東北岩手の星、いや日本の星である宮沢賢治の家族の物語である。そこではいわゆる伝記もののスタイルはとってはいない。そこには日本のごく当たり前のどこにでもある家族の思いが凝縮され、みなぎっている。
賢治を才能豊かな芸術家風になぞらえていないところがこの作品の魅力である。ごく普通のでくの坊息子のようにさえ見えるところがほほえましい。そんな語り口がたまらん。
妹トシのはかない終わりのシーンは雪が幻想的ではっと驚くほど美しい。映画で今までこんな美しい別れのシーンがあったろうか、、。心に残る。
出演者全員の心のこもる演技、すべて知り尽くしたかのような成島の冴えた演出、日本映画の粋であろうと思う。
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