母の死を、死後3年たった回顧展で一同が巡り合う家族の話です。
何だか1編の小説を読んだ感が強いですね。夫から見た妻の、長男から見た、次男から見た母親の思いはそれぞれ当然のことながら違っている。
死んだ後に発見されるおもがけない事実もそれもまたその人の真実なのだ。
夫は妻の不貞まで知ることになるが、それほど懊悩しない。ある程度気づいていたのだろうか、、。この夫が一番悩んではいないことに我々は気づく。妻が写真家であることを理由にして、実は家庭に居場所がなくなっていることも実は知ってはいたのだろう。
子供が生まれて生涯で一番充実しているはずの長男でさえ、妻との違和感を感じ始めており、元カノと同衾するに至る。まあ、人生って、いつ何時どんな時でも不安定なひと時の連続ではあるけれども、、。しっかりしろよ。
そして母親の不在の後、父と二人っきりとなった次男が一番人生への目標も見いだせないまま、父親不振に陥る。これは年齢的にも誰もが通る道のりではある。
でも彼は誰の力も借りず、自分でその悲しみを乗り切る。彼が母親の面影をクラスメートに求め、彼女と夜明けに二人でただ歩くシーンは秀逸。泣けてきた。
秀逸な映画ですネ。全編心に沁みます。こういう映画は好きです。
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