強いられることになる。

確かに【ジェームズ・フランコ】の一人演技も熱演で、彼はさわやかな風貌だけに2時間をきっちりと持たせ、そしてそれは成功している。 回顧シーン、大雨のものすごい撮影も秀逸で確かに【ボイル】らしい実力を如何なく発揮している。

しかし、やはりこれだけの内容で2時間を持たせるのは観客には少々きついものがある。そしてそのうち天をも圧倒する大孤独という想念も過ぎると、いよいよ生きるためには大きな決断をするという結論に否が応でも観客は導かれることになる。まさにずっとチラついていた「ソウ」が、、。

企画としてはこれだけの内容を一本の映画にしてしまうという【ボイル】の発想は称賛に値する。しかし、やはり映画的テクを駆使しても2時間はきついと僕は思う。やり遂げた彼の達成感と、それを見る観客の観賞感とは別物だ。力作とは思うが、、。


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